新しいカリキュラムでは,知識があることを前提にして,その知識を使って考えて答えるタクソノミーⅡ型,Ⅲ型の出題が多くなります。
今回も面接技法の問題です。
第30回・問題108
事例を読んで,Q市社会福祉協議会のA社会福祉士の用いた面接技法を示すものとして,正しいものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
Q市社会福祉協議会に,一人暮らしのBさん(42歳,男性)が生活が苦しいと相談に訪れた。Bさんは20代後半まで正規就労していたが,体調不良により離職した。それ以来,不安定な就労が続いている。「親には迷惑を掛けたくないし,行政のお世話になるのも気が引ける…」と黙り込むBさんに,A社会福祉士は,「どうにもならなくて,おつらいのですね」と伝えた。
1 開かれた質問
2 直面化
3 自己開示
4 対決
5 感情の反映
これがタクソノミーⅡ型(あるいはⅢ型)の問題です。前回,前々回の問題とは異なり,事例で展開しています。
それぞれの面接技法を知っていて,事例に戻って考える出題です。
単純に知識を問うタクソノミーⅠ型よりも難易度が上がります。とはいうものの,難しく感じるのは知識不足の人だけです。
知識がある人は,タクソノミーⅠ型とそれほど変わらずに正解できるはずです。
さて,この問題の正解は,選択肢5「感情の反映」です。
感情の反映では,この事例のように「つらい,苦しい,悲しい」といった感情の言葉を含めて返すので,これらが含まれていれば「感情の反映」だと判断することができます。
それでは,ほかの選択肢も解説します。
1 開かれた質問
開かれた質問の例
今日のお加減はいかがでしょうか。
このことについてどのように思われますか。
2 直面化
直面化は,選択肢4の対決とほぼ同じ意味で,クライエントの矛盾を指摘するときに使う技法です。
3 自己開示
自己開示は,ワーカーの個人的なことなどをクライエントに話すことです。自己開示することで,クライエントとの心の距離を近づけるときなどに使います。