2019年5月1日水曜日

ストレングスについてのダメ押し

ストレングスに関して国試で出題されたのは,

サリービー
ラップ
ゴスチャ

の3名のみです。

実際に,ストレングスのことを述べている人は他にもいると思いますが,今までこの3名のほかには出題されたことがないのです。

これらの人が出題されたら,「ストレングス」のことだと思うと良いです。
別な言い方をすれば,この3人以外はストレングスの問題に出題されたときは,正解以外のものとなる可能性が高いということです。

それでは今日の問題です。

第24回・問題91 ソーシャルワークにおけるストレングスモデルに関する次の記述のうち,適切なものを一つ選びなさい。

1 ソロモン(Solomon,B.)は,ストレングス視点の原則のなかで,すべての個人,衣族,集団,コミュニティはストレングスをもつと述べた。

2 ホリス(Hollis,F.)は,心理社会的アプローチにおいて,クライエントの動機づけ,情緒的能力,知的能力,身体的能力からなる能力をストレングスと表現した。

3 ジャーメイン(Germain,C.)は,ストレングスアプローチの立場から,ストレングスはエンパワメントの要素であり資源であると述べた。

4 ラップ(Rapp,C.)とゴスチャ(Goscha,R.)は,ストレングスモデルの原則の一つとして,地域を資源のオアシスとしてとらえることを挙げている。

5 リード(Reid.W.)とエプスタイン(Epstein,L.)は,課題中心アプローチにおいてストレングスを中心に位置づけ,援助を短期間で計画的に実行することを重要視した。


「これ以上難しい問題はない」と思える問題です。

解けても解けなくてもかまわないくらいの問題だと言えます。

第24回以降には,同様の問題は出題されていないところから,今も覚える優先度は低いのかもしれません。


正解は,選択肢4

4 ラップ(Rapp,C.)とゴスチャ(Goscha,R.)は,ストレングスモデルの原則の一つとして,地域を資源のオアシスとしてとらえることを挙げている。

これだけは覚えておきたいです。

そのほかの選択肢はすべて間違いです。


<今日の一言>

国試に出題されるポイントは決まっています。

覚えているものを超えたような出題があった場合は,多くの場合は間違いです。

勉強してきたのに知らないと思うものが出題されたら

そこには答えはない

という割り切りも時には必要です。

今日の問題では,

1 ソロモン(Solomon,B.)は,ストレングス視点の原則のなかで,すべての個人,衣族,集団,コミュニティはストレングスをもつと述べた。

ソロモンは,エンパワメントアプローチです。

環境のうちでも,敵対する環境は抑圧する存在となります。ストレングスにはなり得ません。


2 ホリス(Hollis,F.)は,心理社会的アプローチにおいて,クライエントの動機づけ,情緒的能力,知的能力,身体的能力からなる能力をストレングスと表現した。

ホリスは,心理社会的アプローチの提唱者です。

人と環境の連関性に着目します。能力については述べているかはわかりませんが,それは今まで問われたことがありません。

3 ジャーメイン(Germain,C.)は,ストレングスアプローチの立場から,ストレングスはエンパワメントの要素であり資源であると述べた。

ジャーメインは,エコロジカルアプローチの人です。


5 リード(Reid.W.)とエプスタイン(Epstein,L.)は,課題中心アプローチにおいてストレングスを中心に位置づけ,援助を短期間で計画的に実行することを重要視した。

リードとエプスタインは,課題中心アプローチで正しいですが,中心に位置づけるのは,実現可能な課題です。

最新の記事

児童手当法と児童手当

  今回は児童手当法と児童手当を学びます。 児童手当法,児童扶養手当法,特別児童扶養手当法は,児童扶養手当法(1961年),特別児童扶養手当法(1964年),児童手当法(1971年)の順で成立していきました。 児童手当法の児童の定義は,18歳に達する日以後の最初の3月31日までの...

過去一週間でよく読まれている記事