2024年11月2日土曜日

生活モデルについて

 

システム理論は,「人と環境」を一体のものとしてとらえます。

それをさらにすすめたと言えるのが,「生活モデル」です。


エコロジカルアプローチを提唱したジャーメインとギッターマンが,エコロジカル(生態学)の視点をソーシャルワークに導入したものです。


生活モデルでは,クライエントの生活全体をとらえ,人と環境の交互作用から生じた問題に着目します。


人は環境との交互作用の中で,ストレスを感じることがあります。人はそれを乗り越える解決能力をもちますが,乗り越えられないこともあります。


そんなとき,ソーシャルワークが介入することになります。


それでは,今日の問題です。


第33回・問題106

次のうち,生活モデルにおけるクライエントの捉え方として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 環境から一方的に影響を受ける人

2 成長のための力を有する人

3 治療を必要とする人 

4 パーソナリティの変容が必要な人

5 問題の原因を有する人


何とも変わった問題です。


こういった問題は,正解がわかりにくいので,知っている知識を最大限に活用して,答えを考えます。


そういった意味では,タクソノミーⅡ型に分類される問題だと言えるでしょう。


それでは解説です。


1 環境から一方的に影響を受ける人


人は,環境との間で交互作用を行っています。一方的に影響を受けるのではなく,交互作用を通して,変化していきます。


2 成長のための力を有する人


これが正解です。


生活モデルでは,クライエントは自身で成長するための力を有する力を持つ存在であるととらえます。


その力をもって,ストレスに適応していきます。


生活モデルの視点によるソーシャルワークでは,どの程度,どのようにストレスに対応しているのかを把握するところから始まります。


3 治療を必要とする人 


治療を必要とする人ととらえるのは,伝統的なアプローチである治療モデル(医学モデル)です。


治療モデルは,フロイトの精神分析理論を基盤として発展していきました。


4 パーソナリティの変容が必要な人


パーソナリティの変容が必要な人ととらえるのも治療モデルです。


精神分析理論を用いて,治療していきます。


5 問題の原因を有する人


問題の原因を有する人ととらえるのも治療モデルです。


生活モデルでは,人と環境は交互作用を行っているため,問題の原因は,クライエントと環境のどちらにあるのかを明確にすることができません。


〈今日の一言〉


この問題には,出題されていませんが,ソーシャルワークの実践モデルには,治療モデル,生活モデルのほかにストレングスモデルがあります。


ストレングスモデルは,クライエントのもつ強さ(ストレングス)に着目して,支援していきます。


ストレングスは,クライエント自身のみならず,その周りにあるもの中にも見出すことができます。

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