2024年12月5日木曜日

面接技法のタクソノミーⅡ型の問題

 

新しいカリキュラムでは,知識があることを前提にして,その知識を使って考えて答えるタクソノミーⅡ型,Ⅲ型の出題が多くなります。


今回も面接技法の問題です。


第30回・問題108

事例を読んで,Q市社会福祉協議会のA社会福祉士の用いた面接技法を示すものとして,正しいものを1つ選びなさい。

〔事 例〕

 Q市社会福祉協議会に,一人暮らしのBさん(42歳,男性)が生活が苦しいと相談に訪れた。Bさんは20代後半まで正規就労していたが,体調不良により離職した。それ以来,不安定な就労が続いている。「親には迷惑を掛けたくないし,行政のお世話になるのも気が引ける…」と黙り込むBさんに,A社会福祉士は,「どうにもならなくて,おつらいのですね」と伝えた。

1 開かれた質問

2 直面化

3 自己開示

4 対決

5 感情の反映


これがタクソノミーⅡ型(あるいはⅢ型)の問題です。前回,前々回の問題とは異なり,事例で展開しています。


それぞれの面接技法を知っていて,事例に戻って考える出題です。


単純に知識を問うタクソノミーⅠ型よりも難易度が上がります。とはいうものの,難しく感じるのは知識不足の人だけです。


知識がある人は,タクソノミーⅠ型とそれほど変わらずに正解できるはずです。


さて,この問題の正解は,選択肢5「感情の反映」です。


感情の反映では,この事例のように「つらい,苦しい,悲しい」といった感情の言葉を含めて返すので,これらが含まれていれば「感情の反映」だと判断することができます。


それでは,ほかの選択肢も解説します。


1 開かれた質問


開かれた質問の例


今日のお加減はいかがでしょうか。

このことについてどのように思われますか。


2 直面化


直面化は,選択肢4の対決とほぼ同じ意味で,クライエントの矛盾を指摘するときに使う技法です。


3 自己開示


自己開示は,ワーカーの個人的なことなどをクライエントに話すことです。自己開示することで,クライエントとの心の距離を近づけるときなどに使います。

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