2023年12月31日日曜日

モチベーションが上がらない方へ

近年の問題は,勉強をしっかり積み重ねた人は,正解しやすいものを出題している傾向にあります。


国家試験の受験者の成績に関するデータは公表されていませんが,10年前に比べると,データのばらつきを示す標準偏差は大きくなっているのではないかと思います。


勉強をずっと続けていると,覚えたことを本当に覚えているのかがわからず,不安に陥ります。


これは誰もが感じることです。


先にも書いたように,今の社会福祉士の国家試験は,難易度がそれほど高い問題が出題されているわけではありません。


国家試験の問題の文字数は限られているために,高度な問題を出題することはできず,標準的な知識を使って解くことが中心となります。


チームfukufuku21がおすすめしたいのは,問題を解きながら覚えていく方法です。


これなら,問題を正解できれば,覚えたことを証明できます。


中には,答えを覚えてしまっているので正解できるという人もいるでしょう。


答えられるだけではもちろんだめで,正解以外の選択肢も覚えることが必要ですが,答えさえも覚えていないという人も多いです。


そんな中,答えを覚えているというのは,とても立派なことだと思います。


今の勉強はとても苦しいものだと思いますが,努力は必ず報われることを信じて,国家試験まで頑張りぬきましょう。


それでは,今日の問題です。


第32回・問題127

高齢者等に関する近年の政策の動向についての次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 「ニッポン一億総活躍プラン」(2016年(平成28年)6月閣議決定)において,2025年度に向けて,高齢者の介護予防施策に関する成果と要介護認定者数の伸びの抑制についての数値目標が掲げられた。

2 「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」(2017年(平成29年)改訂(厚生労働省))の7つの柱において,若年性認知症の人の特性に配慮した就労・社会参加支援等の推進が掲げられた。

3 「高齢社会対策大網」(2018年(平成30年)2月閣議決定)において,高齢者の支援において新技術(人工知能や介護ロポット,情報通信技術など)を活用することは,人間的な温かさが乏しいため,避けることが望ましいという提言が行われた。

4 「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」(2018年(平成30年)改訂(厚生労働省))では,本人の意思による積極的安楽死についての決定プロセスが規定された。

5 「認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン」(2018年(平成30年)(厚生労働省))において,認知症の人の意思決定支援については,ケアを提供する専門職員や行政職員は関与しないことが規定された。


この問題は,「高齢者に対する支援と介護保険制度」で出題されたものですが,「高齢者福祉」では,こういったタイプの問題は出題しにくくなるのではないかと思います。


問題数が6問に減るためです。


その話は置いておいて,こういった問題が出題されるとドキドキするでしょう。


しかし,決して慌ててはいけません。勉強を重ねてきた人でも知らない問題は,多くの人が正解できないことが多いために,正解できなくて当然と考えると良いです。


さっさと頭を切り替えて,次の問題に進むのが良いです。


とは言っても,視点を変えると正解できるものもあるので,その視点を今日はお伝えしたいと思います。


それでは解説です。


1 「ニッポン一億総活躍プラン」(2016年(平成28年)6月閣議決定)において,2025年度に向けて,高齢者の介護予防施策に関する成果と要介護認定者数の伸びの抑制についての数値目標が掲げられた。


「ニッポン一億総活躍プラン」の内容が問われています。


しかし,ここでは,高齢者介護について述べられています。


一億総活躍には,関係しない内容なので,誤りだと判断できます。


2 「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」(2017年(平成29年)改訂(厚生労働省))の7つの柱において,若年性認知症の人の特性に配慮した就労・社会参加支援等の推進が掲げられた。


これが正解です。


しかし,この時点では正解かよくわからないので,冷静に△をつけて,先に進みます。


3 「高齢社会対策大網」(2018年(平成30年)2月閣議決定)において,高齢者の支援において新技術(人工知能や介護ロボット,情報通信技術など)を活用することは,人間的な温かさが乏しいため,避けることが望ましいという提言が行われた。


これは,すぐに消去できるでしょう。


4 「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」(2018年(平成30年)改訂(厚生労働省))では,本人の意思による積極的安楽死についての決定プロセスが規定された。


我が国において,安楽死が容認されたことはありません。


5 「認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン」(2018年(平成30年)(厚生労働省))において,認知症の人の意思決定支援については,ケアを提供する専門職員や行政職員は関与しないことが規定された。


これもすぐ消去できるでしょう。


〈今日の注意ポイント〉


今日の問題でわかるように,一見難しそうに見えても,正解できる問題も多く存在します。


国家試験当日は,新しい文章を読み続けていくために,とても疲れます。試験対策の講師によっては,勉強にあきたら,あるいは疲れたら,勉強をやめる,あるいは中断する,というアドバイスをする人もいます。


学習効率的にはもちろんそれは正しいことです。しかし,その勉強法を続けていくと,脳が疲れた時に思考することを経験せずに国家試験に臨むことになってしまいます。


疲れた,もう勉強をやめたい,と思ったときは,もうひと頑張りしてから休むのがよいと思います。

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