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2025年3月1日土曜日

福祉事務所に関する問題

 今回は,第37回国家試験問題で出題された福祉事務所の問題の類似問題です。


たくさんありすぎです。


第37回・問題26

社会福祉法に定められた福祉に関する事務所(福祉事務所)についての次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 市町村は,福祉事務所を設置しなければならない。

2 現業を行う所員については,社会福祉主事を充てるよう努めなければならない。

3 現業を行う所員の数については,事務所ごとに標準数が定められている。

4 指導監督を行う所員は,社会福祉士でなければならない。

5 都道府県が設置する福祉事務所は,老人福祉法に定める福祉の措置に関する事務を行わなければならない。


正解は,選択肢3です。

3 現業を行う所員の数については,事務所ごとに標準数が定められている。


第28回・問題44 

福祉事務所に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 都道府県の設置する福祉事務所は,身体障害者福祉法,知的障害者福祉法に定める事務のうち,都道府県が処理することとされているものをつかさどる。

2 福祉事務所の所長は,その職務の遂行に支障がない場合においても,自ら現業事務の指導監督を行うことはできない。

3 現業を行う所員の定数は,被保護世帯数に応じて最低数が法に定められている。

4 町村が福祉事務所を設置した場合には,社会福祉主事を置くこととされている。

5 2003年(平成15年)4月現在と2014年(平成26年)4月現在を比べると,都道府県の設置する福祉事務所数は増えている。


正解は,選択肢4です。

4 町村が福祉事務所を設置した場合には,社会福祉主事を置くこととされている。


第37回で正解になった現業員の定数の「標準数」は,選択肢4で「最低数」と出題されて誤りとなっています。


第34回・問題46

福祉行政における専門職等の法令上の位置づけに関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 都道府県の福祉事務所に配置される社会福祉主事は,老人福祉法,身体障害者福祉法,知的障害者福祉法に関する事務を行う。

2 福祉事務所の現業を行う所員(現業員)は,社会福祉主事でなければならない。

3 身体障害者更生相談所の身体障害者福祉司は,身体障害者の更生援護等の事業に5年以上従事した経験を有しなければならない。

4 地域包括支援センターには,原則として社会福祉主事その他これに準ずる者を配置しなければならない。

5 児童相談所においては,保育士資格を取得した時点でその者を児童福祉司として任用することができる。


正解は,選択肢2です。

2 福祉事務所の現業を行う所員(現業員)は,社会福祉主事でなければならない。


第37回で出題された問題は,引っ掛けも何もありませんが,確実に正解するのは難しいものです。


こういった問題を正解できる知識をつけることが合格をつかみます。

2025年2月25日火曜日

ニィリエの類似問題

  

ニィリエは,出題頻度が高いので当然類似問題もあります。

 

37回・問題2 

次の記述のうち,ニィリエ(NirjeB.)が示したノーマライゼーションの考え方に基づく支援として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 知的障害者と知的障害児を同じ施設で生活できるように支援する。

2 要保護児童に対しては,大規模な入所型施設で専門的なケアを提供する。

3 障害のある成人は,同性だけで生活するように支援する。

4 知的障害者の生活を,ノーマルな生活状態に近づけることを目指す。

5 知的障害者の自己選択よりも,支援者の決定を優先する。

 

正解は,選択肢4です。

4 知的障害者の生活を,ノーマルな生活状態に近づけることを目指す。

 

一番似ていると言えば,以下の問題でしょう。

 

26回・問題93 

ノーマライゼーションの理念に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 すべての人間とすべての国とが達成すべき共通の基準を宣言した世界人権宣言の理念として採用された。

2 1950年代のデンマークにおける精神障害者本人の会の活動を通して生み出された。

3 ニィリエ(Nirje,B)が唱えた原理には,ライフサイクルにおけるノーマルな発達経験が含まれる。

4 バンク-ミケルセン(Bank-Mikkelsen,N.)らの働きにより,スウェーデンにおいて世界で初めて法律の基本的理念として位置づけられた。

5 全米ソーシャルワーカー協会の倫理綱領(1996 年採択,2008 年改定)において,倫理的原理の一つとして明記された。

 

正解は,選択肢3です。

3 ニィリエ(Nirje,B)が唱えた原理には,ライフサイクルにおけるノーマルな発達経験が含まれる。

 

この時もニィリエが正解となっています。

2025年2月24日月曜日

ちょっとかすった問題

今回も第37回国家試験の類似問題シリーズですが,かなり難しいです。

 

37回・問題17 

差別や偏見に関する次の記述のうち,適切なものを2つ選びなさい。

1 ゴッフマン(GoffmanE.)は,主に身体に付随し,それが他者にとっての偏見を呼び起こす「印」として機能するものをスティグマと呼んだ。

2 オルポート(AllportG.)は,民族的偏見を「誤った,柔軟性のない一般化に基づいた反感」と定義づけた。

3 リップマン(LippmannW.)は,人々の知覚や認識を単純化して理解することをダブル・コンティンジェンシーと呼んだ。

4 コールマン(ColemanJ.)は,政治・経済・軍事などの分野のトップが社会の権力を握るとするパワーエリート論を展開した。

5 ミルズ(MillsC.)は,一次的逸脱と二次的逸脱という概念を用いて,逸脱的アイデンティティが形成されるメカニズムを説明した。

 

近年の過去問の知識を使えるのは,選択肢1のスティグマと選択肢3のダブル・コンティンジェンシーしかありません。

 

正解は,選択肢1と選択肢2です。

1 ゴッフマン(GoffmanE.)は,主に身体に付随し,それが他者にとっての偏見を呼び起こす「印」として機能するものをスティグマと呼んだ。

2 オルポート(AllportG.)は,民族的偏見を「誤った,柔軟性のない一般化に基づいた反感」と定義づけた。

 

選択肢1は,参考書や過去問の知識で選べますが,選択肢2は無理です。消去法でも選ぶことができません。

 

まずは,スティグマです。

 

34回・問題21 

他者や社会集団によって個人に押し付けられた「好ましくない違いを表わす印」に基づいて,それを負う人々に対して様々な差別が行われることをゴッフマン(Goffman,E.)は指摘した。次のうち,この「好ましくない違いを表わす印」を示す概念として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 自己成就的予言

2 マイノリティ

3 スティグマ

4 クレイム申立て

5 カリスマ

 

正解は,選択肢3の「スティグマ」でした。近年の過去問なので,多くの人は目にして国家試験に臨んだことでしょう。

 

次は,ダブル・コンティンジェンシーです。

 

34回・問題19 

社会的行為に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 パーソンズ(Parsons,T.)は,相互行為における無意識的,習慣的な行為に着目し,そうした行為において利用される個人の文化的な蓄積を「文化資本」と呼んだ。

2 ハーバーマス(Habermas,J.)は,個人に外在して個人に強制力を持つ,信念や慣行などの行為・思考の様式,集団で生じる熱狂などの社会的潮流を「社会的事実」と呼び,社会学の固有の領域を定式化した。

3 ブルデュー(Bourdieu,P.)は,相互行為が相手の行為や期待に依存し合って成立していることを「ダブル・コンティンジェンシー」と呼んだ。

4 ヴェーバー(Weber,M.)は,社会的行為を四つに分類し,特定の目的を実現するための手段になっている行為を「目的合理的行為」と呼んだ。

5 デュルケム(Durkheim,E.)は,言語を媒介とした自己と他者の間で相互了解に基づく合意形成を目指す行為を「コミュニケーション的行為」と呼んだ。

 

パーソンズ

ダブル・コンティンジェンシー

ハーバマス

コミュニケーション的行為

ブルデュー

文化資本

ヴェーバー

目的合理的行為

デュルケム

社会的事実

 

ということで,ダブル・コンティンジェンシーは,パーソンズが提唱したものでした。

 

この問題が第37回の問題と根本的に違うのは,すべて入れ替えになっていて,正解は,超頻出のものであることです。

 

こういったところが,第34回の合格基準点が7割(105点)となった理由の一つでしょう。

 

37回の問題のパワーエリート論を提唱したのは,ミルズです。

 

これは,遠い過去に一度出題されたことがあります。

 

19回・問題52 

社会的性格に関する次の記述のうち,適切なものを一つ選びなさい。

1 フロム(Fromm,E.))は,ナチズムを支持したドイツ下層中産階級の分析から,彼らに典型的に見られる社会的性格を上位への服従と下位への軽蔑によって特徴づけた。

2 ミルズ(Mills,C.W.)は,第二次世界大戦にかかわって日本社会の研究を行い,その著「菊と刀」では,西欧の「罪の文化」に対して,日本を「恥の文化」であると位置づけた。

3 ホワイト(Whyte,W.)は,その著「孤独な群衆」のなかで,20世紀において「内部指向型」から「他人指向型」へと社会的性格の変化が見られたと唱えた。

4 リースマン(Riesman,D.)は,自分の全人格を過剰に組織に帰属させている人々を「オーガニゼーション・マン(組織人)」と名付けた。

5 ベネディクト(Benedict,R.)は,大衆社会における社会的性格は,一部のパワー・エリートによって操作されやすいものになると指摘した。

 

この問題の正解は,選択肢1です。

1 フロム(Fromm,E.))は,ナチズムを支持したドイツ下層中産階級の分析から,彼らに典型的に見られる社会的性格を上位への服従と下位への軽蔑によって特徴づけた。

 

この問題に出題された人は,ミルズ以外に一人もいません。つまり,覚えるべき優先度はかなり低いと言えます。

 

この問題自体もその当時の人にとっては,とても難しい問題だったと思います。

 

因みに第19回のボーダーラインラインは,150点満点のうち,81点でした。得点率は,54.0%,合格率はわずか27.5%です。

 

37回国家試験は,タクソノミーⅡ型,タクソノミーⅢ型が増えたことにより,簡単に得点できない手ごわい問題が多く出題されましたが,出題された内容自体の難易度はそれほど高くありません。

 

現在の国家試験は,かつてよりも合格しやすい試験になっていることは間違いありません。

なお,今後,出版される参考書には,第37回の問題で出題されたものが掲載されていきますが,それらが第38回の国家試験に出題されることは,ほぼありません。

これが嘘,偽りではないことは,1年後に証明されることでしょう。

2025年2月22日土曜日

自意識過剰の類似問題

第37回国家試験を振り返ってみたいと思います。


第37回・問題1

思春期・青年期における心身の特徴に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 思春期には,男女ともに緩やかな身体の変化がみられる。

2 思春期における心理的特徴としては,自意識過剰がある。

3 思春期には,アイデンティティは形成されている。

4 第二次性徴に性差はみられない。

5 青年期の死亡原因としては心疾患が最も多い。


トップバッターはこの問題でした。


正解は,選択肢2です。

2 思春期における心理的特徴としては,自意識過剰がある。


言われてみると,なるほどと思うでしょう。


しかし,国家試験会場では,自分の頭で考えて,答えなければなりません。

誰も教えてくれません。


不正が発覚すると悲惨です。


規定の時間まで退室が認められません。


その時間になるまで,教室の中で,ほかの受験生の冷ややかな視線を感じながら,自分の席に座り続けなければなりません。


不正した受験生は自己責任なので仕方ないと思いますが,同じ教室で受験している人もとてもいやな気分になります。


当然ですが,不正は絶対にしてはなりません。


さて,今日の問題の関する類似問題は,以下のとおりです。


第35回・問題1

 思春期に伴う心身の変化に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。1

1 この時期の心理的特徴として,自意識に乏しいことが特徴である。

2 女子では,初経から始まり,次いで乳房や骨盤の発育がみられる。

3 男子は,女子よりも早い時期から思春期が始まる。

4 身体の変化は緩徐な変化が多い。

5 第二次性徴という身体的な変化が始まる。


この問題の正解は,選択肢5です。

5 第二次性徴という身体的な変化が始まる。


さて,この問題を見て,気づくことはありませんか。


この問題の選択肢1は誤りですが,第37回では,正解となっています。


過去問を解きながら,試験に向けた仕上げをしていくと思いますが,その際,正解することを主眼に置くと,正解以外のものの知識はつかないことになります。


それでは,過去問を使った勉強の意味は半減してしまいます。


以前に合格された方のYouTubeを見ていたら,1年目は過去問を解くことに専念して失敗した。2年目は過去問にあるものを覚えていった,と述べていた方がいらっしゃいました。


1年目の失敗をすぐに取り戻すことができて本当に良かったと思います。


ただし,出題基準と見比べたとき,過去4年間の過去問を完璧に覚えても,合格する知識は不足します。


必ず,参考書などで知識をつけることを並行して行うことが必要です。

2025年2月17日月曜日

どの法律に基づいているの?

国家試験では,根拠法が問われます。


 第37回・問題111

福祉職の任用または委嘱に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 社会福祉主事は,社会福祉法に規定されている。

2 児童福祉司は,「児童虐待防止法」に規定されている。

3 身体障害者福祉司は,障害者基本法に規定されている。

4 知的障害者福祉司は,「障害者総合支援法」に規定されている。

5 母子・父子自立支援員は,児童福祉法に規定されている。 

(注)1 「児童虐待防止法」とは,「児童虐待の防止等に関する法律」のことである。

2 「障害者総合支援法」とは,「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。


この問題には何のひねりもないので,正解しやすいでしょう。


正解は,選択肢1です。


1 社会福祉主事は,社会福祉法に規定されている。


以下のように出題されたらどうでしょう? 


第37回・問題55 

「障害者差別解消法」に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 この法律が施行される前から,障害者基本法に「差別の禁止」の規定があった。

2 民間事業者の合理的配慮の提供は,努力義務である。

3 この法律に基づき,市町村障害者虐待防止センターが設けられている。

4 障害者差別をした事業者には,この法律に基づき科料が科される。

5 この法律に基づく障害者の定義は,障害者基本法に規定されている障害者の定義より狭い。

(注) 「障害者差別解消法」とは,「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」のことである。


正解は,選択肢1です。

1 この法律が施行される前から,障害者基本法に「差別の禁止」の規定があった。


第37回・問題56

「障害者雇用促進法」に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 就労継続支援A型事業は,この法律に基づき就労支援サービスを提供するものである。

2 公共職業安定所(ハローワーク)は,就労を希望した障害者の就職後の助言,指導は行わない。

3 事業主は,障害者である労働者を雇用する事業所において障害者職業生活相談員を外部委託することができる。

4 雇用義務の対象となる障害者であるかどうかの確認は,精神障害者については,精神障害者保健福祉手帳により行う。

5 事業主は,障害者と障害者でない者との機会均等を図るために,過重な負担となるときであっても,合理的配慮を講じなければならない。

(注) 「障害者雇用促進法」とは,「障害者の雇用の促進等に関する法律」のことである。


正解は,選択肢4です。

4 雇用義務の対象となる障害者であるかどうかの確認は,精神障害者については,精神障害者保健福祉手帳により行う。


2025年2月16日日曜日

問題表現の揺らぎ

社会福祉士国家試験の在り方に関する検討会の報告書では,

 

試験センターにおいては、本検討会での議論や提言を踏まえ、新たな国家試験が適正かつ円滑に行われるよう必要な準備を行うとともに、試験問題の作問にかかる支援機能の強化を図ることが望ましい。

 

と提言しています。

 

社会福祉士国家試験の在り方に関する検討会報告書

https://www.mhlw.go.jp/content/000881634.pdf


国家試験では,この提言に従って,試験委員に対する支援が行われるものと考えられます。

 

受験生にとって,かなり手ごわくなりますが,支援が徹底されていないためなのか,表現に揺らぎが見られる問題があります。

 

以下は,その1つです。

 

37回・問題16 

次の記述のうち,2022(令和4)年の国民生活基礎調査の結果(「2022(令和4)年国民生活基礎調査の概況」(厚生労働省))についての説明として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 1世帯当たり平均所得金額は300万円を下回っている。

2 現在の暮らしの状況が「大変苦しい」「やや苦しい」とした世帯は,50%を超えている。

3 相対的貧困率は20%を超えた。

4 子ども(17歳以下)の相対的資困率は25%を超えた。

5 公的年金・恩給を受給している高齢者世帯の中で「公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%の世帯」は,90%を超えている。

 

この問題の文末は,現在形と過去形が混じっています。

 

表現をそろえると,以下のようになります。

 

1 1世帯当たり平均所得金額は300万円を下回っている。

2 現在の暮らしの状況が「大変苦しい」「やや苦しい」とした世帯は,50%を超えている。

3 相対的貧困率は20%を超えている

4 子ども(17歳以下)の相対的資困率は25%を超えている

5 公的年金・恩給を受給している高齢者世帯の中で「公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%の世帯」は,90%を超えている。

 

しかし,そうしなかったのは,試験委員が「超えた」という表現を使って,かく乱するためです。

 

しかし,見る人が見れば分かります。

 

なお,正解は選択肢2です。「大変苦しい」「やや苦しい」と答えた世帯は,51.3%でした。

 

 

表現をそろえるのは簡単ではありませんが,今後は試験委員の作問技術が上がっていくはずです。

 

タクソノミーⅡ型,Ⅲ型の増加に加えて,受験生を苦しめることになるでしょう。

タクソノミー分類

https://fukufuku21.blogspot.com/2025/02/blog-post_4.html

 

今後,受験する人は,十二分に心しておくことが必要です。

 

しっかり勉強した人は解ける,勉強不足の人は解けない。

 

資格試験に理想的な問題が作り上げられつつあります。

2025年2月8日土曜日

タクソノミーⅢ型の問題(秀逸です)

第37回の国家試験は,問題の重複があり,全体のクォリティとしては,ほめられたものとは言えませんが,問題を個別に見た時,クォリティの高い問題は数多くあります。


その一つは,以下の問題です。


第37回・問題72 

事例を読んで,この段階のA病院のB医療ソーシャルワーカー(社会福祉士)が行った実践モデルやアプローチに関して,最も適切なものを1つ選びなさい。

〔事 例〕

 Cさん(46歳,男性)は夫婦で生まれ故郷に戻り,5年前から喫茶店を営んでいる。1か月前に,脳出血を患い,A病院でリハビリテーションを受け,数週間後に自宅退院を控えている。BはCさんと退院に向けた面談を行った。Cさんは「左片(かた)麻痺(まひ)があるのは仕方がないとしても,妻もまた一緒にお店をやっていこうと言ってくれているので仕事がしたい。地元の友達も戻ってきたら店に行くよと声をかけてくれているから」と語った。Bは「奥様もお友達もCさんがお店に戻ってこられるのを待っておられるんですね。お店に戻られるまで,どのように暮らしを整えていったら良いか,ご一緒に考えていきましょう」と提案した。

1 行動変容アプローチ

2 治療モデル

3 実存主義アプローチ

4 生活モデル

5 課題中心アプローチ


簡単に消去できるのは,選択肢1~3です。もしこの3つを消去できなければ,タクソノミーⅠ型の問題であっても正解できない明らかな知識不足です。


迷うのは,生活モデルなのか,課題中心アプローチなのか,です。

以下の知識がなければ,確実に正解することはできません。


生活モデル

クライエントの生活全体をとらえ,人と環境の交互作用から生じた問題に着目します。


課題中心アプローチ

課題を明らかにして,ワーカーとクライエントが達成可能な目標を期限を定めて共有化すること。


一読するだけでは,この2つとも当てはまらないように感じると思います。


それがこの問題の優れたところです。


ここで事例をもう一度確認するという作業が生じます。


どのように暮らしを整えていったら良いか,ご一緒に考えていきましょうが,生活モデルにあたると考えられます。

2025年2月2日日曜日

第27回精神保健福祉士国家試験と社会福祉士対策

精神保健福祉士国家試験の問題を見た感想と社会福祉士対策


精神保健福祉士の国家試験の専門科目は,社会福祉士の国家試験の1日前,つまり土曜日に実施されます。

精神保健福祉士も社会福祉士と同時にカリキュラムが改正され,2025年2月の国家試験から令和元年度改正の内容に変わりました。

第27回の精神保健福祉士の国家試験を見る限り,問題数が減ったことを除けば,これまでの出題スタイルと大きく変わったものはありませんでした。

精神保健福祉士の国家試験の特徴である長文の事例問題もそのまま残りました。

長文の事例問題は,タクソノミーⅢ型の問題となるので,貴重です。

社会福祉士の国家試験でも第21回までは存在した出題スタイルです。

精神保健福祉士の問題を見る限り,出題スタイルの斬新さはありません。極めて基本的な事項を丁寧に出題しています。

ただ,言えるのは,精神保健福祉士の各選択肢の文字数は短いので,言い回しで正誤を判断することはできないことです。

知識なしで解答テクニックだけで合格することは不可能です。

社会福祉士の国家試験の文字数は,近年,また減少してきています。

文字数が短くなれば,問題を読む時間の節約につながるものの,言い回しで判断することができなくなります。

精神保健福祉士の国家試験問題です。


問題45 生活保護制度に関する次の記述のうち,正しいものを2つ選びなさい。

1 保護の基準額は,全国一律である。

2 精神障害者が申請する場合,資力調査は免除される。

3 原則として,住宅扶助は現物給付である。

4 原則として,世帯単位で保護の要否及び程度が定められる。

5 精神障害者保健福祉手帳の1級及び2級所持者には,生活扶助の障害者加算がある。


言い回しで消去できそうなのは,選択肢1と2のみで,選択肢3・4・5は消去法では絞り込めません。

正解は,

4 原則として,世帯単位で保護の要否及び程度が定められる。

5 精神障害者保健福祉手帳の1級及び2級所持者には,生活扶助の障害者加算がある。

選択肢3で出題されている原則現物給付なのは,医療扶助と介護扶助のみです。この知識がないとこの問題を確実に正解することは不可能です。

なお,選択肢1が消去できる理由は,「一律」が正解になることは少ないからです。

※今後受験される方へ

この問題のように解答テクニックだけで合格することは不可能だということは絶対に忘れないでいてください。試験委員の作問技術が向上しているためです。


直前に押さえておいてほしい問題

社会福祉士の国家試験ではまだ出題されていない問題ですが,重要なので一応押さえておきたいです。

第25回の精神保健福祉士の問題です。


第25回・問題22

次の記述のうち,社会福祉士及び介護福祉士法制定の背景として,適切なものを1つ選びなさい。

1 社会福祉基礎構造改革の議論が行われ,個人の多様な需要に対し,地域での総合的な支援のための人材が求められた。

2 障害福祉サービスにおいて,ケアマネジメントを用いた生活支援を展開するための人材が求められた。

3 増大する介護需要に対応するために,老人,身体障害者等に関する福祉に対する相談や介護を依頼することができる専門的能力を有する人材が求められた。

4 福祉三法が整備される中,各都道府県等に社会福祉行政を担当する人材を配置することが求められた。

5 高齢者が住み慣れた地域で自立した生活を営めるよう,地域包括ケアシステムの構築を推進する人材が求められた。

正解は,選択肢3です。

3 増大する介護需要に対応するために,老人,身体障害者等に関する福祉に対する相談や介護を依頼することができる専門的能力を有する人材が求められた。


これが出題されるかは,誰もわかりませんが,ぜひ押さえておいてほしいです。


国家試験が終わると,さまざまな団体から解答速報が出ますが,毎年,いわゆる「割れ問」(判断が分かれる問題のこと)があります。

精神保健福祉士の国家試験では,そのような問題はなさそうですが,解答速報で割れているからといって,不適切問題になることはほとんどありません。

解答速報は,あくまでも参考程度にとどめておくのが無難です。


最後に,この学習部屋に訪れていただいた方すべての合格をお祈りいたしております。

※今日の問題は,お休みします。

2024年2月14日水曜日

本格勉強に入る前に~推理力の大切さ

頭は柔らかく,ミステリー小説を解くように・・・


国試での1・2点はとても重要です。


どんな勉強しても問題の中には知らないものはあります。


(例)


第29回・問題3 

心臓の正常解剖に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 冠状動脈は大動脈起始部より分岐する。

2 右心房と右心室の間の弁を僧幅弁という。

3 上大静脈と下大静脈は左心房に開口する。

4 肺静脈の中の血液は静脈血である。

5 冠静脈洞は左心房に開口する。


ものすごく難しい問題です。医療職(看護師)なら知っているかもしれません。

(今なら,参考書に載っているので,ある程度勉強した人は,知識があります)


ところが,問題が出題された時点で,過去に出題されたことのある選択肢は,2の僧帽弁,4の肺静脈の2つだけでした。。


  ↓   ↓


心臓の左の心房と心室の間にある弁を三尖弁,右の心房と心室の間にある弁を僧帽弁という。 (三尖弁と僧帽弁が逆)


心臓から末梢に向かって血液を送り出す血管を動脈といい,静脈血は流れない。 (肺動脈には,静脈血が流れる)


これだけなら,選択肢1・3・5は残ってしまいます。


さて,名探偵ならあとはどう消去しましょう。


ヒントは,知っている僧帽弁の選択肢2です。


右と左が逆。それに気づくと,選択肢3と5も左・右が出てきます。これらも同じように左・右が逆になっているかもしれない,と推理できます。


3と5も消去すると,残るは1。答えは1。


わからない問題でも,知っている選択肢を手掛かりにすると,答えは導き出すことができることがあります。


頭を柔らかくすることが大切だと感じた問題でした。


(類題)


貸借対照表の貸方(右側)には,固定資産が計上される。(第29回問題124選択肢2)


これも左・右が逆になっています。国試は試験委員との知恵比べと言えます。


今後は同じようなパターンは出題されないと思いますが,過去問を解くときは,このようなことを考えながら解くことが重要です。


先述の問題は以下のとおり。


第29回・問題124 

社会福祉法人の経営・会計に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 法人全体の財務諸表を作成しなければならない。

2 貸借対照表の貸方(右側)には,固定資産が計上される。

3 減価償却費はコストであるため,法人外部に資金流出する。

4 アカウンタビリティとは,間接金融を指す。

5 借入金返済の財源として,外部寄附者による寄附金を用いてはならない。 


正解は1。


もちろん,この問題が解けるためには,「減価償却」「アカウンタビリティ」の知識は必要なのは,言うまでもありません。


勉強が楽しくなりませんか?

2023年2月15日水曜日

第35回国家試験におけるタクソノミーⅡ型の問題~ファイナル

国家試験が終わると「今までと傾向が変わった」という感想が多く聞かれます。


しかし,受験生が感じるほど,傾向は大きく変わっていることはありません。


第35回国家試験では,タクソノミーⅡ型・Ⅲ型の出題が多くなったものの,結局は今までにも出題されていたものでした。


国家試験は常に一定程度変化しています。


そうでなければ,現場では役立たない「知識があっても知恵のない社会福祉士」を生み出すことになってしまいます。


今回は,第35回を振り返るシリーズの最後です。



第35回・問題9 次の記述のうち,性格特性.の5因子モデル(ビッグファイブ)の1つである外向性の特徴として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 ささいなことで落ち込みやすい。

2 新しいことに好奇心を持ちやすい。

3 他者に対して親切である。

4 他者との交流を好む。

5 責任感があり勤勉である。


うまい出題です。


社会福祉士の国家試験は,選択肢が5つ必要です。ビッグファイブも5つなので,ぴったり合います。


ビッグファイブは,「外向性」「神経症傾向」「誠実性」「調和性」「(経験への)開放性」(知的好奇心)の5つが特性因子であるとするものです。


こんなものでもタクソノミーⅡ型として出題することができることに軽い感動を覚えます。


このような問題を出題されると驚きます。しかし,落ち着いて考えると設問は,外向性なので,ビッグファイブでなくても,外向性を示すものを選べば正解できます。


これが,経験への開放性だったら,難易度はぐんと上がったことでしょう。


それでは,解説です。


1 ささいなことで落ち込みやすい。

 → 神経症傾向


2 新しいことに好奇心を持ちやすい。

 → (経験への)開放性


3 他者に対して親切である。

 → 調和性


4 他者との交流を好む。

 → 外向性


5 責任感があり勤勉である。

 → 誠実性


ということで,正解は選択肢4の「他者との交流を好む」でした。


〈今日の一言〉


今日の問題の難易度は,かなり高いです。


なぜなら思考して答えるタクソノミーⅡ型だからです。


問われていること自体は,それほど難しくありません。


タクソノミーⅡ型・Ⅲ型は,知識があっても思考がうまくできないと正解することができないので,勉強する際は,簡単にでも例示できるくらいの知識にするように心がけましょう。


2023年2月14日火曜日

第35回国家試験におけるタクソノミーⅡ型の問題~その3

タクソノミーⅡ型・タクソノミーⅢ型の出題は受験者を苦しめますが,確実な知識があれば,何の問題もなく,多くの問題は正解できるはずです。


知識がある人でも解けない問題は,誰も解けないので,その分,合格基準点が下がります。


第35回・問題58 事例を読んで,これからの生活においてLさんが利用可能な「障害者総合支援法」に基づく障害福祉サービスとして,適切なものを2つ選びなさい。

〔事 例〕

 Lさん(30歳)は,視覚障害により障害等級1級の身体障害者手帳の交付を受けている。慣れた場所では白杖を利用し単独で歩行でき,日中は一般就労に従事している。これまで実家暮らしで家族から介護を受けてきたが,職場近くの賃貸住宅を借り,そこで一人暮らしをしようと準備している。これからは,趣味や外食のため,行ったことがない所にも積極的に外出したいと考えている。Lさんの障害支援区分は3で,調理,洗濯,掃除等の家事援助を必要としている。

1 居宅介護

2 重度訪問介護

3 同行援護

4 行動援護

5 重度障害者等包括支援


これは,制度系のタクソノミーⅡ型です。

もしかすると,これがタクソノミーⅢ型かもしれません。


タクソノミーⅡ型とタクソノミーⅢ型の違いは,思考する回数です。

タクソノミーⅡ型は,1回であるのに対して,タクソノミーⅢ型は,2回です。


この問題の場合は,事例を読んで,1回目の思考をして,それぞれの選択肢を読んで,知識を想起し,もう一度,事例に戻れば,2回目の思考をすることになります。


これがタクソノミーⅢ型であるとすれば,問題の難易度は,Ⅲ型はⅡ型とそれほど変わらないかもしれません。


いずれにせよ,確実な知識があれば攻略できるので,決して恐れることはありません。


この問題の正解は,選択肢1と3です。


選択肢1の「居宅介護」は,「調理,洗濯,掃除等の家事援助を必要としている」という福祉ニーズに対応するものです。


選択肢3の「同行援護」は,「行ったことがない所にも積極的に外出したいと考えている」という福祉ニーズに対応するものです。

2023年2月13日月曜日

第35回国家試験におけるタクソノミーⅡ型の問題~その2

社会福祉士の国家試験は,出題範囲が広いですが,やみくもに出題されているわけではありません。

 

国家試験の実施機関として指定されている公益財団法人社会福祉試験・振興センターは,「出題基準」を示しています。

 

その範囲には収まっていないと思われる出題もなくはないですが,基本的に出題基準の範囲から出題されます。

 

平成19年度の改正カリキュラムによる国家試験は,第22回に始まり,第36回で終了します。

 

37回からは,令和元年度の改正カリキュラムによる国家試験となります。

このカリキュラムの出題基準はまだ発表されていませんが,早めに発表されることが予測され,第37回以降に受験する人は,その内容を学んでいくことになります。

 

さて,第36回国家試験は,平成19年度の改正カリキュラムの最後の年です。

35回国家試験もそうでしたが,第36回国家試験は,受験対策しやすい時です。

 

22回以降,国家試験を繰り返してきたので,どこがどのように出題されるかが明確になっているのです。

 

しかし,受験生を苦しめるのは,タクソノミーⅡ型・Ⅲ型の出題です。

 

35回・問題135 事例を読んで,B社会福祉士が,Cさんの希望を踏まえて特に意見を聴くべき職種として,最も適切なものを1つ選びなさい。

〔事 例〕

 急性期病床を有する病院に医療ソーシャルワーカーとして勤務するB社会福祉士は,10日前から入院中のCさん(79歳,一人暮らし)の退院時カンファレンスに臨んだ。その会議には,Cさんを担当する看護師・理学療法士・作業療法士・管理栄養士・言語聴覚士・医療ソーシャルワーカー,Cさん本人が同席した。Cさんは軽度の脳梗塞を初めて発症して入院し,その後の治療等によって,基本的な日常生活動作や,言語・コミュニケーションに関する症状はほぼ消失したため,医学的には定期的な外来通院に移行できる状態である。しかし,利き腕の右手を動かしづらく,既存の調理器具ではうまく調理ができなくなっており,在宅生活には支援が必要な状況である。Cさんは,「調理はずっと行ってきたことなので,上手にできるようになりたい」と希望している。

1 看護師

2 理学療法士

3 作業療法士

4 管理栄養士

5 言語聴覚士

 

それぞれの専門職がどのような専門性をもっているのかを理解していないと確実に正解することは困難です。

 

正解は,選択肢3の「作業療法士」です。

 

理学療法士と作業療法士の違いを明確にわかっていることがこの問題で正解するために必要です。

 

職種

法に規定される業務

理学療法士

身体に障害のある者に対し,主としてその基本的動作能力の回復を図るため,治療体操その他の運動を行なわせ,及び電気刺激,マツサージ,温熱その他の物理的手段を加えること。

作業療法士

身体又は精神に障害のある者に対し,主としてその応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るため,手芸,工作その他の作業を行なわせること。

言語聴覚士

音声機能,言語機能又は聴覚に障害のある者についてその機能の維持向上を図るため,言語訓練その他の訓練,これに必要な検査及び助言,指導その他の援助。

 

応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るのが,作業療法士です。

 

この問題の難易度は決して高くはありません。なぜなら,そこそこの知識があれば,看護師,管理栄養士,言語聴覚士は,消去することが可能だからです。

 

試験後に,「2つまで絞り込めた」ということをよく聞きます。

 

しかし,残った2つから正解を選ぶためには,確実な知識に裏づけられた応用力が必要です。ここが合否を分けます。

2023年2月12日日曜日

第35回国家試験におけるタクソノミーⅡ型の問題~その1

第35回の国家試験を受験した人は,解きにくかったと感じた人もいたように思います。


問題自体は,それほど変わったものではなくても,出題の仕方を変えることで難易度が上がることがわかる感想です。


タクソノミーⅡ型,Ⅲ型は,例示しての出題のようなので,知識を例に合わせて考えることが必要です。


第35回の代表的なタクソノミーⅡ型の一つは,以下の問題でしょう。


第35回・問題76 次の記述のうち,医療チーム内で専門分野を超えて積断的に役割を共有するトランスディシプリナリモデルの事例として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 Fさんの病状が急変したため,医師は,看護師へ静脈注射機材の準備,薬剤師へ薬剤の準備,医療ソーシャルワーカーへ家族への連絡の指示を出した。

2 災害発生による傷病者の受入れのため,G病院長は,全職員の招集,医師へのトリアージ,看護師へ手術室の準備,医事課職員へ情報収集などの指示を出した。

3 Hさんの食事摂取の自立の希望を達成するため,理学療法士は座位保持,作業療法士は用具の選定,管理栄養士は食事形態,看護師は食事介助の工夫を行った。

4 一人暮らしで在宅療養中のJさんの服薬管理について,往診医,訪問看護師,薬剤師,訪問介護員,介護支援専門員等の自宅への訪問者それぞれが,Jさんとの間で確認することにした。

5 自立歩行を希望するKさんの目標をゴールに,理学療法士,作業療法士,看護師,介護福祉士とでケースカンファレンスを行い,立位保持訓練の方法を検討した。


トランスディシプリナリモデルはチームワークモデルの一つです。


一般的には,役割を交換して実務を行うことを言いますが,医療現場は,業務独占の専門職が存在するので,実際に役割を交換することはできません。


そういった意味で,この問題はとてもよい出題をしたように思います。


この問題の中で,本来自分が行うものと違う業務に関するものでありそうなのは,選択肢4と5でしょう。


しかし,選択肢4は,服薬管理という目標を共有して,それぞれの専門職がかかわっているので,インターディシプナリーモデルだと言えます。


ということで,正解は選択肢5だと考えます。


5 自立歩行を希望するKさんの目標をゴールに,理学療法士,作業療法士,看護師,介護福祉士とでケースカンファレンスを行い,立位保持訓練の方法を検討した。


1 Fさんの病状が急変したため,医師は,看護師へ静脈注射機材の準備,薬剤師へ薬剤の準備,医療ソーシャルワーカーへ家族への連絡の指示を出した。

2 災害発生による傷病者の受入れのため,G病院長は,全職員の招集,医師へのトリアージ,看護師へ手術室の準備,医事課職員へ情報収集などの指示を出した。

3 Hさんの食事摂取の自立の希望を達成するため,理学療法士は座位保持,作業療法士は用具の選定,管理栄養士は食事形態,看護師は食事介助の工夫を行った。


この3つは,マルチディシプナリーモデルです。


今後は,こういったタイプの問題が随所で出題されることが予測されるので,例示できるくらいの知識にして国家試験に臨むことが求められるでしょう。

2023年2月9日木曜日

受験生を苦しめるタクソノミーⅡ型・Ⅲ型

35回国家試験の文字数は,おおよそ45,000字でした。

 

34回は約48,000字だったので,3,000字くらい減っています。

 

問題の文字数は,第25回以降減少して,第31回以降また増加してきましたが,久々の減少です。

 

35回の文字数は,第32回と第33回のちょうど中間あたりです。

 

文字数が多いと引っ掛けポイントに気づきにくいので注意が必要ですが,文字数が少なくなると引っ掛けポイントを見つけやすくなります。

 

しかし,受験生を苦しめるのは,タクソノミーⅡ型,タクソノミーⅢ型の問題です。

 

知識をもとに考えて答えなければならないので,問題が高度になり,そして解くのに時間がかかります。

 

35回で文字数を減らしたのは,そのためなのではないかと思います。

 

〈タクソノミーⅡ型の出題の例〉

 

35回・問題3 次のうち,疾病の予防に関する記述として,正しいものを1つ選びなさい。

1 特定健康診査は一次予防である。

2 糖尿病予防教室は一次予防である。

3 ワクチン接種は二次予防である。

4 リハビリテーションは二次予防である。

5 胃がんの手術は三次予防である。

 

一次予防

疾病にならないこと。

二次予防

疾病を早期発見すること。

三次予防

疾病を重度化させないこと。

 

この表には書いていませんが,手術などの治療は二次予防に含まれます。

 

正解は選択肢2です。

糖尿病予防教室は,疾病にならないために行われるので,一次予防にあたります。

 

一次予防,二次予防,三次予防のそれぞれの意味を知っていて,事例にあてはめて考えるタクソノミーⅡ型のタイプです。

 

決して難易度が高い問題ではありませんが,確実に正解するのは決して簡単ではありません。

 

合否を分けるのは,こういった問題を確実に正解するか,あるいは正解できたり間違ったり,安定していないか,といったことです。

 

丸暗記勉強にとどまると対応できないので,必ず理解するレベルまで覚えることが重要になります。


次回からは,タクソノミーⅡ型,Ⅲ型の問題に焦点を当てて,その対策を数回にわたって紹介していきたいと思います。

2023年2月8日水曜日

第35回に出題された「お久しぶりね」問題から考える国試対策

第37回国家試験から新しいカリキュラムによる出題となります。


そのためなのかどうかはわかりませんが,出題基準に示されたものの穴埋めのような出題が続いています。


戦略的な出題がなされてこなかったということなのでしょう。


第35回の国家試験で象徴的だったのは「高齢者」でしょう。


この科目が10問あるのは,平成19年度カリキュラム改正で,「老人福祉論」と「介護概論」が統合されたためです。


さて,今日のテーマは「お久しぶりね」問題です。


ソーシャルワークのプロセスの終結(ターミネーション)は,平成19年カリキュラム改正では,1問丸ごと出題されたことがありませんでした。


その穴を埋めるように第35回に出題されています。


それでは,その問題です。


第35回・問題103 相談援助の過程における終結に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 ソーシャルワーカーが,アセスメントを行い判断する。

2 残された問題や今後起こり得る問題を整理し,解決方法を話し合う。

3 クライエントのアンビバレントな感情のうち,肯定的な感情に焦点を当てる。

4 クライエントは,そのサービスを再利用しないことを意味する。

5 問題解決の過程におけるソーシャルワーカーの努力を振り返る。


正解は,選択肢2です。


実はこの問題は「お久しぶりね」問題です。第21回にほとんど同じ内容の問題が出題されています。


第21回・問題120 ソーシャルワーク過程における終結に関する次の記述のうち,最も適切なものを一つ選びなさい。

1 終結の時期は,援助の必要性とその充足度を評価してソーシャルワーカーが決定する。

2 終結の際には,問題解決に至るまでのソーシャルワーカーの努力を肯定的に評価し,それをクライエントと共有する。

3 終結の際には,残された問題の確認とその解決方法についての検討を行う。

4 援助の終結は,クライエントがその社会福祉機関・施設を今後利用しないことを意味する。

5 終結の焦点は,クライエントの主観的側面ではなく,問題解決の程度を客観的に評価することに向けられる。


ほとんど内容は一緒です。


正解も第35回と同じです。

3 終結の際には,残された問題の確認とその解決方法についての検討を行う。


この問題が出題されたときには不思議な問題だと感じました。

もう10年以上前のことです。


不思議だと思ったのは,選択肢1です。


1 終結の時期は,援助の必要性とその充足度を評価してソーシャルワーカーが決定する。


こんなものに引っ掛かる人はいるのかと思ったのですが(失礼),チームfukufuku21のメンバーも当時引っ掛けられた人がいます。国家試験は怖いものです。


〈今日の一言〉


3年間の過去問を完璧に覚えても合格に必要な知識量には足りません。


参考書は過去問を加工してつくります。つまりもっと以前からの過去問の内容を網羅しているということになります。


参考書に書かれていないものも出題されます。


しかし,その多くは参考書に書かれている内容で十分に対応可能です。

2023年2月7日火曜日

第35回国家試験から考える第36回国家試験対策

国家試験の問題は,3つのタイプに分かれます。





















タクソノミーⅡ型・Ⅲ型は,単なる知識だけでは正解することができないので,かなり高度な能力が求められます。


求められる能力は,報告書に書かれているように,タクソノミーⅡ型では「解釈力」・「判断力」,タクソノミーⅢ型では「思考力」・「判断力」です。



第35回国家試験は,決して奇をてらった問題が出題されているわけではありませんが,正解するのはそんなに簡単ではないのは,タクソノミーⅡ型,Ⅲ型の問題によるからです。


心理学理論と心理的支援は,もともとタクソノミーⅡ型がよく見られていましたが,第35回では以下のような出題があります。


第35回・問題8 次の記述のうち,内発的動機づけとして,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 大学の入試の要件となっているため,英語外部検定を受検した。

2 叱責されないように,勉強に取り掛かった。

3 授業中,寒いので,窓を閉めた。

4 お腹が減ったので,席を立って食事に行った。

5 投資に偶然興味を持ったので,勉強した。


正解は,選択肢5です。


内発的動機づけとはどのようなものかを知っていて,そこから例を当てはめてみて,答えを出します。


この問題自体は,タクソノミーⅡ型としては決して高度なものではありませんが,知識が知恵になる程度の理解がなければ,確実に正解するのは難しいと言えます。


なお,この問題には,元ネタがあります。


第23回・問題8 次の記述のうち,内発的動機に基づく行動として,最も適切なものを一つ選びなさい。

1 おこづかいをもらえるので,家事の手伝いをした。

2 興味を持ったので,社会保障の勉強を始めた。

3 お腹が減ったので,パンを食べた。

4 暑いので,教室の窓を開けて換気した。

5 叱られるのが嫌なので,仕方なく勉強をした。


正解は,選択肢2です。


内容は少しずつ変わっていますが,ほとんど一緒です。


第35回国家試験では,「お久しぶりね問題」がいくつか見られたので解いていて面白かったです。


余談ですが,第35回の心理学理論と心理的支援では,ちょっと良くない出題がみられます。


問題13の選択肢1


問題13 心理検査に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。 

1 乳幼児の知能を測定するため,WPPSIを実施した。

2 頭部外傷後の認知機能を測定するため,PFスタディを実施した。

3 投影法による人格検査を依頼されたので,東大式エゴグラムを実施した。

4 児童の発達を測定するため,内田クレペリン精神作業検査を実施した。

5 成人の記憶能力を把握するため,バウムテストを実施した。


WPPSIの適用は,2歳6か月~7歳3か月です。


ほかに正解になるものはなさそうなので,選択肢1を選ぶしかないと思いますが,乳児は対象としないので,「乳幼児」と表現するのは良くないように思います。


〈今日の一言〉


タクソノミーⅡ型・Ⅲ型は,受験生を苦しめることになるのは間違いないです。心して備えることが必要です。

2022年12月19日月曜日

知らない報告書が出題されたなら・・・

国家試験ではさまざまな報告書が出題されます。


イギリスの報告書やレイン報告など,歴史上の報告書は勉強しないと正解するのは困難ですが,現代社会の報告書の多くは知識がなくても正解できるものがほとんどです。


とにかく焦ることなく,落ち着いて問題を読むことが大切です。


それでは,今日の問題です。


第33回・問題34 地域福祉の在り方に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 社会保障審議会の「市町村地域福祉計画及び都道府県地域福祉支援計画策定指針の在り方について」(2002年(平成14年))は,専門のコンサルタントに計画の策定を請け負わせるべきであると提言した。

2 厚生労働省の「これからの地域福祉のあり方に関する研究会報告書」(2008年(平成20年))は,制度の対象とならない生活課題は,行政が原則として関与せず,住民同士の支え合いによって解決していく必要があると提言した。

3 社会保障審議会の「生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会報告書」(2013年(平成25年))は,生活保護受給者が増加する中で,中間的就労を通じた生活困窮者の社会参加よりも一般就労を重視すべきであると提言した。

4 厚生労働省の「地域力強化検討会最終とりまとめ」(2017年(平成29年))は,地域共生社会の実現に向けて,地域住民が多機関協働の中核を担う必要があると提言した。

5 厚生労働省の「地域共生社会推進検討会最終とりまとめ」(2019年(令和元年))は,既存の地域資源と狭間のニーズを持つ者との間を取り持つ,新たな参加支援の機能が重要であると提言した。


この問題で出題されている報告書は,5つあります。


1 市町村地域福祉計画及び都道府県地域福祉支援計画策定指針の在り方について

2 これからの地域福祉のあり方に関する研究会報告書

3 生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会報告書

4 地域力強化検討会最終とりまとめ

5 地域共生社会推進検討会最終とりまとめ


とても盛沢山です。びっくりすると正解することができません。


びっくりして混乱することなく内容をしっかり読み込めば,正解以外の選択肢は正解になることはないだろうと推測可能です。


それでは,解説です。


1 社会保障審議会の「市町村地域福祉計画及び都道府県地域福祉支援計画策定指針の在り方について」(2002年(平成14年))は,専門のコンサルタントに計画の策定を請け負わせるべきであると提言した。


今の世の中にはどんなことが潜んでいるかはわかりませんが,もしこの報告書の内容が本当なら,報告書を取りまとめた委員の中に専門のコンサルタントに便宜を図った者がいるのではないと疑われても仕方がないところです。


そのくらい危うい内容です。


2 厚生労働省の「これからの地域福祉のあり方に関する研究会報告書」(2008年(平成20年))は,制度の対象とならない生活課題は,行政が原則として関与せず,住民同士の支え合いによって解決していく必要があると提言した。


行政が原則として関与せず,といった内容もおかしなものでしょう。


3 社会保障審議会の「生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会報告書」(2013年(平成25年))は,生活保護受給者が増加する中で,中間的就労を通じた生活困窮者の社会参加よりも一般就労を重視すべきであると提言した。


一般就労も重要かもしれませんが,一般就労できない人が大半です。


4 厚生労働省の「地域力強化検討会最終とりまとめ」(2017年(平成29年))は,地域共生社会の実現に向けて,地域住民が多機関協働の中核を担う必要があると提言した。


福祉に関して素人である地域住民が多機関協働の中核を担うことができるはずがありません。


5 厚生労働省の「地域共生社会推進検討会最終とりまとめ」(2019年(令和元年))は,既存の地域資源と狭間のニーズを持つ者との間を取り持つ,新たな参加支援の機能が重要であると提言した。


これが正解です。


ほかの選択肢から比べると明らかに自然にスムーズです。


この感覚がわかる人は,国家試験におそらく合格できるのではないかと思います。


2022年12月4日日曜日

あきらめない心

今日は前説なしに問題です。


第32回・問題30 文部科学省の「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する基本指針」(2017年(平成29年))で示された不登校児童生徒への支援に関する次の記述のうち,適切なものを2つ選びなさい。

1 不登校児童生徒が学校へ登校するという結果を,第一の目標としている。

2 不登校児童生徒の意思を十分に尊重し,その状況によっては休養が必要な場合があることに留意する。

3 不登校児童生徒の実態に配慮した教育を実施する「特例校」の設置を促進している。

4 不登校児童生徒や保護者のプライバシーの保護に配慮して,学校や教育委員会による家庭訪問は控える。

5 「チーム学校」体制の整備を,スクールソーシャルワーカーのリーダーシップの下で推進する。


令和元年度カリキュラム改正によって,国家試験の出題がどのようにするのかは現時点(2022年12月)では詳細は不明ですが,平成19年度カリキュラム改正による国家試験の「現代社会と福祉」はかなりやっかいな科目だと言えます。


というのは,勉強する機会がなかったものが出題されるからです。

この問題もいかにもそんな問題です。


こういった問題を目にすると勉強不足を実感すると思いますが,それはほとんどの受験生が思うことです。


それにもめげずに問題に取り組むと多くの場合,よい結果となります。


合格・不合格を分けるのは,最終的には強い心を持っているか,というところにかかっているように思います。


この問題の場合は「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する基本指針」を勉強したことがなくても正解できる可能性があることを信じることができることだと言えます。


それでは解説です。


1 不登校児童生徒が学校へ登校するという結果を,第一の目標としている。


学校へ登校することを第一の目標にするなら,今さら指針で示す必要はありません。


学校へ登校することを第一の目標をしないことこそ指針で示す意義があると思いませんか。


2 不登校児童生徒の意思を十分に尊重し,その状況によっては休養が必要な場合があることに留意する。


これが一つ目の正解です。


正解を2つ選ぶ問題の多くは,1つめはわかっても,もう1つで悩むことが多いです。


そのために,消去できるものは消去することが必要です。


3 不登校児童生徒の実態に配慮した教育を実施する「特例校」の設置を促進している。


特例校がよくわからないので,この時点では冷静に△をつけて,先に進みます。


結果的にこれが2つめの正解です。


国家試験では,こういったタイプのものが正解になることがあります。


「こういったタイプ」というのは,「このような施策があります」ということを知らしめるタイプということです。


一度試験に出題すると,それが次の年の参考書に記載されます。


そのため受験者は,その施策について学ぶことになります。その結果としてその施策が周知されていくことになります。


しかし,多くの場合,「こういったタイプ」のものは二度と出題されません。


なぜなら,一度出題することで,目的が達成されているからです。


4 不登校児童生徒や保護者のプライバシーの保護に配慮して,学校や教育委員会による家庭訪問は控える。


家庭訪問を控えることを指針で本当に示しているなら,教育界に未来はありません。


個別に合わせた対応の工夫の芽を摘み取ることになってしまいます。


5 「チーム学校」体制の整備を,スクールソーシャルワーカーのリーダーシップの下で推進する。


迷うのはこの選択肢です。


スクールソーシャルワーカーといってもソーシャルワーカーです。


ソーシャルワーカーがチームのリーダーとなる,といった出題は正解になることはありません。リーダーになることもあるかもしれませんが,いつもリーダーになることが求められているわけではないからです。


スクールソーシャルワーカーはチーム学校のメンバーです。リーダーとなるのは,現場の責任者となる学校長です。


2022年11月3日木曜日

問題を解く時の思考法のヒント

国家試験が終わると「知識が足りなかった。難しかった」という声がネットに上がります。


過去問よりも本試験のほうが難しく感じるため,そのような意見が出るのでしょう。


しかし,その思いは,今まで受験してきたすべての人が感じたはずです。


過去問のほうが易しく感じるのは,後追いで参考書に加えられた内容を先に勉強しているからです。


それでは,今日の問題です。


第33回・問題22 社会福祉法で規定された福祉サービスの基本的理念に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 個人の尊厳の保持を旨とし,その内容は,福祉サービスの利用者が心身ともに健やかに育成され,又はその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように支援するものとして,良質かつ適切なものでなければならない。

2 全ての国民が,障害の有無にかかわらず,等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重される。

3 国が生活に困窮するすべての国民に対し,その困窮の程度に応じ,必要な保護を行い,その最低限度の生活を保障するとともに,その自立を助長する。

4 地域の実情に応じて,高齢者が,可能な限り,住み慣れた地域でその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう,医療,介護,介護予防,住まい及び自立した日常生活の支援が包括的に確保される。

5 老齢,障害又は死亡によって国民生活の安定がそこなわれることを国民の共同連帯によって防止し,もって健全な国民生活の維持及び向上に寄与する。


こういった問題を目にすると「基本理念をしっかり覚えておけばよかった」という気持ちになることでしょう。


タクソノミーⅡ型・Ⅲ型の問題では,受験者に考えることを求めます。


この問題は,知識が答えになるタクソノミーⅠ型に分類されるものですが,思考することで正解できる可能性が高まるタイプです。


この問題は,与えられたヒントから推測し,答えを出すことで正解できます。

ただし,その考え方を覚えたところで同じ問題は出題されないので意味はありません。必要なのは柔軟な思考を持つことです。


それでは,解説です。


1 個人の尊厳の保持を旨とし,その内容は,福祉サービスの利用者が心身ともに健やかに育成され,又はその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように支援するものとして,良質かつ適切なものでなければならない。


これが正解ですが,この時点では正解かどうかはわかりません。


冷静に△をつけて,次の選択肢に進みます。


2 全ての国民が,障害の有無にかかわらず,等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重される。


障害という文字が含まれているので,障害者に関連するものであるのではないかと推測することができます。


正しくは,障害者基本法の記述です。


3 国が生活に困窮するすべての国民に対し,その困窮の程度に応じ,必要な保護を行い,その最低限度の生活を保障するとともに,その自立を助長する。


これは,多くの人がわかるのではないかと思います。


最低限度の生活保障自立の助長から,生活保護法であることがわかります。

これが生活保護法であることがわからない人は,本当に知識不足の人だと考えられます。


その知識量では国試に合格することは厳しいと言えるでしょう。

ひたすら知識をつけていくことが求められます。


4 地域の実情に応じて,高齢者が,可能な限り,住み慣れた地域でその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう,医療,介護,介護予防,住まい及び自立した日常生活の支援が包括的に確保される。


高齢者という文字が含まれているので,高齢者に関連するものであるのではないかと推測することができます。


正しくは,医療介護総合確保推進法です。


医療介護総合確保推進法が地域包括ケアシステムの根拠法です。


5 老齢障害又は死亡によって国民生活の安定がそこなわれることを国民の共同連帯によって防止し,もって健全な国民生活の維持及び向上に寄与する。


老齢障害死亡という3つから連想できるのは,年金でしょう。


公的年金には,国民年金と厚生年金がありますが,この記述があるのは,国民年金法です。


ということで,ほかの4つは消去できそうなので,選択肢1が残ります。


〈今日の一言〉

国家試験会場では,誰もヒントを教えてくれる人はいません。

すべて自分で考えて答えを出さなければなりません。まさしくソーシャルワークで求められているものです。

そういった点で,柔軟な思考ができ,様々な国家試験問題にアジャストできることは,ソーシャルワーク実践の基礎となるものだと言えます。

国家試験に何度も不合格になっている人が「知識不足だった」と思うのは,また失敗することにつながるので注意が必要です。

2022年6月28日火曜日

国家試験に合格する勉強法

国家試験は,第22~36回は,平成19年度カリキュラム改正の内容です。


第37回国家試験からは,令和元年度カリキュラム改正の内容になります。


丸暗記型勉強にとどまり,理解レベルになっていないと今まで以上に苦戦することが予測されます。


知識があれば解ける問題は減り,知識があることを前提に,思考して問題を解くタイプの問題が増えます。


知識があれば解ける問題のタイプをタクソノミーⅠ型と言います。


知識があることを前提に,思考して問題を解く問題のタイプをタクソノミーⅡ型と言います。


型知識があることを前提に,2回思考して問題を解くタイプをタクソノミーⅢ型と言います。


第37回国家試験からは,現在主流のタクソノミーⅠ型が減り,タクソノミーⅡ型・Ⅲ型が増えることになっていますが,第35回から少しずつ移行していきます。


つまり今後受験する受験生にとって,タクソノミーⅡ型の問題に対応できる実力がもとめられます。


〈タクソノミーⅡ型の問題例①〉


第33回・問題21 次のうち,マートン(Merton,R.K.)が指摘したアノミーに関する記述として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 ある現象が解決されるべき問題とみなす人々の営みを通じて紡ぎ出される社会状態を指す。

2 下位文化集団における他者との相互行為を通じて逸脱文化が学習されていく社会状態を指す。

3 文化的目標とそれを達成するための制度的手段との不統合によって社会規範が弱まっている社会状態を指す。

4 他者あるいは自らなどによってある人々や行為に対してレッテルを貼ることで逸脱が生み出されている社会状態を指す。

5 人間の自由な行動を抑制する要因が弱められることによって逸脱が生じる社会状態を指す。


まず,マートンのアノミーとは,どんなものかを想起したうえで,それぞれの選択肢に当てはまるか,考えていきます。


これはいずれも逸脱行動理論について述べたもので,それぞれの文章には嘘はありません。


この問題はわかりやすく特徴を出して問題を作ってくれていますので,タクソノミーⅡ型の問題でもタクソノミーⅠ型に近いタイプかもしれません。


正解は,選択肢3です。


〈タクソノミーⅡ型の問題例②〉


第27回・問題23 社会的リスクに関する次の記述のうち,「ベヴァリッジ報告」で想定されていなかったものを1つ選びなさい。

1 疾病により労働者の収入が途絶えるおそれ

2 勤務先の倒産や解雇により生計の維持が困難になるおそれ

3 老齢による退職のために,稼働収入が途絶えるおそれ

4 保育や介護の社会化が不充分なため,仕事と家庭の両立が困難になるおそれ

5 稼得者の退職や死亡により被扶養者の生活が困窮するおそれ


ベヴァリッジ報告の5つの巨人に当てはめて考えていきます。


正解は,選択肢4です。


知識があるうえで,思考が求められています。

こういった問題に対応するためには理解して覚えることを心がけます。

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