2019年5月31日金曜日

様々なアプローチのまとめのまとめ(永久保存版)

社会福祉士の国試の合格率は,約30%です。
合格する30%に入るためには,戦略が必要です。

戦略なしで合格をつかむのはとても厳しい試験であることをまずは理解しておくことが大切です。

戦略なしとは・・・例えば・・・

・10月になって,あわてて,過去問を開く。
・11月になって,あわてて,ヤマを張って勉強する。
・12月になって,あわてて,ネット情報を集め出す。
・1月になって,あわてて,他の人に勉強法を聞いて真似る。

といったものです。

合格するつもりのない記念受験組ならいざ知らず,本気で合格を目指すなら,国試から逆算した戦略が必要です。

科目ごとの目標得点を設定するのもその一つです。

参考書の多くは,国試で出題される順番に科目が並んでいます。

試験科目
 
共通科目
出題数
①人体の構造と機能及び疾病
7
②心理学理論と心理的支援
7
③社会理論と社会システム
7
④現代社会と福祉
10
⑤地域福祉の理論と方法
10
⑥福祉行財政と福祉計画
7
⑦社会保障
7
⑧障害者に対する支援と障害者自立支援制度
7
⑨低所得者に対する支援と生活保護制度
7
⑩保健医療サービス
7
⑪権利擁護と成年後見制度
7
専門科目
 
⑫社会調査の基礎
7
⑬相談援助の基盤と専門職
7
⑭相談援助の理論と方法
21
⑮福祉サービスの組織と経営
7
⑯高齢者に対する支援と介護保険制度
10
⑰児童と家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度
7
⑱就労支援サービス/更生保護制度
8
合計
150


こんな感じになっています。

今の段階では,どの科目が得意か不得意か分からないと思いますので,目標点数を設定するのは,おおよそで良いと思います。

最もボリュームのある科目は,「⑭相談援助の理論と方法」です。

問題数も多いですし,出題の中には事例があるので,点数が取りやすい科目だと思われがちです。

合格基準は60%程度なので,合格基準点は90点前後となるでしょう。
第31回国試では,89点が合格基準点(ボーダーライン)でした。

そうすると,この科目では,最低13点が必要となります。
しかし,他の科目で半分が取れない科目も発生する可能性を考えた時,7割ライン,つまり15点は取りたいです。

この科目でこれだけの得点を取るためには,事例や正解しやすい問題だけではなく,難しめの問題でも正解できることが必要です。

しかし,多くの人は,共通科目に時間をかけますが,専門科目には時間をかけない傾向があります。

その中でもこの科目に時間をかけて勉強する人は多くありません。
なぜなら,先に述べたように,得点しやすいと思っているからです。

毎年,必ず出題されている問題は,それほど多くはありません。

そのうち,この科目では,様々なアプローチは必ず出題されています。しかも複数問が出題されています。

確実に得点したい問題だと言えるでしょう。

最後のまとめのまとめとして,絶対に押さえておきたいポイントをもう一度まとめます。


様々なアプローチのまとめのまとめ

アプローチ名
援助方法
影響を与えた主な理論
提唱者
心理社会的アプローチ
「状況の中の人」を基本概念として,心理社会的に課題のあるクライエントに対して,コミュニケーションを通して関わっていく。
精神分析理論
ホリス
機能的アプローチ
ワーカーの所属する機関の機能を活用して,クライエントの意志で問題解決できるように援助する。
意志心理学
タフト
ロビンソン
スモーリー
問題解決アプローチ
クライエント自身が問題解決者であると捉え,問題を解決できるように援助する
役割理論
パールマン
課題中心アプローチ
クライエント自らが問題を解決するための課題を設定し,あらかじめ決められた期間の中で課題を達成することを目指す。
精神分析理論,役割理論,学習理論
リード
エプスタイン
危機介入アプローチ
危機状態に陥っている人に対して早期にかかわり,危機に対して対処能力を高める。
発達理論,危機理論
ラポポート
行動変容アプローチ
学習理論を活用して,クライエントの問題となる行動を消去や強化することにより,問題行動全体の変容を図る。
学習理論
トーマス
エンパワメントアプローチ
クライエントが抑圧された状況を認識して,潜在能力に気づいて,対処能力を高められるようにかかわる。
ソーシャルアクション
ソロモン
ナラティブアプローチ
クライエントが語るストーリーを重視して,新たな意味の世界を創り出すことを援助する。
物語理論
ホワイト
エプストン
解決志向アプローチ
クライエントが抱く解決のイメージを尊重し,その実現に向けてクライエントの社会的機能を高めることを目指す。
短期療法(ブリーフセラピー)
シェザー
バーグ
フェミニストアプローチ
女性にとっての差別や抑圧などの社会的な現実を顕在化させ,個人のエンパワメントと社会的抑圧の根絶を目指す。
女性主義(フェミニズム)
不明
実存主義アプローチ
利用者が他者とのつながりを形成し,疎外状態から解放されることに焦点を当てる。
実存主義
クリル
エコロジカルアプローチ
「人と環境」の交互作用に着目した援助法
システム理論
ジャーメイン
ギッターマン



「様々なアプローチ」の過去の出題実績
https://fukufuku21.blogspot.com/2019/05/blog-post_24.html

まんべんなく出題されています。
何が出題されても良いように,確実な知識にすることが大切です。

確実な知識になったのかを確かめるには,過去問を解いてみるのが一番です。

2019年5月30日木曜日

効果が出る勉強法・効果が出ない勉強法

社会福祉士の合格率は,約3割です。

多くの人は,不合格になります。

合格するのが少数派
合格できないのが多数派

次回の国試で合格を目指す人が圧倒的に多い試験です。

不合格になると,自分の能力不足を嘆き,絶望感に陥る人もいることでしょう。
合格率が6~7割といった,合格するのが多数派の試験なら,不合格になるのは能力不足だと言えるかもしれません。

しかし,社会福祉士の国試は,逆に不合格になる人が多数派です。
他の人と同じ勉強では国試で合格するのは難しいと言えます。

重要なことは,出題範囲をしっかり覚えることです。

心がけてほしいのは,必ず自分なりに説明できるように理解していくことです。

アプローチ名
提唱者
・心理社会的アプローチ
ホリス
・機能的アプローチ
タフト,ロビンソン,スモーリー
・問題解決アプローチ
パールマン
・課題中心アプローチ
リード,エプスタイン
・危機介入アプローチ
ラポポート
・行動変容アプローチ
トーマス
・エンパワメントアプローチ
ソロモン
・ナラティブアプローチ
ホワイト,エプストン
・解決志向アプローチ
シェザー,バーグ
・フェミニストアプローチ
不明
・実存主義アプローチ
クリル
・エコロジカルアプローチ
ジャーメイン,ギッターマン



これを暗記しても,合格できる知識にはなりません。

人名を覚えなければ正解できない問題は,ほとんどありません。

必要なのは,以下のような内容を理解していくことです。

アプローチ名
援助方法
・心理社会的アプローチ
「状況の中の人」を基本概念として,心理社会的に課題のあるクライエントに対して,コミュニケーションを通して関わっていく。
・機能的アプローチ
ワーカーの所属する機関の機能を活用して,クライエントの意志で問題解決できるように援助する。
・問題解決アプローチ
クライエント自身が問題解決者であると捉え,問題を解決できるように援助する
・課題中心アプローチ
クライエント自らが問題を解決するための課題を設定し,あらかじめ決められた期間の中で課題を達成することを目指す。
・危機介入アプローチ
危機状態に陥っている人に対して早期にかかわり,危機に対して対処能力を高める。
・行動変容アプローチ
学習理論を活用して,クライエントの問題となる行動を消去や強化することにより,問題行動全体の変容を図る。
・エンパワメントアプローチ
クライエントが抑圧された状況を認識して,潜在能力に気づいて,対処能力を高められるようにかかわる。
・ナラティブアプローチ
クライエントが語るストーリーを重視して,新たな意味の世界を創り出すことを援助する。
・解決志向アプローチ
クライエントが抱く解決のイメージを尊重し,その実現に向けてクライエントの社会的機能を高めることを目指す。
・フェミニストアプローチ
女性にとっての差別や抑圧などの社会的な現実を顕在化させ,個人のエンパワメントと社会的抑圧の根絶を目指す。
・実存主義アプローチ
利用者が他者とのつながりを形成し,疎外状態から解放されることに焦点を当てる。
・エコロジカルアプローチ
「人と環境」の交互作用に着目した援助法


先生によっては,国試には応用力が必要だ

と言う人がいます。

しかし,国試は基本を押さえれば,ちゃんと解けます。

応用力が必要だと思うなら,それは基礎理解が間違っていると言えます。


2019年5月29日水曜日

国試合格は工夫次第


社会福祉士の国試は,19科目あります。

そのうち,出題数の少ない就労支援サービスと更生保護制度は,2科目で1群とみなすので,全部で18群あります。

ところで,社会福祉士には,18群すべてに得点があることという足切りが設定されています。

トータルの点数がボーダーラインを超えても,18群のうち,いずれかの群に0点があれば,不合格になります。今年もこれに泣いた方の話を聞きました。

しかし「すべての群で得点があればよい」という条件は,別の見方をすれば,1点取れればよい,ということでもあります。

今年の国試で0点科目で泣いた方にお聞きしたいと思います。その科目は後で振り返っても解けなかったでしょうか? 

おそらく解けた問題はあったのではないかと思います。

「問題を見ると悔しさが増すので,問題は見たくない」とおっしゃる方もいるでしょう。


確かに悔しいことでしょう。その気持ちはとてもよくわかります。

苦手科目(あるいは0)であっても,その中にも得点できるものはあるはずです。

0点科目になることを恐れるがあまり,苦手科目に多く時間をかけてしまって得意科目が勉強できなかったということは絶対に避けたいことです。

0点科目になることを恐れるあまり,国試会場でもガチガチになり,余裕がなくなってしまうことも絶対に避けたいことです。

今ならまだ時間があります。国試に近くなってきたらメリハリも必要だと思いますが,今はどの科目にも同じように時間をかけてほしいと思います。

覚え方にはコツがあります。

一つひとつに時間をかける勉強も重要だと思いますが,社会福祉士の科目は,制度別の縦割りになっているので,科目間のつながりが見えにくくなってしまうので注意が必要です。

分野が違うと別の制度に見えるかもしれませんが,社会福祉士に関連する法制度の多くは,厚生労働省の官僚によってつくられます。

そのため,制度設計は共通のベースによってつくられているものが大半です。

たまたま法の対象が違うだけだと言えます。

第31回国試では,「児童と家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度」が0点になった人が多かったようです。

この科目は,なじみのない制度が多いということも関係しているのかもしれません。

実践レベルでは異なるアプローチが必要ですが,他領域と重なる部分も多くあります。

こういったところに気を付けて勉強していけば,得点力はぐんぐん上がっていきます。

領域で共通するのは,国,都道府県,市町村の役割です。
児童や障害者が苦手だと思う方は,特にここに着目してみてください。

共通点を探すことを意識して勉強してみましょう。

必ず共通点が見つけられます。

得点力が上がりますし,めったにミスしない視点づくりにもなります。

2019年5月28日火曜日

合格できるのはわずか3割の国試にチャンレンジ!

社会福祉士の国試の合格率は,25~30%の間で推移しています。

国試は決して簡単ではありませんが,戦略はあります。

丸暗記はやめよう!

参考書の内容をひたすらノートに写す勉強をしている人がいます。
もしそのような勉強をしていたら,即刻やめましょう。

写すことが目的となり,理解することができていない恐れがあるからです。

ここで分かるように,勉強で大切なのは,理解することです。

理解するのが難しいと思うところは,国試でねらわれるポイントとなります。

先生によっては,「参考書をひたすら読むこと」と指導する方もいらっしゃるかもしれません。その方法も間違いではないのですが,問題を読み解く力をつけるには,丸暗記をするのではなく,自分なりに理解していくことが大切です。

今はまだ時間があります。自分なりの覚え方を一日でも早く確立してくてください。

丸暗記自体も難しいですが,丸暗記が通用する試験ではありません。

3年間の過去問を3回繰り返せば合格できる

これで合格できるなら,合格率30%ということはあり得ません。

出題基準に示された範囲を必死に勉強した上位30%の人が合格できる試験です。
記念受験の人もいると思うので,実質的にそこまで厳しい試験ではありませんが,3年間の過去問を3回繰り返せば合格できる試験ではないことは間違いありません。

国試で出題されるポイントは決まっています。
そこに慣れるために過去問を使うというのが正しい勉強法です。

参考書に示された内容をきっちり覚えることが大切ですが,それは丸暗記することではありません。

合格率30%の試験ですが,適切な勉強をすれば,必ず合格できます。
別な言い方をすると,間違った勉強をする人がそれだけ多いと言えるのではないでしょうか。

来年の試験でリベンジをねらう人は,勉強法に誤りがなかったのか,振り返っておくことが大切です。

覚え方を間違えると,努力が報われないので注意が必要です。

2019年5月27日月曜日

リベンジを果たすタイプ別勉強法

現役で合格できれば,それに越したことではありません。

しかし合格率はわずか3割です。
7割は不合格になります。

つまり合格するのは少数派です。

多くの受験生は,リベンジを目指すか,再受験をあきらめます。
どちらも毎年,一定の割合です。

実際にどのくらいの受験生の方が,再受験するのかは調べたことはありませんが,合格率を考えると,おそらく受験生の半数以上は再受験の方ではないかと思います。

この学習部屋は,もともとは再受験される方の受験を応援するために始めたものです。
そこで,来年の合格を確実にするために,今回は今年の国試を考えてみたいと思います。


あなたはどっちのタイプ?


タイプ1 
後から問題を読んだら解けた問題があり,そこで点数が取れていたら合格基準点を上回っていたタイプ。


タイプ2 
後から問題を読んでも,合格基準点は上回ることができなかったタイプ。

多くの方は,タイプ1だと思います。

数点差で合格できなかった方のほとんどはこのタイプでしょう。
試験が終わると,「勉強不足だった」という感想を持ったのではないでしょうか。

もちろん知識がたくさんあることに越したことはありません。
知識不足で合格できるほど,簡単な試験ではないからです。

中に,「自分の能力不足だった」という感想を持つ人もいます。

「勉強不足だった」と考えるのは,達成動機の高い人です。
「能力不足だった」と考えるのは,達成動機の低い人です。

話を戻します。

タイプ2は,合格するだけの知識が不足していたタイプです。まずは基礎力をつけることから始めなければなりません。

タイプ1とタイプ2を比べると,対策が比較的単純なのは,タイプ2の場合です。
先に述べたように,「知識をつけること」という明確な強化ポイントが見えるからです。



意外と大変なのは,実はタイプ1の方です。

問題を見ると毎年まったくわからない出題があり,「どれだけ勉強したら合格点に達するのだろうか」と不安になる方もいらっしゃることでしょう。

合格に必要な知識量は無限ではありません。

合格に必要なのは,確実に正解しなければならない問題を確実に正解することです。
参考書に書かれていない問題で,勘も使えないような問題は誰も解けないので,本当は気にすることはないものです。

ここで,戦略を間違うと大変なことになるので,注意が必要です。

知識があっても正解できないのが,国試の怖いところです。

国試会場の独特の雰囲気の中で,冷静に問題に向き合うのは本当に大変です。
後で問題を見たら解けた,ということからわかるように,知識不足だけが理由ではありません。

なぜ正解を選べなかったのでしょうか?

国試は極限の精神状態で受験します。
そこで,自分の力を発揮するのは本当に大変なことだと思います。

その時,自分を後押ししてくれるのは,

ここまで頑張った
後は野となれ山となれ

といった開き直りの心境です。

そうなるためには,この時期の勉強が大切です。

一歩も二歩も他の受験生に差をつけることができるのが今の時期です。
というのは,現役で受験する予定の人のほとんどはまだ勉強を始めていないからです。

タイプ1の方もタイプ2の方も,来年確実に合格するのは今の頑張りです。

2019年5月26日日曜日

得点できる勉強のコツを教えます

今年受験された方は,なかなか勉強を再開する気にならない,という方も多いことと思います。

悔しくてショックで立ち上がれない,というのはそれだけ全力で国試に向かった証拠です。その悔しさは,必ず次のパワーになるはずです。

別な言い方をすれば,悔しさがないと合格に向けたパワーにつながらないと言えます。

何度か受験すると,これ以上何をすべきなのか分からないという方もいます。

しかし合格に向けてすべきことはたくさんあります。

分かりにくいところは調べてみる。
法制度は,法を読んでみる。

社会福祉士の国試に合格するために必要な知識は無限なわけではありません。
出題基準に示された内容に沿って,国試問題は作られているからです。

時々出題基準に示されていないものが出題されることもあります。
しかしそれはレアケース。

また,様々な報告書の内容が出題されています。
これらに目を通しておかなければならない,と思うと深みにはまります。

どのように出題されるか分からない内容を頭に入れるのは至難の業です。

学校の先生は,

報告者や白書に目を通しておきましょう!

と言うかもしれません。

それはその分野の専門家だから,報告書などを読めば,どこがポイントなのか分かるので,対応可能です。

しかし一般的な人は,それが分かりません。

そんなものに時間をかけるなら,参考書に記述されている内容を確実に覚えることに時間を費やした方が良いと思います。

合否は1・2点差で決まることが多いものです。

その点数で泣いた人は,あの報告書に目を通しておかなかったからだ,といった後悔もするかもしれません。

しかし本当に合否を分ける1・2点差を生み出しているのは,落ち着いて問題を読めば解けた問題です。あるいは,毎年出題されている内容です。

そこをかっちり覚えることが,合格ラインを超えるために必要です。

勉強不足の人が合格できる国試ではありません。

第31回問題です。

問題142 「平成28年度福祉行政報告例」(厚生労働省)における児童相談所の相談に関する統計の説明のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 児童相談所が対応した児童虐待相談件数は,10万件を超えている。
2 児童相談所が対応した虐待相談を虐待種別でみると,身体的虐待が最も多い。
3 児童相談所が対応した相談のうち,児童福祉法に基づく入所措置をとったものは3割程度である。
4 児童相談所が受け付けた相談の相談経路は,学校が最も多い。
5 児童相談所が受け付けた障害相談の内訳でみると, 肢体不自由相談が最も多い。


こういった出題があると,この報告書も目を通さなければ正解できないと思うかもしれません。

正解は選択肢1です。

正解した人は,消去法ではなく,確信をもってこれを正解にしたはずです。

なぜなら,これは参考書などに書かれていた内容だからです。

参考書に書かれているものには,
2 児童相談所が対応した虐待相談を虐待種別でみると,身体的虐待が最も多い。

書かれていないのは
3 児童相談所が対応した相談のうち,児童福祉法に基づく入所措置をとったものは3割程度である。
4 児童相談所が受け付けた相談の相談経路は,学校が最も多い。
5 児童相談所が受け付けた障害相談の内訳でみると, 肢体不自由相談が最も多い。


と整理することができます。

知識ゼロで考えなければならない選択肢が3つあると,難易度は増します。

しかし,先に述べたように,正解できた人は,自信を持って答えたはずです。


なぜなら,参考書にも書かれている内容に加えて,過去に出題されていた内容でもあるからです。

第28回・問題136 「平成25年度福祉行政報告例」(厚生労働省)における「児童相談所における児童虐待相談の対応件数」に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 平成25年度の児童虐待相談の対応件数は,約3万件である。
2 「相談種別」では,「性的虐待」が全体の3割を占めている。
3 「主な虐待者別」では,「実母」の方が「実父」よりも多い。
4 「相談の経路別」では,「虐待者本人」が全体の4割を占めている。
5 「被虐待者の年齢別」では,「中学生」と「高校生」を合わせたものが,全体の7割を占めている。


正解は,選択肢3です。

国試受験される方は,参考書の方に過去問も勉強することでしょう。

何度か繰り返すと,答えを覚えてしまいます。

そうすると,間違い選択肢は,スルーしてしまう可能性が高いです。

第28回と第31回国試問題を比べてみると,第28回国試で間違い選択肢として出題されたものが第31回国試では正解に焼き直して出題されていることが分かります。

これが,今まで主張してきた

国試は,少しずつ重なっていて,少しずつ違う

という意味です。

第31回問題では,答えが分からないと

3 児童相談所が対応した相談のうち,児童福祉法に基づく入所措置をとったものは3割程度である。
4 児童相談所が受け付けた相談の相談経路は,学校が最も多い。
5 児童相談所が受け付けた障害相談の内訳でみると, 肢体不自由相談が最も多い。

に意識がいってしまい,正解を選び出すのが極めて難しくなってしまいます。


参考書では,細かい数値まで記載され,しかも新しい参考書では最新の数値が記載されています。

しかし,国試で必要な知識は,大体の傾向で良いのです。

この場合は,10万件を超えているといったことです。
細かい数値を覚えれば覚えるほど,情報はすぐ古くなります。

参考書が作られてから,国試までの間には新しい数値が発表されるものもあります。
そうすると,どの数値を覚えたらよいのか分からなくなる人もいるでしょう。

数値はざっくり覚えるだけで良いです。どちらの数値でもなくざっくりで良いのです。

例えば50%を超えるのが超えないのか,といったことです。


年度によって順位が入れ替わるようなものは出題されたことがありません。

こういった覚え方のポイントは,過去にどのように出題されているのか知っているから言えます。

せっかく時間をかけて覚えても,ポイントがずれていたり,あいまいになるようでは,国試で得点するのは難しいです。


私たちチームfukufuku21は,本気で合格を目指す方のサポーター集団です。
国試以外のテーマは取り扱いません。

国試に合格するために必要な本物の情報を伝えていく予定です。

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