問題解決アプローチは,「ケースワークは死んだ」と述べたパールマンが提唱したものです。
問題解決アプローチとは,
クライエント自身が問題解決者であると捉え,問題を解決できるように援助する方法です。
このアプローチで重要なのは,「ワーカビリティ」という概念です。
ワーカビリティは,援助を自分に取り入れることの能力を言います。
クライエントに問題解決の動機付けがされてこそ援助可能となります。つまりクライエント自身がその役割を理解して問題解決に取り組むことが大切です。
問題解決アプローチで用いられる介入技法には「部分化」があります。
部分化とは,クライエントが抱える問題を分解することです。
これによって,解決困難な問題であっても,解決できる部分を見出すことができます。
部分化は,次回ご紹介します。
それでは今日の問題です。
第24回・問題92 パールマン(Perlman,H.)が提唱した問題解決アプローチに関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。
1 クライエントが問題をもつことを病理であるととらえて,クライエントへの診断と処遇の過程を重視した。
2 問題解決の過程をクライエントとともに構築していくことを重視し,クライエントがもつ「解決イメージ」に焦点を当て,短期間で解決に導くことを尊重した。
3 クライエントの問題に対して,「この原因がこの結果を生む」という原因と結果の直線的な関係からとらえようとした。
4 クライエントが社会的役割を遂行する上で生じる葛藤の問題を重視し,その役割遂行上の問題解決に取り組む利用者の力を重視した。
5 ソーシャルワーカーの問題解決能力をワーカビリティと名付け,その向上のためのスーパービジョン過程を重視した。
今の時点では,まだ「心理社会的アプローチ」と「問題解決アプローチ」の2つしか整理できていないので難しさが高まっていますが,この他のアプローチを学んでいけば,それほど難しいものではなくなります。
安心して下さい。
さて,この問題の正解は,選択肢4です。
4 クライエントが社会的役割を遂行する上で生じる葛藤の問題を重視し,その役割遂行上の問題解決に取り組む利用者の力を重視した。
問題解決アプローチの重要概念は,援助を自分に取り入れることの能力である「ワーカビリティ」です。
問題解決アプローチは,様々な課題に対して活用することができますが,解決に向けた動機づけがされていないクライエントには用いることが困難となります。
それではほかの選択肢も確認しましょう。
1 クライエントが問題をもつことを病理であるととらえて,クライエントへの診断と処遇の過程を重視した。
クライエントへの診断と処遇の過程を重視しているのは,医学モデルです。
問題解決アプローチが重視するのは,ワーカビリティです。クライエントが問題をもつことを病理だとはとらえません。
2 問題解決の過程をクライエントとともに構築していくことを重視し,クライエントがもつ「解決イメージ」に焦点を当て,短期間で解決に導くことを尊重した。
これは,「解決志向アプローチ」のことを述べています。
解決志向アプローチはまた改めて詳しく紹介しますが,短期療法(ブリーフセラピー)に基づいたものです。
3 クライエントの問題に対して,「この原因がこの結果を生む」という原因と結果の直線的な関係からとらえようとした。
原因と結果の直線的な関係からとらえるのは医学モデルです。
診断して治療していく過程を重視します。
5 ソーシャルワーカーの問題解決能力をワーカビリティと名付け,その向上のためのスーパービジョン過程を重視した。
ワーカビリティは,クライエントの問題解決能力です。
「ワーカビリティ」の「ワーカ」という言葉からワーカーの問題解決能力のように感じるのでこのような出題がなされます。
間違わないようにしっかり覚えることが必要です。
<今日の一言>
問題解決アプローチは,心理社会的アプローチと同様に出題頻度が高いものです。
問題解決アプローチの特徴は,クライエントの問題解決能力を重視している点です。
ここをしっかり押さえておくことが大切です。
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