ソーシャルワークには,対象別に3つの手法に分類することができます。
ケースワーク 個別援助技術
グループワーク 集団援助技術
コミュニティワーク 地域援助技術
コミュニティワークは,平成19年度カリキュラムに入っていなかったために,過去問がほとんどありません。そのため,注意が必要です。
今日のテーマは,グループワークです。
グループワークは,集団を活用して援助するものです。
集団を活用しないのでしたら,グループワークではなく,ケースワークで良いことになります。
それでは,今日の問題です。
第32回・問題114
次のうち,グループワークにおいて,グループワーカーが活用する援助媒体として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 メンバー間に形成されるソーシャルワーク関係
2 メンバーとグループワーカーの間に形成される相互援助関係
3 現在のグループの発達段階では達成が難しい,高い目標設定をしたプログラム
4 グループワーカーが運営する別のグループの集団規範
5 援助目標達成に関わる人,物,社会制度等の社会資源
かなりひねった問題です。
この問題が出題された当時,とても違和感がありました。
皆さんもそう思いませんか?
その感性は大切にしてください。得点力を高める宝物になります。
それでは,解説です。
1 メンバー間に形成されるソーシャルワーク関係
メンバー間に形成されるのは,集団規範です。
2 メンバーとグループワーカーの間に形成される相互援助関係
メンバーとグループワーカーの間に形成されるのは,ソーシャルワーク関係です。
相互援助関係が形成されるのは,メンバー間です。
3 現在のグループの発達段階では達成が難しい,高い目標設定をしたプログラム
プログラム活動で用いるプログラムは,達成可能なものでなければなりません。
4 グループワーカーが運営する別のグループの集団規範
活用するのは,グループ内で生じる集団規範です。
5 援助目標達成に関わる人,物,社会制度等の社会資源
これが正解です。
人,物,社会制度等の社会資源を活用するのは,ケースワーク,グループワークに共通です。
〈今日の一言〉
今日の問題は,何とも不思議な感じがします。
選択肢1と2は,いかにもそうではないでしょうか。
逆に,正解となった選択肢5は,よくよく考えると,その通りだと思えます。
しかし,何とも不思議な選択肢1と2があるために,思考がそれに引っ張られます。