スーパービジョンが国家試験に出題されるときのパータンは,2種類あります。
①スーパービジョンの種類
個別スーパービジョン
スーパーバイザーとスーパーバイジーが1対1で行うスーパービジョン。
グループスーパービジョン
1人のスーパーバイザーと複数のスーパーバイジーで行うスーパービジョン。
ライブスーパービジョン
ソーシャルワーク場面にスーパーバイザーが同席して行うスーパービジョン。
ピアスーパービジョン
仲間同士で行うスーパービジョン。スーパーバイザーとなる者はいない。
セルフスーパービジョン
自分自身で振り返りを行うスーパービジョン。自分がスーパーバイザー。
②スーパービジョンの機能
教育的機能 |
価値・知識・技術を教える機能 |
支持的機能 |
スーパーバイジーを支える機能 |
管理的機能 |
スーパーバイジーの業務を管理する機能 |
それでは,今日の問題です。
第32回・問題116
グループスーパービジョンに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 スーパーバイザーがスーパーバイジーの個々人の資質や能力を比較し評価することを目的とする。
2 スーパーバイザーとスーパーバイジー間の信頼関係を,個人スーパービジョンよりも短時間のうちに構築できる。
3 スーパーバイジー同士の議論や検討により,学習効果の高まりを期待することができる。
4 スーパーバイジー個人が抱える課題を,複数のスーパーバイザー間で共有することで,より適切な支援が行われる。
5 個々のスーパーバイジーが担当する事例ではなく,一般的な模擬事例を検討に用いる。
スーパービジョンの種類のうち,グループスーパービジョンのピンポイントの出題です。
読み間違えないように,しっかり読みましょう。
それでは,解説です。
1 スーパーバイザーがスーパーバイジーの個々人の資質や能力を比較し評価することを目的とする。
スーパービジョンは,ワーカーの能力を評価する場ではありません。
よりよい支援を行うために行われるものです。
2 スーパーバイザーとスーパーバイジー間の信頼関係を,個人スーパービジョンよりも短時間のうちに構築できる。
信頼関係を構築する時間を個人スーパービジョンと比較すると,おそらく,グループスーパービジョンのほうが,距離が遠くなるために時間がかかるのではないでしょうか。
3 スーパーバイジー同士の議論や検討により,学習効果の高まりを期待することができる。
これが正解です。
これは,個人スーパービジョンにはないメリットです。
4 スーパーバイジー個人が抱える課題を,複数のスーパーバイザー間で共有することで,より適切な支援が行われる。
共有するのは,スーパーバイジー間です。
5 個々のスーパーバイジーが担当する事例ではなく,一般的な模擬事例を検討に用いる。
スーパービジョンでは,担当事例を用いるのが一般的です。
一般的な模擬事例を検討に用いるのだったら,スーパービジョンというよりも研修になるでしょう
〈今日の注意ポイント〉
スーパービジョンの種類が出題されると,カタカナのラッシュとなります。
注意しないと読み間違えます。
この問題でも,選択肢4を正解だと思った人がいるはずです。
スーパーバイザーとスーパーバイジーは,たった1文字違いです。
うっかりすると読みミスするので,くれぐれもご注意ください。
そんなことあるわけないと思っていると失敗します。国家試験では普通はしないことが起きるものです。