今回は,ソーシャルワークの記録方法を取り上げます。
現場に入ったら,自然と覚えるものなので,国家試験でわざわざ出題する必要もないように思いますが,正しい知識を持つことは,受験者を選別できるので,国家試験としては適切なのかもしれません。
ということで,今日の問題です。
第32回・問題117
ソーシャルワークの記録に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 プランニングシートには利用者がサービスを利用してどのような生活をしたのかについて記述する。
2 時間の経過に沿ってソーシャルワーク過程において起こる事実を記録する形式を説明体という。
3 逐語録では,話し言業の記録にソーシャルワーカーの説明や解釈を加えて記述する。
4 的確に情報を伝達することを求められるため,文字情報で統一する。
5 グループインタビューの記録係は,参加者の非言語的反応を含めて記録する。
ちょっと変わった問題だと思いませんか?
正解は,
5 グループインタビューの記録係は,参加者の非言語的反応を含めて記録する。
至極もっともなものだと思いますが,疑心暗鬼になるとこれを選べません。
素直な気持ちはとても大切です。
正解以外のものを解説しますね。
1 プランニングシートには利用者がサービスを利用してどのような生活をしたのかについて記述する。
利用者がサービスを利用してどのような生活をしたのかについて記述するのは,支援経過記録といいます。
プランニングシートは,その名のとおり,支援計画を記録する記録様式です。
2 時間の経過に沿ってソーシャルワーク過程において起こる事実を記録する形式を説明体という。
説明体は,事実だけではなく,解釈なども記録していきます。
3 逐語録では,話し言業の記録にソーシャルワーカーの説明や解釈を加えて記述する。
逐語録は,話し言葉(会話)をそのまま記録するものです。
説明や解釈は一切加えません。要約もしません。
4 的確に情報を伝達することを求められるため,文字情報で統一する。
図や写真なども適宜用いて記録します。
〈今日の注意ポイント〉
解説にも書きましたが,この問題の正解は,肩透かしを食らったようなものとなっています。
国家試験では,かなりの頻度でみられます。
知識不足だと心がぶれるので,ほかの選択肢に引っ掛かります。
しかし,素直な気持ちを持てば,知識なしでも正解できる問題もあります。