今回は,ミクロレベル,メゾレベル,マクロレベルを学んでいきたいと思います。
ソーシャルワーク専門職のグローバル定義が出てから,すっかりマクロレベルに注目が集まりがちになっている昨今ですが,どれも同じく重要です。
重要ポイント
ミクロ |
個人,家族など |
メゾ |
組織,集団,地域など |
マクロ |
国など |
おまけ
エクソ |
メゾとマクロの中間 |
クロノ |
時間軸 |
それでは,今日の問題です。
第32回・問題106
事例を読んで,B社会福祉士が介入しようとしているシステムとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
P国から2年前に来日したCさんは,現在,難民認定を得て就労可能な在留資格を持って,Q市で暮らしている。日本語能力は十分ではないが,R市にある会社に就職している。しかし,自宅付近では孤独な暮らしで,近隣住民との会話ややりとりは全くない。Cさんは,どうしたら近隣住民と交流を持てるのかと悩み,Q市社会福祉協議会のB社会福祉士に相談した。B社会福祉士は,Cさんと同じような相談を複数回受けたことがあったため,実態把握の必要性を感じた。このため,Q市に居住している外国籍住民を対象とした聞き取りを行い,その結果を町内会に報告し,対応を促すこととした。
1 ミクロシステム
2 メゾシステム
3 クロノシステム
4 マクロシステム
5 エクソシステム
働きかけるのは,町内会です。
となると,正解は,2 メゾシステム ということになります。
この問題に関連したものには,以下のような問題もあります。
精神保健福祉士の問題です。
第20回・問題26
次の記述のうち,精神保健福祉士の行うマクロ領域のソーシャルワーク実践として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 退院後の地域生活定着を目指し,サービスの調整やサービス利用を支援する。
2 地域に出向き,サービスに結び付いていない精神障害者を発見する。
3 居住支援を通じて明らかになった政策的課題の解決に向けた提言を行う。
4 就労を希望する精神障害者に面接を行い,願いや今後の課題を明らかにする。
5 精神科デイケアで,相互作用を活用しながら個人の成長や課題解決を図る。
答えは,
3 居住支援を通じて明らかになった政策的課題の解決に向けた提言を行う。
第22回・問題29
マクロ領域のソーシャルワークに関する次の記述のうち,適切なものを2つ選びなさい。
1 社会福祉制度が効果的に運用されるために現境の調整や整備を行う。
2 福祉問題の原因を社会構造から捉え,個人の変化を促す支援を行う。
3 福祉関連施策の分析や充実に向けた活動を行い,社会の変革を進める。
4 グループの持つ力動を活用し,個人の成長や個人と社会環境との関係調整を行う。
5 福祉サービス利用者とその家族に働き掛け,家族内ネットワークを形成する。
答えは,1と3です。
1 社会福祉制度が効果的に運用されるために現境の調整や整備を行う。
3 福祉関連施策の分析や充実に向けた活動を行い,社会の変革を進める。
〈今日の注意ポイント〉
社会福祉士の国家試験では,今のところ,メゾレベルしか正解になったことがありませんが,精神保健福祉士では,マクロレベルが盛んに出題されています。
グローバル定義を考えるとこうなるのだと思います。
社会福祉士でも必ず問われる日が来ますので,それぞれのレベルは確実に押さえておきたいです。