人口減少が顕著な日本では,不足するマンパワーを確保するためには,外国人労働者の受入れが欠かせません。
外国人労働に関して,現時点(2023年12月)では,
・経済連携協定(EPA)
・技能実習制度
・特定技能制度
の3つがありますが,そのうち,技能実習制度は廃止され,今後「育成就労制度」となる予定です。
さて,今日のテーマは,経済連携協定(EPA)です。
介護人材については,現在,インドネシア,フィリピン,ベトナムの3か国と協定を結んでいます。
それでは,今日の問題です。
第32回・問題124
介護サービスの人材の確保に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 第7期介護保険事業計画の介護サービス見込み量等に基づく介護人材の必要数は,2020年度末には約100万人が見込まれている。
2 経済連携協定(EPA)に基づく介護福祉士候補者の受入れの対象国は,インドネシア,フィリピン,ベトナムの3か国である。
3 厚生労働省が示す「介護に関する入門的研修」の目的は,潜在介護福祉士の現場復帰を目指すプログラムの一環である。
4 介護分野の有効求人倍率は,全産業平均とほぼ同程度で推移している。
5 「平成29年度「介護労働実態調査」の結果」(公益財団法人介護労働安定センター)によると,訪問介護員,介護職員の1年間の離職率は正規職員,非正規職員合わせて約30%であった。
古いデータが含まれていますが,もう二度と出題されることはないと思いますので,覚えても覚えなくても大した影響はないでしょう。
それでは,解説です。
1 第7期介護保険事業計画の介護サービス見込み量等に基づく介護人材の必要数は,2020年度末には約100万人が見込まれている。
第7期の時は,約200万人がみこまれていました。
2 経済連携協定(EPA)に基づく介護福祉士候補者の受入れの対象国は,インドネシア,フィリピン,ベトナムの3か国である。
前説のとおり,これが正解です。
介護人材については,現在,インドネシア,フィリピン,ベトナムの3か国と協定を結んでいます。
3 厚生労働省が示す「介護に関する入門的研修」の目的は,潜在介護福祉士の現場復帰を目指すプログラムの一環である。
「介護に関する入門的研修」を知っている人はそれほど多くないように思います。
しかし,名称から判断することができます。
「入門的研修」ですから,介護経験のない人を対象とするものであるだろうと考えることが可能です。
4 介護分野の有効求人倍率は,全産業平均とほぼ同程度で推移している。
介護サービスはニーズが高まっているので,求人も多いだろうと考えることが可能です。
現在は,人材が集まらなくて,閉鎖を余儀なくされる事業者もあるくらいです。
5 「平成29年度「介護労働実態調査」の結果」(公益財団法人介護労働安定センター)によると,訪問介護員,介護職員の1年間の離職率は正規職員,非正規職員合わせて約30%であった。
この時点での離職率は,16%程度だったようです。現在もそれほど大きく変化していません。
〈今日の注意ポイント〉
解説に書いたように,この問題は,知識がなくても推測することができる選択肢が含まれます。
消去法でなくても,正解はできますが,消去法で考えると,正解できる確率がアップします。
過去問を解く意味には,こういった思考の訓練をする意味もあります。
知らないものが出題された時,あきらめてしまって拙速に答えを出すことは避けたいです。