2023/12/12 シングル・システム・デザイン法(単一事例実験計画法)
今回は,シングル・システム・デザイン法(単一事例実験計画法)です。
名称が難しいですが,まったく難しくありません。
介入前と介入後を比較して,介入の効果を測定するものです。
なお,介入前のことをベースライン期といいます。
それでは,今日の問題です。
第32回・問題104
シングル・システム・デザイン法に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 適用対象として,個人よりも家族など小集団に対する支援が適切である。
2 ベースライン期とは,支援を実施している期間を指す。
3 クライエントを実験群と統制群に分けて測定する。
4 測定対象のクライエントに対する支援効果を明らかにできる。
5 ABデザインを用いる場合,測定期間中に支援を一旦中止する必要がある。
シングル・システム・デザインを少しでも知っていれば,ものすごく簡単な問題です。
しかし,知らないと正解することができません。
国家試験に出題される問題の多くは,実はそんな感じです。
それでは,解説です。
1 適用対象として,個人よりも家族など小集団に対する支援が適切である。
個人でも家族でも適用できます。
2 ベースライン期とは,支援を実施している期間を指す。
ベースライン期は,介入前のことです。
3 クライエントを実験群と統制群に分けて測定する。
クライエントを実験群と統制群に分けて測定するのは,集団比較実験計画法です。
4 測定対象のクライエントに対する支援効果を明らかにできる。
これが正解です。
5 ABデザインを用いる場合,測定期間中に支援を一旦中止する必要がある。
ABデザインとは,Aがベースライン期,Bが介入期です。
そのあとに,もう一度介入しない時期を設けると,ABAデザインとなります。
そうすると,効果測定が2回できます。
支援をいったん中止する必要があるのは,これでわかるように,「ABAデザイン」を用いる場合です。
〈今日の注意ポイント〉
この問題は,シングル・システム・デザイン法を問う問題です。
知っていれば,簡単に得点できます。
シングル・システム・デザイン法は,介入前と介入後の変化を調べます。
集団比較実験計画法は,介入しない群と介入する群に分けて,その違いを調べます。