今回は,高齢者の保健・福祉制度の変遷を学びます。
歴史的にみると,高齢者福祉は,貧困対策として始まっています。
老人福祉法の制定によって,社会福祉制度となりました。
その当時,老人保健制度は老人福祉法によって含まれ,老人保健法の制定によって,老人保健制度は同法に移行しています。
それでは,今日の問題です。
第33回・問題127
高齢者の保健・福祉制度の展開に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 生活保護法(1950年(昭和25年))により,全国老人クラブ連合会が結成され,老人クラブが規定された。
2 老人福祉法(1963年(昭和38年))により,軽費老人ホームが規定された。
3 老人保健法(1982年(昭和57年))により,介護予防事業が規定された。
4 高齢社会対策基本法(1995年(平成7年))により,21世紀までの介護基盤の量的整備が規定された。
5 介護保険法(1997年(平成9年))により,認知症サポーター養成研修事業が規定された。
歴史は苦手とする人は多いですが,覚えることはそれほど多くないので,点数は取りやすいと言えます。
それでは解説です。
1 生活保護法(1950年(昭和25年))により,全国老人クラブ連合会が結成され,老人クラブが規定された。
老人クラブが規定されたのは,老人福祉法です。
2 老人福祉法(1963年(昭和38年))により,軽費老人ホームが規定された。
これが正解です。
老人福祉法では4種の老人ホーム(特別養護老人ホーム,養護老人ホーム,軽費老人ホーム,有料老人ホーム)が規定されました。
このうちの養護老人ホームは,生活保護法に規定されていた養老施設が,老人福祉法に鞍替えして,施設名称も変更されています。
3 老人保健法(1982年(昭和57年))により,介護予防事業が規定された。
介護予防事業が規定されたのは,介護保険法です。
4 高齢社会対策基本法(1995年(平成7年))により,21世紀までの介護基盤の量的整備が規定された。
21世紀までの介護基盤の量的整備が規定されたのは,1994年(平成6年)の新ゴールドプランです。
5 介護保険法(1997年(平成9年))により,認知症サポーター養成研修事業が規定された。
認知症サポーター養成研修事業を法的に規定している法律はありません。
厚生労働省の要綱によって実施されています。