頭は柔らかく,ミステリー小説を解くように・・・
国試での1・2点はとても重要です。
どんな勉強しても問題の中には知らないものはあります。
(例)
第29回・問題3
心臓の正常解剖に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 冠状動脈は大動脈起始部より分岐する。
2 右心房と右心室の間の弁を僧幅弁という。
3 上大静脈と下大静脈は左心房に開口する。
4 肺静脈の中の血液は静脈血である。
5 冠静脈洞は左心房に開口する。
ものすごく難しい問題です。医療職(看護師)なら知っているかもしれません。
(今なら,参考書に載っているので,ある程度勉強した人は,知識があります)
ところが,問題が出題された時点で,過去に出題されたことのある選択肢は,2の僧帽弁,4の肺静脈の2つだけでした。。
↓ ↓
心臓の左の心房と心室の間にある弁を三尖弁,右の心房と心室の間にある弁を僧帽弁という。 (三尖弁と僧帽弁が逆)
心臓から末梢に向かって血液を送り出す血管を動脈といい,静脈血は流れない。 (肺動脈には,静脈血が流れる)
これだけなら,選択肢1・3・5は残ってしまいます。
さて,名探偵ならあとはどう消去しましょう。
ヒントは,知っている僧帽弁の選択肢2です。
右と左が逆。それに気づくと,選択肢3と5も左・右が出てきます。これらも同じように左・右が逆になっているかもしれない,と推理できます。
3と5も消去すると,残るは1。答えは1。
わからない問題でも,知っている選択肢を手掛かりにすると,答えは導き出すことができることがあります。
頭を柔らかくすることが大切だと感じた問題でした。
(類題)
貸借対照表の貸方(右側)には,固定資産が計上される。(第29回問題124選択肢2)
これも左・右が逆になっています。国試は試験委員との知恵比べと言えます。
今後は同じようなパターンは出題されないと思いますが,過去問を解くときは,このようなことを考えながら解くことが重要です。
先述の問題は以下のとおり。
第29回・問題124
社会福祉法人の経営・会計に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 法人全体の財務諸表を作成しなければならない。
2 貸借対照表の貸方(右側)には,固定資産が計上される。
3 減価償却費はコストであるため,法人外部に資金流出する。
4 アカウンタビリティとは,間接金融を指す。
5 借入金返済の財源として,外部寄附者による寄附金を用いてはならない。
正解は1。
もちろん,この問題が解けるためには,「減価償却」「アカウンタビリティ」の知識は必要なのは,言うまでもありません。
勉強が楽しくなりませんか?