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2024年12月12日木曜日

グリーフケアの事例問題

 

今回は,グリーフケア(悲嘆に対するケア)を学びます。


前説なしに今日の問題です。


第34回・問題101

事例を読んで,Z障害者支援施設のF生活支援員(社会福祉士)が行ったこの段階におけるクライエントへの対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。

〔事 例〕

 Gさん(58歳)は半年前に脳梗塞を起こし左半身に障害がある。現在,社会復帰を目指しZ障害者支援施設に入所している。家族は夫だけだったがその夫は10日前に病死した。葬儀が終わり戻ってきたGさんは意気消沈し精神的に不安定な状態だった。さらに不眠も続き食事もとれなくなっていた。そこでF生活支援員はGさんの部屋を訪問した。するとGさんは,「退所後の夫との生活を楽しみに頑張ってきたのに,これから何を目標に生きていけばいいのか」と涙をこらえながら話してくれた。

1 不眠は健康に悪いので日中の活動量を増やすように指導する。

2 悲しみが溢れるときには,気持ちを抑えることはせず,泣いてもいいと伝える。

3 夫が亡くなった現実を直視し,落胆しすぎずに頑張るように励ます。

4 もう少し我慢し耐えていれば,きっと時間が解決してくれると伝える。

5 今までのリハビリの努力を認め,退所後に描いていた生活の一端をかなえるためにも,リハビリに集中するように伝える。


グリーフケアの基本は,ただ黙って話を聞くことです。余計な声掛けは必要としません。


それでは,解説です。


1 不眠は健康に悪いので日中の活動量を増やすように指導する。


不眠は健康に悪いのはもっともな話です。


しかし,日中の活動量を増やしても,Gさんの悲しみは解消されません。


2 悲しみが溢れるときには,気持ちを抑えることはせず,泣いてもいいと伝える。


これが正解です。


夫が亡くなる前から,ずっと気を張ってきたかもしれません。泣くという感情表出をうながすことで,背負っている荷物をおろすことが期待できます。


その時は,何の声掛けも必要としません。そっと肩を抱きしめてあげるだけで十分です。


3 夫が亡くなった現実を直視し,落胆しすぎずに頑張るように励ます。

4 もう少し我慢し耐えていれば,きっと時間が解決してくれると伝える。


この2つはいずれも最悪の対応です。


5 今までのリハビリの努力を認め,退所後に描いていた生活の一端をかなえるためにも,リハビリに集中するように伝える。


リハビリ中は,夫が亡くなった喪失感を紛らわすことができるかもしれません。

しかし,lリハビリが終わったら,また思い出すことでしょう。

2024年12月11日水曜日

ケースワークの原則

 

個別化 クライエントを他のクライエントと比べることなく,理解すること。

意図的な感情表出 クライエントが感情を表現することができること。

統制された情緒的関与 援助者が自分の情緒をコントロールできること。

受容 クライエントを受け止めること。

非審判的態度 クライエントを非難するような態度を取らないこと。

自己決定 クライエントが自己決定する主体であること。

秘密保持 クライエントに関する情報を漏らさないこと。


理解しにくいのは,「意図的な感情表出」と「統制された情緒的関与」でしょう。

 

感情を表出するのは,クライエントです。

情緒を統制するのは,ワーカーです。

これが逆だとおかしなことになってしまいます。

 

統制された情緒的関与ができるようになるには,ワーカーの自己覚知が欠かせません。

 

なぜなら,ワーカー自身の価値観がクライエントの話した内容を許せないものであったなら,ワーカーは混乱し,冷静にクライエントに接することができなくなってしまうかもしれないからです。

ワーカーは個人的にどのような価値観を持っていようが,ソーシャルワークには関係ないことです。

 

それを持ち込まないようにするのが,自己覚知であり,統制された情緒的関与です。

それでは,今日の問題です。

 

34回・問題116

バイステック(BiestekF.)の援助関係の原則に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 意図的な感情表出の原則とは,クライエントのありのままの感情を大切にし,その表出を促すことである。

2 統制された情緒的関与の原則とは,クライエント自身が自らの情緒的混乱をコントロールできるようにすることである。

3 個別化の原則とは,他のクライエントと比較しながら,クライエントの置かれている状況を理解することである。

4 受容の原則とは,ソーシャルワーカーがクライエントに受け入れてもらえるように,誠実に働き掛けることである。

5 非審判的態度の原則とは,判断能力が不十分なクライエントを非難することなく,ソーシャルワーカーがクライエントの代わりに意思決定を行うことである。

 

ケースワークの原則は重要ですが,国家試験で出題されたことは,実はそれほどありません。

 

この知識があることを前提にして,問題を解くのが基本です。

 

忘れた頃に出題するという感じでしょうか。

 

それでは,解説です。

 

1 意図的な感情表出の原則とは,クライエントのありのままの感情を大切にし,その表出を促すことである。

 

これが正解です。

 

「誰が感情を表出するのか」を正しく理解しておかないと正解できません。

 

2 統制された情緒的関与の原則とは,クライエント自身が自らの情緒的混乱をコントロールできるようにすることである。

 

自らの情緒的混乱をコントロールできるようにするのは,クライエントではなく,ワーカーです。

 

3 個別化の原則とは,他のクライエントと比較しながら,クライエントの置かれている状況を理解することである。

 

個別化の原則は,他のクライエントと比較しないことです。

 

4 受容の原則とは,ソーシャルワーカーがクライエントに受け入れてもらえるように,誠実に働き掛けることである。

 

受容は,クライエントをワーカーが受け入れることです。

 

5 非審判的態度の原則とは,判断能力が不十分なクライエントを非難することなく,ソーシャルワーカーがクライエントの代わりに意思決定を行うことである。

 

非審判的態度の原則は,クライエントを非難するような態度を取らないことです。

 

判断能力が不十分なクライエントを非難することなく,ソーシャルワーカーがクライエントの代わりに意思決定を行うことは,パターナリズム(父権主義)です。

 

〈今日の一言〉

 

今日の問題は,クライエントとワーカーをひっくり返して出題した内容が含まれています。

知識不足だと,引っ掛けられそうです。

 

感情を表出するのは,クライエントです。

 

情緒を統制するのは,ワーカーです。

 

2024年12月9日月曜日

ソーシャルワークにおける援助関係

 

今回は,ソーシャルワークにおける援助関係を学びます。


前説なしで,今日の問題です。


第35回・問題104

ソーシャルワークにおける援助関係に関する次の記述のうち,適切なものを2つ選びなさい。

1 転移とは,ソーシャルワーカーが,クライエントに対して抱く情緒的反応全般をいう。

2 統制された情緒的関与とは,ソーシャルワーカーが,自らの感情を自覚し,適切にコントロールしてクライエントに関わることをいう。

3 同一化とは,ソーシャルワーカーが,クライエントの言動や態度などに対して,自らの価値観に基づく判断を避けることをいう。

4 エゴグラムとは,ソーシャルワーカーが,地域住民同士の関係について,その相互作用を図式化して示すツールをいう。

5 パターナリズムとは,ソーシャルワーカーが,クライエントの意思に関わりなく,本人の利益のために,本人に代わって判断することをいう。


決して難しい内容はありませんが,確実に正解するのは難しいものです。

それが国家試験です。


それでは,解説です。


1 転移とは,ソーシャルワーカーが,クライエントに対して抱く情緒的反応全般をいう。


転移,逆転移に関するものです。


転移は,クライエント → ワーカー


逆転移は,ワーカー → クライエント


2 統制された情緒的関与とは,ソーシャルワーカーが,自らの感情を自覚し,適切にコントロールしてクライエントに関わることをいう。


ケースワークの原則に関する問題です。


これが1つめの正解です。


3 同一化とは,ソーシャルワーカーが,クライエントの言動や態度などに対して,自らの価値観に基づく判断を避けることをいう。


ソーシャルワーカーが,クライエントの言動や態度などに対して,自らの価値観に基づく判断を避けることは,非審判的態度です。


4 エゴグラムとは,ソーシャルワーカーが,地域住民同士の関係について,その相互作用を図式化して示すツールをいう。


ソーシャルワーカーが,地域住民同士の関係について,その相互作用を図式化して示すツールは,エコマップです。


5 パターナリズムとは,ソーシャルワーカーが,クライエントの意思に関わりなく,本人の利益のために,本人に代わって判断することをいう。


これが2つめの正解です。

2024年12月8日日曜日

ソーシャルアクションについて

 

今日のテーマは,ソーシャルアクションです。


ソーシャルアクションを直訳すると


ソーシャル=社会


アクション=行動,活動


合わせて,社会行動,あるいは社会活動という意味となります。


社会行動,あるいは社会活動という言葉からその内容を推測するのはとても難しいことでしょう。


勘のよい人なら,見当をつけることができるかもしれません。


それでは,ソーシャルアクションとは,どのような意味なのでしょうか。


ソーシャルアクションとは,社会問題の解決のために制度の創設などを求める活動のことを言います。


つまり,外向きの活動です。


第33回国家試験では,民生委員の前身である方面委員が救護法の実施を求めた活動のことが出題されています。


これがまさにソーシャルアクションです。


ソーシャルアクションとは,おおよそどんなことなのか理解できましたか?


社会福祉士の国試は,丸暗記がそのまま使える問題はそれほど多くはありません。大多数は,その意味を知っていることを前提にして正しく答えさせるものが基本です。


それでは,今日の問題です。


第28回・問題113 

ソーシャルアクションに関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。

1 目的には,社会参加の促進は含まれない。

2 対象には,個人は含まれない。

3 内容には,ソーシャルアドミニストレーションが含まれる。

4 展開過程には,学習会や調査などによる問題と要求の明確化が含まれる。

5 形態には,自らの課題を克服し要求を実現する組織化は含まれない。


「含まれる」と「含まれない」が混在している問題は,あまり良い出来ではありません。


なぜなら,「含まれる」のほうに正解があることが多いからです。


それでは解説です。


1 目的には,社会参加の促進は含まれない。


これは意味がわかりにくいものかもしれません。


社会参加の促進とは,たとえば,合理的配慮を求めて,会社に交渉することなどです。


それによって,障害があっても働きやすい職場となります。


まさに社会参加の促進です。


2 対象には,個人は含まれない。


ソーシャルアクションは,社会を対象にしていることが多いですが,個人の権利擁護を通して,ソーシャルアクションにつながることはよくあります。


古くは,朝日訴訟で知られる朝日茂さんには,多くの支援者が集まりました。


この活動を通して,生活保護費の給付額の見直しがされるようになったのです。


まさにソーシャルアクションだと思いませんか。


3 内容には,ソーシャルアドミニストレーションが含まれる。


カタカナの用語が出てきました。今日の問題の中で最も手ごわいものでしょう。


言葉を知らないと推測することができません。勉強不足の人は,こういうものに引っ掛けられて間違います。


アドミニストレーションとは,運営管理のことです。


運営管理は,既にある制度を実行する過程なので,ソーシャルアクションとは逆向きです。


この制度が良くないから,法令遵守はしない,なんてことになったら制度の運営ができません。


最悪の場合は,指定取消しもあり得ます。


4 展開過程には,学習会や調査などによる問題と要求の明確化が含まれる。


これが正解です。


学習会や調査などによる問題と要求の明確化は,要求する内容に説得力が生まれることでしょう。


主観(時には情熱)も重要ですが,多くの人を動かすには,客観的に説得力があると良いです。


そのための準備が,勉強会の開催やデータの集積です。


5 形態には,自らの課題を克服し要求を実現する組織化は含まれない。


一人では,難しい活動でも支援者を募ることで,社会の関心を集めることができます。



<今日の一言>


今日の問題は,勉強不足の人にとって,少しハードルが高いです。


だからこそ,国家試験で出題されます。誰もが簡単に解ける問題ばかりだと,受験生に差がつかないので,ほんの少しハードルを上げた問題の出題が必要です。


しかし決して難しいものではありません。こういう問題を確実に正解する力が必要です。

2024年12月7日土曜日

社会資源について

 

今回は,社会資源を学びます。

 

社会資源とは,クライエントの福祉ニーズを充足するために用いられるすべてのものです。

 

フォーマルな社会資源とインフォーマルな社会資源に分けることができます。

 

なお,フォーマルとは「公式な」といった意味です。

 

フォーマルな社会資源

制度化されたもの。

例:介護保険サービス,障害福祉サービスなど。

インフォーマルな社会資源

制度化されていないもの。

例:家族,友人,地域住民,ボランティア,法人が提供する独自のサービスなど。

 

国家試験では,フォーマルな社会資源とインフォーマルな社会資源では,どちらを優先して活用するか,といったことが繰り返し出題されています。

 

さて,どちらを優先すべきなのでしょうか。あるいは,どちらを優先させなければならないのでしょうか。

 

そんな原理や原則は存在しません。

 

クライエントのニーズに沿って,柔軟に活用されるからです。

 

それでは,今日の問題です。

 

30回・問題111

 ソーシャルワークで活用されるインフォーマルな社会資源の特徴に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 制度化されたサービスである。

2 利用者は,一定の手続と受給要件を満たす者に限られる。

3 利用者との私的な人間関係を通して,援助が提供される。

4 フォーマルな社会資源と比べ,提供されるサービスの継続性や安定性は高い。

5 フォーマルな社会資源と比べ,利用者の個別的な状況に対する融通性は乏しい。

 

この問題は,インフォーマルな社会資源の特徴が問われています。

 

家族,友人,地域住民,ボランティア,法人が提供する独自のサービスなどが,インフォーマルな社会資源でしたね。

 

それを押さえたところで,解説です。

 

1 制度化されたサービスである。

 

制度化されたサービスは,フォーマルな社会資源です。

 

2 利用者は,一定の手続と受給要件を満たす者に限られる。

 

利用者が一定の手続と受給要件を満たす者に限られるのは,フォーマルな社会資源です。

 

3 利用者との私的な人間関係を通して,援助が提供される。

 

これが正解です。

 

利用者との私的な人間関係とは,家族,友人,地域住民などを指しているものだと思われます。

 

4 フォーマルな社会資源と比べ,提供されるサービスの継続性や安定性は高い。

 

提供されるサービスの継続性や安定性が高いのは,制度化されたサービスであるフォーマルな社会資源です。

 

5 フォーマルな社会資源と比べ,利用者の個別的な状況に対する融通性は乏しい。

 

利用者の個別的な状況に対する融通性に乏しいのは,制度化されたサービスであるフォーマルな社会資源です。

 

家族や友人なら,無理してでも24時間ずっと付き添ってくれるかもしれません。フォーマルな社会資源では,そうはいきません。皆さんもそうでしょう?

2024年12月6日金曜日

面接技法のタクソノミーⅡ型の問題の2

今回も面接技法のタクソノミーⅡ型の問題です。


面接技法の出題頻度

https://fukufuku21.blogspot.com/2024/12/blog-post_3.html


面接技法のタクソノミーⅡ型の問題の復習

https://fukufuku21.blogspot.com/2024/12/blog-post_5.html


前説なしに今日の問題です。


第35回・問題106

事例を読んで,V児童養護施設のM児童指導員(社会福祉士)が用いた面接技法の組合せとして,最も適切なものを1つ選びなさい。

〔事 例〕

 Aさん(11歳,女性)は,10歳からネグレクトによってV児童養護施設に入所していた。1か月後に施設を退所し,実母と再婚相手の3人での生活が始まる予定である。ある日,M児童指導員に,Aさんがうつむきながら,「前の学校に戻れるのはうれしいけれども,家には本当は帰りたくない」とつぶやいた。M児童指導員は,少し間をおいてから,「家には本当は帰りたくない…。その気持ちをもう少し教えてほしいな」と静かに伝えた。 

1 「繰り返し」と「言い換え」

2 「繰り返し」と「開かれた質問」

3 「言い換え」と「要約」

4 「要約」と「閉じられた質問」

5 「要約」と「開かれた質問」


前回の問題と比べて,面接技法は組み合わせになっているので,少し複雑になっています。


家には本当は帰りたくない


その気持ちをもう少し教えてほしいな


この2つがどんな技法になっているのかを考えます。


家には本当は帰りたくない


Aさんは,「家には本当は帰りたくない」と言っているのに対し,その言葉をそのまま「家には本当は帰りたくない」と返しているので,「繰り返し」です。


その気持ちをもう少し教えてほしいな


これは,開かれた質問です。


ということで,正解は,


2 「繰り返し」と「開かれた質問」


ということになります。

2024年12月5日木曜日

面接技法のタクソノミーⅡ型の問題

 

新しいカリキュラムでは,知識があることを前提にして,その知識を使って考えて答えるタクソノミーⅡ型,Ⅲ型の出題が多くなります。


今回も面接技法の問題です。


第30回・問題108

事例を読んで,Q市社会福祉協議会のA社会福祉士の用いた面接技法を示すものとして,正しいものを1つ選びなさい。

〔事 例〕

 Q市社会福祉協議会に,一人暮らしのBさん(42歳,男性)が生活が苦しいと相談に訪れた。Bさんは20代後半まで正規就労していたが,体調不良により離職した。それ以来,不安定な就労が続いている。「親には迷惑を掛けたくないし,行政のお世話になるのも気が引ける…」と黙り込むBさんに,A社会福祉士は,「どうにもならなくて,おつらいのですね」と伝えた。

1 開かれた質問

2 直面化

3 自己開示

4 対決

5 感情の反映


これがタクソノミーⅡ型(あるいはⅢ型)の問題です。前回,前々回の問題とは異なり,事例で展開しています。


それぞれの面接技法を知っていて,事例に戻って考える出題です。


単純に知識を問うタクソノミーⅠ型よりも難易度が上がります。とはいうものの,難しく感じるのは知識不足の人だけです。


知識がある人は,タクソノミーⅠ型とそれほど変わらずに正解できるはずです。


さて,この問題の正解は,選択肢5「感情の反映」です。


感情の反映では,この事例のように「つらい,苦しい,悲しい」といった感情の言葉を含めて返すので,これらが含まれていれば「感情の反映」だと判断することができます。


それでは,ほかの選択肢も解説します。


1 開かれた質問


開かれた質問の例


今日のお加減はいかがでしょうか。

このことについてどのように思われますか。


2 直面化


直面化は,選択肢4の対決とほぼ同じ意味で,クライエントの矛盾を指摘するときに使う技法です。


3 自己開示


自己開示は,ワーカーの個人的なことなどをクライエントに話すことです。自己開示することで,クライエントとの心の距離を近づけるときなどに使います。

2024年12月4日水曜日

面接技法の続き


前回に引き続き,今回も面接技法です。


前説なしに今日の問題です。


第34回・問題108

相談援助の面接を展開するための技法に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 言い換えとは,クライエントの語りに意識を集中させ,感情を感じながら積極的に耳を傾けることである。

2 感情の反射とは,クライエントが答える内容を限定せずに自由に述べられるように問い掛けることである。

3 傾聴とは,クライエントの感情に焦点を当て,クライエントが語った感情をそのまま返していくことである。

4 焦点化とは,複雑に絡み合う多くの現実の要素をクライエントと一緒に点検して整理することである。

5 開かれた質問とは,クライエントの話した事実や感情を簡潔に別の言葉に置き換えて伝え返すことである。


決して難しい問題ではありません。


しかし,こういった問題は意外と穴があるので,注意が必要です。


それでは解説です。


1 言い換えとは,クライエントの語りに意識を集中させ,感情を感じながら積極的に耳を傾けることである。


言い換えは,クライエントの話した事実や感情を簡潔に別の言葉に置き換えて伝え返すことです。


2 感情の反射とは,クライエントが答える内容を限定せずに自由に述べられるように問い掛けることである。


感情の反射は,クライエントの感情に焦点を当て,クライエントが語った感情をそのまま返していくことです。


3 傾聴とは,クライエントの感情に焦点を当て,クライエントが語った感情をそのまま返していくことである。


傾聴は,クライエントの語りに意識を集中させ,感情を感じながら積極的に耳を傾けることです。


4 焦点化とは,複雑に絡み合う多くの現実の要素をクライエントと一緒に点検して整理することである。


これが正解です。


焦点化は,複雑に絡み合う多くの現実の要素をクライエントと一緒に点検して整理することです。


5 開かれた質問とは,クライエントの話した事実や感情を簡潔に別の言葉に置き換えて伝え返すことである。


開かれた質問は,クライエントが答える内容を限定せずに自由に述べられるように問い掛けることです。



〈今日の問題から得られるヒント〉


意外な穴とは,この問題の場合は,焦点化はこの時しか出題されたことがないことです。


まじめに勉強してきた人は,知らないものが出題されたとき,混乱しがちになるので注意が必要です。


この問題の場合は,たとえ焦点化がわからずとも,ほかの選択肢を消去することで,この選択肢が残ります。

2024年12月3日火曜日

面接技法の出題頻度

 

2236回の出題

 

出題数

22

23

27

29

30

32

33

34

35

36

閉じられた質問

6

 

 

 

 

言い換え

5

 

 

 

 

 

感情の反映

4

 

 

 

 

 

 

要約

3

 

 

 

 

 

 

 

開かれた質問

3

 

 

 

 

 

 

明確化

3

 

 

 

 

 

 

 

自己開示

2

 

 

 

 

 

 

 

 

沈黙

2

 

 

 

 

 

 

 

 

アイメッセージ

2

 

 

 

 

 

 

 

 

要約

2

 

 

 

 

 

 

 

 

直面化

2

 

 

 

 

 

 

 

 

直視

1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

助言・提案

1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

繰り返し

1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

相づち

1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

非言語的な表現

1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

対決

1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

共感

1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミラクルクエスチョン

1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

支持

1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

傾聴

1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

焦点化

1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出題回数が最も多いのは,「閉じられた質問」,次に多いのは「言い換え」です。

出題回数の多いものは,特にしっかり覚えたいです。


それでは,今日の問題です。

 

33回・問題109 

 次の記述のうち,ソーシャルワーカーが用いる面接技法に関する説明として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 明確化とは,クライエントを精神的に支えるための応答をすることである。

2 閉じられた質問とは,クライエントに多くの語りを促す質問方法である。

3 支持とは,クライエントの語りをソーシャルワーカーが明確にして返すことである。

4 開かれた質問とは,クライエントが,「はい」や「いいえ」など一言で答えが言える質問方法である。

5 要約とは,クライエントが語った内容をまとめて反射することである。

 

支持以外は,どれも頻出です。

 

それでは解説です。

 

1 明確化とは,クライエントを精神的に支えるための応答をすることである。

 

明確化は,クライエントの語りをソーシャルワーカーが明確にして返すことです。

 

2 閉じられた質問とは,クライエントに多くの語りを促す質問方法である。

 

閉じられた質問は,クライエントが,「はい」や「いいえ」など一言で答えが言える質問方法です。

 

3 支持とは,クライエントの語りをソーシャルワーカーが明確にして返すことである。

 

支持は,クライエントを精神的に支えるための応答をすることです。

 

4 開かれた質問とは,クライエントが,「はい」や「いいえ」など一言で答えが言える質問方法である。

 

開かれた質問は,クライエントに多くの語りを促す質問方法です。

 

5 要約とは,クライエントが語った内容をまとめて反射することである。

 

これが正解です。


要約は,クライエントが語った内容をまとめて反射することです。

 


〈今日の一言〉

 

今日の問題は,すべて入れ替えているので,そこに気がつくことができれば,正解しやすくなります。

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