現時点(5月下旬)で国試に向けて勉強をしている人はそれほど多くはないでしょう。
このサイトに訪れる方の数は,5月が最も少ない時期であるところからもそれがよく分かります。
国試の合格率は,約30%です。
不合格になる方は,7割にもなります。
本当に難しい試験だと思います。
だからといって,あきらめてしまえば,それで終わってしまいます。
国試の勉強でとても重要なのは,きっちり覚えることです。
きっちり覚えるとは,丸暗記することではありません。
内容を理解して覚える,という意味です。
何を使って,どのくらい勉強するか,といった定量的な勉強アドバイスは分かりやすいですが,きっちり覚えるのは,工夫が必要です。
社会福祉士の国試問題は,第1・2回は非公表(問題用紙の持ち帰り不可)なので,確実な問題が分かるのは,第3回国試からです。
そのいくつかを紹介すると・・・
問題1 次の文章の空欄A,B,Cに該当する語句の組み合わせとして,正しいものを一つ選びなさい。
「ゆきとどいた保健・医療・福祉サービスを受けつつ,高齢者が可能な限り家族や( A )の中で生活できるよう,( B )の施策を進め,ねたきり老人や痴呆老人の介護に当たる家族を支援する。さらに,施設への入所が必要な者については,その状態に応じ,( C )や老人保健施設に入所できるようにする」(「長寿・福祉社会を実現するための基本的考え方と目標について」昭和63年,10月より)
A B C
1 施設---------積極的--------老人病院
2 地域---------積極的--------老人病院
3 地域---------総合的--------特別養護老人ホーム
4 地域---------総合的--------特別養護老人ホーム
5 施設---------総合的--------老人病院
正解は4です。
問題2 1986年に発表された「日本の将来推計人口」(中位推計値)による,西暦2000年の高齢化状況を示す数値の組み合わせとして,正しいものを一つ選びなさい。
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老齢人口比率
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老年人口指数
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老年化指数
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従属人口指数
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年少人口指数
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1
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16.3%
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24.7%
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90.5%
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52.1%
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27.4%
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2
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16.3%
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27.4%
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90.5%
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52.1%
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24.7%
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3
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16.3%
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52.1%
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27.4%
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90.5%
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24.7%
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4
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20.0%
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24.7%
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52.1%
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90.5%
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27.4%
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5
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20.0%
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32.5%
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107.1%
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62.8%
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30.3%
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正解は1です。
問題4 社会福祉士に要求される秘密保持の義務に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。
1 この義務は特定の契約を結んだ利用者に限って免除されるものである。
2 この義務は社会福祉士として職に就いている時のものである。
3 この義務は倫理上のものであって,特別な法律による規定はない。
4 この義務は社会福祉士でなくなった後においても守らなくてはならない。
5 この義務の不履行は,民法上の規定により損害賠償の対象となる。
正解は4です。
今はないスタイルの問題や今でもそのまま使える問題があるのが分かります。
国試問題は,こういった問題を少しずつずらしながら出題範囲を広げてきました。
これらをまとめたのが,参考書の記述です。
それはさておき。この当時の国試問題は,勘の良い人は知識がなくても解けた可能性があります。
しかし,知識がなくても勘の良い人が解ける問題では適切ではないと思います。
問題3で言えば・・・
2 この義務は社会福祉士として職に就いている時のものである。
4 この義務は社会福祉士でなくなった後においても守らなくてはならない。
今は,きっちり覚えなければほとんどの問題は解けない問題です。
時代は変わっているのに,勉強法が同じで良いわけがありません。
ぜひ私たちの提案を参考にして,合格をつかんでほしいと思います。