2024年2月14日水曜日

本格勉強に入る前に~推理力の大切さ

頭は柔らかく,ミステリー小説を解くように・・・


国試での1・2点はとても重要です。


どんな勉強しても問題の中には知らないものはあります。


(例)


第29回・問題3 

心臓の正常解剖に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 冠状動脈は大動脈起始部より分岐する。

2 右心房と右心室の間の弁を僧幅弁という。

3 上大静脈と下大静脈は左心房に開口する。

4 肺静脈の中の血液は静脈血である。

5 冠静脈洞は左心房に開口する。


ものすごく難しい問題です。医療職(看護師)なら知っているかもしれません。

(今なら,参考書に載っているので,ある程度勉強した人は,知識があります)


ところが,問題が出題された時点で,過去に出題されたことのある選択肢は,2の僧帽弁,4の肺静脈の2つだけでした。。


  ↓   ↓


心臓の左の心房と心室の間にある弁を三尖弁,右の心房と心室の間にある弁を僧帽弁という。 (三尖弁と僧帽弁が逆)


心臓から末梢に向かって血液を送り出す血管を動脈といい,静脈血は流れない。 (肺動脈には,静脈血が流れる)


これだけなら,選択肢1・3・5は残ってしまいます。


さて,名探偵ならあとはどう消去しましょう。


ヒントは,知っている僧帽弁の選択肢2です。


右と左が逆。それに気づくと,選択肢3と5も左・右が出てきます。これらも同じように左・右が逆になっているかもしれない,と推理できます。


3と5も消去すると,残るは1。答えは1。


わからない問題でも,知っている選択肢を手掛かりにすると,答えは導き出すことができることがあります。


頭を柔らかくすることが大切だと感じた問題でした。


(類題)


貸借対照表の貸方(右側)には,固定資産が計上される。(第29回問題124選択肢2)


これも左・右が逆になっています。国試は試験委員との知恵比べと言えます。


今後は同じようなパターンは出題されないと思いますが,過去問を解くときは,このようなことを考えながら解くことが重要です。


先述の問題は以下のとおり。


第29回・問題124 

社会福祉法人の経営・会計に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 法人全体の財務諸表を作成しなければならない。

2 貸借対照表の貸方(右側)には,固定資産が計上される。

3 減価償却費はコストであるため,法人外部に資金流出する。

4 アカウンタビリティとは,間接金融を指す。

5 借入金返済の財源として,外部寄附者による寄附金を用いてはならない。 


正解は1。


もちろん,この問題が解けるためには,「減価償却」「アカウンタビリティ」の知識は必要なのは,言うまでもありません。


勉強が楽しくなりませんか?

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