国試で出題されている12種類のアプローチのうち,前回まで
心理社会的アプローチ
問題解決アプローチ
課題中心アプローチ
を取り上げてきました。
頭の中で整理できてきましたか?
今回は,危機介入アプローチを取り上げたいと思います。
危機介入アプローチは,
危機状態に陥っている人に対して早期にかかわり,危機に対して対処能力を高めることを目的としています。
もともとは精神保健分野で発達してきたものをソーシャルワークに取り入れたものです。
それでは,今日の問題です。
第27回・問題102 相談援助における危機介入アプローチに関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 教育分野から導入されたアプローチであり,早期介入の重要性を強調している。
2 柔軟なアプローチであり,適用となる対象は特に設定していない。
3 感情的に混乱状態にあるクライエントに対し,その社会的機能の回復に焦点を当てた対応を行う。
4 危機的状況にある人たちが生活している地域社会に対して,適用される。
5 生活上の深刻な問題に対処するため,長期処遇の方法として理論化されている。
危機介入アプローチは,問題解決アプローチや課題中心アプローチほど出題頻度は高くありませんが,この問題のように一問丸ごと出題されることもある極めて重要なアプローチの一つです。
正解は,選択肢3
3 感情的に混乱状態にあるクライエントに対し,その社会的機能の回復に焦点を当てた対応を行う。
危機という言葉がついていないので,すぐ正解にするのは難しいと思います。
しかしよくよく考えてみると,危機的状況に陥った場合は,感情的に混乱すると思われるので,正解だということになります。
それではほかの選択肢も確認しましょう。
1 教育分野から導入されたアプローチであり,早期介入の重要性を強調している。
危機介入アプローチは,精神保健分野から導入されたアプローチです。
2 柔軟なアプローチであり,適用となる対象は特に設定していない。
危機介入アプローチの適用対象は,危機的状況に陥った人です。
4 危機的状況にある人たちが生活している地域社会に対して,適用される。
危機介入アプローチの適用対象は,危機的状況に陥った人です。
地域社会は対象にしません。
5 生活上の深刻な問題に対処するため,長期処遇の方法として理論化されている。
危機介入アプローチは,短期処遇です。
多くの場合,4~6週間くらいの期間でかかわっていきます。
それよりも長期化した場合は,別のアプローチでかかわっていきます。
<今日の一言>
危機介入アプローチも課題中心アプローチと同じく短期処遇であることが特徴です。
これらで「長期」という言葉が含まれていれば,即刻消去できるでしょう。
危機的状況に陥っている人に対して,とにかく早期にかかわって短期間でかかわっていきます。
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