2023年12月1日金曜日

人名問題への対応法~ソーシャルワーク理論を例に

 人名を覚えるのを苦手とする人は多いと思います。


しかし,人名問題は,出題ポイントが極めて明確です。


社会福祉士の国家試験は,単語カードを使って勉強するのに向きませんが,人名は,それも有効です。それほど覚えるべきポイントが明確であるということです。


ただし,これからの時期(国試まであと2か月)に,単語カードをつくることはおすすめしません。


人名問題は,入れ替えになっていることが多い傾向にあります。問題を読むときは,そういったものがないかを意識してみると良いと思います。それを見つけることができれば,正解できる可能性が高まります。


それでは,今日の問題です。


第32回・問題93

ソーシャルワーク実践理論を発展させた人物に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 ベーム(Boehm,W.)は,人間と環境の交互作用を基本視点とした生態学的アプローチを展開した。

2 ジャーメイン(Germain,C.)は,ソーシャルワークを本質的な観点から検討し,ソーシャルワークの活動を三つの機能に分類して定義化を試みた。

3 シュワルツ(Schwartz,W.)は個人と社会の関係は共生的な相互依存関係であるとし,ソーシャルワーカーの媒介機能を重視する相互作用モデルを展開した。

4 ゴールドシュタイン(Goldstein,H.)は,価値の体系,知識の体系および多様な介入方法の3要素に基づくソーシャルワーク実践の共通基盤を提唱した。

5 バートレット(Bartlett,H.)は,システム理論を指向した一元的アプローチを展開し,後に認知的―人間性尊重アプローチを展開した。


いずれも,参考書などで目にしたものばかりでしょう。


問題の文字数は限られているために,見極めるワードを見つけることが容易です。


それでは,解説です。


1 ベーム(Boehm,W.)は,人間と環境の交互作用を基本視点とした生態学的アプローチを展開した。


ベームは,ソーシャルワークの活動を三つの機能に分類しました。


2 ジャーメイン(Germain,C.)は,ソーシャルワークを本質的な観点から検討し,ソーシャルワークの活動を三つの機能に分類して定義化を試みた。


ジャーメインは,生態学的アプローチを提唱しました。


3 シュワルツ(Schwartz,W.)は個人と社会の関係は共生的な相互依存関係であるとし,ソーシャルワーカーの媒介機能を重視する相互作用モデルを展開した。


これが正解です。

相互作用モデルを提唱したのは,シュワルツです。


4 ゴールドシュタイン(Goldstein,H.)は,価値の体系,知識の体系および多様な介入方法の3要素に基づくソーシャルワーク実践の共通基盤を提唱した。


ゴールドシュタインは,人間性尊重アプローチを提唱しました。


5 バートレット(Bartlett,H.)は,システム理論を指向した一元的アプローチを展開し,後に認知的―人間性尊重アプローチを展開した。


バートレットは,ソーシャルワーク実践の共通基盤(価値,知識,介入)を提唱しました。


〈今日の注意ポイント〉


この問題は,正解以外は,すべて入れ替わっています。

前説にも書いたように,人名問題は,こういったものが多いことを覚えておきたいです。

そのため,ポイントを押さえると意外と正解やすいという特徴をもちます。

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