国際生活機能分類(ICF)は,タクソノミーⅠ型だけだはなく,タクソノミーⅢ型でも出題されています。
どちらにも対応できることが必要です。
ICFで用いられる用語の定義
健康状態 |
疾病,変調,傷害など |
心身機能 |
身体系の生理的機能(心理的機能を含む) |
身体構造 |
身体の解剖学的部分 |
機能障害 |
心身機能または身体構造上の問題 |
活動 |
課題や行為の個人による遂行のこと |
参加 |
生活・人生場面への関わりのこと |
活動制限 |
個人が活動を行うときに生じる難しさのこと |
参加制約 |
個人が何らかの生活・人生場面に関わるときに経験する難しさのこと |
環境因子 |
人々が生活し,人生を送っている物的な環境や社会的環境,人々の社会的な態度による環境を構成する因子のこと |
背景因子には,環境因子のほかに個人因子がありますが,ICFでは,社会的・文化的に差があるため,定義づけしていません。しかし,それまでの人生の経験など個人的なものであることには間違いありません。
これらのうち,「心身機能・身体構造」「参加」「活動」は,「生活機能」という概念でまとめられています。
今日の問題は,タクソノミーⅠ型です。
第35回・問題2
国際生活機能分類(ICF)に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 対象は障害のある人に限定されている。
2 「社会的不利」はICFの構成要素の一つである。
3 「活動」とは,生活・人生場面への関わりのことである。
4 仕事上の仲間は「環境因子」の一つである。
5 その人の住居は「個人因子」の一つである。
この問題は,もしかするとICFの知識ゼロでもソーシャルワーカーなら正解できてしまうかもしれません。
それでは,正解です。
1 対象は障害のある人に限定されている。
ICFの対象は,障害のある人だけではなく,障害のない人も含まれます。
2 「社会的不利」はICFの構成要素の一つである。
「社会的不利」は,ICIDH(国際障害分類)の構成要素です。
ICIDHは,「機能・形態障害」「能力障害」「社会的不利」で構成されていました。
3 「活動」とは,生活・人生場面への関わりのことである。
生活・人生場面への関わりのことは,参加です。
活動は,課題や行為の個人による遂行のことです。
活動に分類されるものには,「歩く」があります。歩いて趣味のサークルに行くと「参加」です。
歩くことが困難なことは活動制限といいます。
活動制限があっても,電動車いすという環境が整えば,活動できます。参加もできます。
4 仕事上の仲間は「環境因子」の一つである。
5 その人の住居は「個人因子」の一つである。
正解は,選択肢4です。
この2つはいずれも生活機能の背景因子の「環境因子」です。
仲間は,システム理論でも環境なので,落ち着いて考えることができれば,正解できたのではないかと思います。
環境因子には,ここにある,仲間,住居のほかには,エレベーター,杖,歩行器,電動車いすなどが分類されます。
環境因子には,促進因子と阻害因子があります。
個人因子は,個人に関係するもの,例えば,生まれた場所,教育,年齢,職業経験などです。
個人因子には,環境因子と異なり,促進因子と阻害因子という概念はありません。
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