アプローチ名
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出題回数
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・心理社会的アプローチ
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9
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・機能的アプローチ
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4
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・問題解決アプローチ
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11
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・課題中心アプローチ
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11
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・危機介入アプローチ
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6
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・行動変容アプローチ
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8
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・エンパワメントアプローチ
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10
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・ナラティブアプローチ
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6
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・解決志向アプローチ
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8
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・フェミニストアプローチ
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3
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・実存主義アプローチ
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1
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・エコロジカルアプローチ
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1
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※第3~31回国試問題での出現回数。
内容は「●●アプローチ」を指していても問題文には表れていないものはカウントせず。
ユニタリーアプローチも除外。
均等に出題されているのはなく,ばらつきがあることがわかります。
今回から,最も多く出題されている「課題中心アプローチ」に取り組んでいきます。
課題中心アプローチは,
リードとエプスタインが提唱し,
プラグマティズム(実用主義)に影響を受けています。
課題中心アプローチのプラグマティズムの影響は,課題を明らかにして,ワーカーとクライエントが達成可能な目標を期限を定めて共有化するところに現われています。
課題中心アプローチが広まった背景には,期限を設定して,その期限で課題が達成されたのか,検証しやすいことがあります。
また,心理社会的アプローチ,問題解決アプローチ,行動変容アプローチの影響も受けています。
それでは今日の問題です。
第30回・問題102 リード(Reid,W.)とエプスタイン(Epstein,L.)が提唱した課題中心アプローチに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 ストレングスモデルの影響を受けている。
2 過去に起きた出来事について探索し,問題の原因を究明する。
3 支援期間を短期に設定し,処遇目標や面接の回数などを明確化する。
4 クライエント自らが解決困難と考える問題を,支援対象とする。
5 精神分析的な方法を用いて,クライエントのアセスメントをする。
知識のない人は,歯が立たない問題ですが,しっかり勉強した人は答えがすぐわかる問題だと思います。
この問題は,合格基準点が99点という過去最高になった年のものです。
合格基準点が高くなってびっくりしたのは記憶に新しいところですが,結局のところ,こういった問題を取りこぼすことなく,しっかり得点できることが合否に大きく影響することを実感しました。
正解は,選択肢3です。
3 支援期間を短期に設定し,処遇目標や面接の回数などを明確化する。
課題中心アプローチの重要ポイントを上手にまとめた選択肢だと思います。
課題中心アプローチは,様々なアプローチを折衷的に取り込んだものですが,その特徴の一つは,短期処遇であることです。
心理社会的アプローチや問題解決アプローチなどは,時間をかけてじっくりじっくりかかわっていきますが,課題中心アプローチや危機介入アプローチは短期処遇が特徴です。
それではほかの選択肢も解説します。
1 ストレングスモデルの影響を受けている。
課題中心アプローチが影響を受けているのは,「プラグマティズム」(実用主義)です。
2 過去に起きた出来事について探索し,問題の原因を究明する。
問題の原因を究明するのは,「医学モデル」です。
アプローチでは,心理社会的アプローチで用いられます。
4 クライエント自らが解決困難と考える問題を,支援対象とする。
課題中心アプローチでは,クライエントが解決可能だと考えられる問題を対象とします。
5 精神分析的な方法を用いて,クライエントのアセスメントをする。
精神分析的な方法を用いるのは,心理社会的アプローチです。
<今日の一言>
課題中心アプローチの特徴は,短期処遇であることです。
危機介入アプローチも短期処遇です。
これらのアプローチで「長期」という言葉が出てきたり,行動変容といった言葉が出てきたりしたら間違いです。