社会福祉士の国試は,19科目あります。
そのうち,出題数の少ない就労支援サービスと更生保護制度は,2科目で1群とみなすので,全部で18群あります。
ところで,社会福祉士には,18群すべてに得点があることという足切りが設定されています。
トータルの点数がボーダーラインを超えても,18群のうち,いずれかの群に0点があれば,不合格になります。今年もこれに泣いた方の話を聞きました。
しかし「すべての群で得点があればよい」という条件は,別の見方をすれば,1点取れればよい,ということでもあります。
今年の国試で0点科目で泣いた方にお聞きしたいと思います。その科目は後で振り返っても解けなかったでしょうか?
おそらく解けた問題はあったのではないかと思います。
「問題を見ると悔しさが増すので,問題は見たくない」とおっしゃる方もいるでしょう。
確かに悔しいことでしょう。その気持ちはとてもよくわかります。
苦手科目(あるいは0点)であっても,その中にも得点できるものはあるはずです。
0点科目になることを恐れるがあまり,苦手科目に多く時間をかけてしまって得意科目が勉強できなかったということは絶対に避けたいことです。
0点科目になることを恐れるあまり,国試会場でもガチガチになり,余裕がなくなってしまうことも絶対に避けたいことです。
今ならまだ時間があります。国試に近くなってきたらメリハリも必要だと思いますが,今はどの科目にも同じように時間をかけてほしいと思います。
覚え方にはコツがあります。
一つひとつに時間をかける勉強も重要だと思いますが,社会福祉士の科目は,制度別の縦割りになっているので,科目間のつながりが見えにくくなってしまうので注意が必要です。
分野が違うと別の制度に見えるかもしれませんが,社会福祉士に関連する法制度の多くは,厚生労働省の官僚によってつくられます。
そのため,制度設計は共通のベースによってつくられているものが大半です。
たまたま法の対象が違うだけだと言えます。
第31回国試では,「児童と家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度」が0点になった人が多かったようです。
この科目は,なじみのない制度が多いということも関係しているのかもしれません。
実践レベルでは異なるアプローチが必要ですが,他領域と重なる部分も多くあります。
こういったところに気を付けて勉強していけば,得点力はぐんぐん上がっていきます。
領域で共通するのは,国,都道府県,市町村の役割です。
児童や障害者が苦手だと思う方は,特にここに着目してみてください。
共通点を探すことを意識して勉強してみましょう。
必ず共通点が見つけられます。
得点力が上がりますし,めったにミスしない視点づくりにもなります。