課題中心アプローチの重要ポイントは,短期処遇であることです。
クライエントとワーカーが共同で,課題を明確にして,達成可能な目標を設定して,期限を定めて課題解決に向けて取り組んでいきます。
今回は,課題中心アプローチの事例問題を取り上げます。
それでは今日の問題です。
第26回・問題100 事例を読んで,E相談支援専門員(社会福祉士)によるFさんの支援に関する次の記述のうち,課題中心アプローチに基づく支援として,適切なものを2つ選びなさい。
〔事 例〕
U市基幹相談支援センターのE相談支援専門員は,U市地域福祉課担当者からの連絡で,Fさん(30歳,男性)に対する相談支援の依頼を受けた。自宅を訪問して,Fさんが父親との関係に困って地域福祉課に連絡したこと,10年前の交通事故によって身体障害があり,電動車いすで近所には行けること,父親と二人暮らしで食事や掃除は近所の親威に手伝ってもらっていること,毎日パチンコ店に行って父親と口論になることなどを聴いた。
1 父親とどんなときに口論になるかについて具体的に尋ねる。
2 昼間の居場所として作業所に通うことを勧める。
3 困っている問題の優先順位について尋ねる。
4 ヘルパー利用を促すために居宅介護事業所を紹介する。
5 奇跡が起こったらどのような人生を送りたいかと解決像を尋ねる。
事例問題ですが,課題中心アプローチがわからなければ,答えられない問題です。
こういった問題を確実に正解できることが合格するために必要です。
正解は,選択肢1と3です。
1 父親とどんなときに口論になるかについて具体的に尋ねる。
3 困っている問題の優先順位について尋ねる。
課題中心アプローチは,まず課題を明らかにします。
どちらも課題を明らかにするものです。
ほかの選択肢も確認してみましょう。
2 昼間の居場所として作業所に通うことを勧める。
4 ヘルパー利用を促すために居宅介護事業所を紹介する。
どちらも課題を明らかにする前に社会資源に結び付けようとしています。
課題中心アプローチではなくても適切な対応とは言えないでしょう。
5 奇跡が起こったらどのような人生を送りたいかと解決像を尋ねる。
奇跡が起こったらどのような人生を送りたいかと解決像を尋ねるのは,解決志向アプローチです。
解決志向アプローチは,特徴的な質問を用いますが,この質問はそのうちの「ミラクル・クエスチョン」と呼ばれる質問です。
<今日の一言>
近年は,今日の問題のように事例を使って知識を問うものが出題されるようになってきました。
事例問題であっても,知識がなければ解けないので注意が必要です。
一つひとつを丁寧に覚えていくことが大切です。
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