2024年2月1日木曜日

国家試験の前々日の過ごし方

前々日の過ごし方


社会福祉士の国家試験は,通常,日曜日に実施されています。


試験日の前々日は,金曜日です。


土曜日は,日曜日に備えて,早めに寝るでしょう。


睡眠の基本は,眠くなってからベッドに入ることです。


公認心理師では,以下のような出題が多くみられます。


第2回・問題64

75歳の男性A。総合病院の内科で高血圧症の治療を受けている以外は身体疾患はない。起床時間は日によって異なる。日中はテレビを見るなどして過ごし、ほとんど外出しない。午後時頃に夕食をとり、午後時には床に就く生活であるが、床に就いてもなかなか眠れないため、同じ病院の精神科外来を受診した。診察時に実施した改訂長谷川式簡易知能評価スケール〈HDS-R〉は27点であった。診察した医師は薬物療法を保留し、院内の公認心理師に心理的支援を指示した。

 Aに対する助言として、最も適切なものを1つ選べ。

① 寝酒は寝つきに有効かもしれません。

② 眠くなるまで布団に入らないようにしましょう。

③ 1時間程度の昼寝で睡眠不足を補ってください。

④ 健康のために、少なくとも8時間の睡眠が必要です。

⑤ 午前中に1時間くらいのジョギングをしてみましょう。


正解は,「② 眠くなるまで布団に入らないようにしましょう」です。


前日は,緊張から,なかなか眠くならないものです。そのため,眠くなるのを待っていたら,朝になってしまうかもしれません。


そこで重要なのが,前々日の過ごし方です。


日曜日に起きる時間は,5時だとします。


金曜日もその時間に起きます。おそらく普段よりも早い時間でしょう。

そのために,金曜日の夜はいつもよりも眠くなります。


前日に寝る時間(例えば21時)に寝ることができます。この時点で少しずれていても大丈夫です。


土曜日も日曜日に起きる時間と同じ時間に起きます。


そうすると,土曜日の夜は,眠くなるので,予定通りの時間に寝ることが可能です。


前日に早く寝ようと思ってもなかなか難しいですが,2日使えば整います。


本当は,一週間くらい前から,準備していきたいところですが,日常生活があるので,なかなかできないものです。


2日あれば,体は整います。


公認心理師の問題をもう一つ紹介します。


第2回・問題152

58歳の男性A。Aは仕事の繁忙期に寝つきが悪くなり、近所の内科で2か月前から睡眠薬を処方され服用していた。最近入床から1時間以上たっても眠れない日が増え、中途覚醒も認められるようになった。日中の疲労感が強くなってきたため、心療内科を受診した。不眠以外の精神疾患や身体疾患は認められず、主治医から公認心理師に心理的支援の指示があった。

 Aへの対応として、適切なものを2つ選べ。

① 認知行動療法を勧める。

② 筋弛緩法を実践するように勧める。

③ これまでよりも早めに就床するように勧める。

④ 中途覚醒した際に寝床に留まるように勧める。

⑤ 夜中に起きた際には時計で時刻を確認するように勧める。


これに関しては,少し解説します。


① 認知行動療法を勧める。

② 筋弛緩法を実践するように勧める。


この2つが正解です。

①が正解なのは,不眠患者には「眠らなければ・・・」という認知がみられるためです。

ここからのアドバイスとしては,眠れなくても「眠らなければ・・・」と思わないようにすることです。


②が正解なのは,リラクセーションによって体の緊張を解きほぐすことができるためです。

ここからのアドバイスは,軽いストレッチなどをすることです。普段行わない人は,ユーチューブにいろいろな動画があるので,それを参考にしてみるのも良いでしょう。


ただし,これも前日のみではなく,前々日からやってみることが大切です。


③ これまでよりも早めに就床するように勧める。


これはだめですね。基本は「眠くなってから」です。

眠くなるためには,前々日の朝がとても大切です。


④ 中途覚醒した際に寝床に留まるように勧める。


途中覚醒しても再び眠りにつくことができる人は,これでもよいかもしれません。

不眠症の人は,寝床にとどまっていると,「眠らなければ・・・」と考えてしまうので,不適切です。


⑤ 夜中に起きた際には時計で時刻を確認するように勧める。


時計で時間を確認すると,時間が気になってしまいます。目覚ましをかけていれば,時間を意識することなく,安心できます。


途中覚醒しても時計は見ないようにします。



試験会場に持って行く参考書など


前日は,会場に近いところに宿泊する人もいるでしょう。


家から何を持って行くかは,もう決めていることと思います。


一夜漬けタイプの勉強で臨む試験なら,試験直前まで参考書を開いていても,学習効果があると思います。


ネットで情報をみると,試験直前の最後に確認したことが国家試験に出題されて,その1点で合格した,といった話をされている人もいます。


それはそれで正しいと思いますが,前日および当日は,リラックスすることを重視することも大切です。


というのは,私たちも試験前日,そして会場に向かう途中で,参考書を読んでいましたが,緊張で,文字を追っているだけで,頭に入ってこなかったからです。


その経験があるので,「試験直前の最後に確認したことが国家試験に出題されて,その1点で合格した」という人は,すごいなあ,と素直に感心します。


試験前に知識があいまいなものは,今まで何度も勉強してもその状況であることを考えると,直前に挽回するのは難しいように思いますが,どう思いますか?


だからと言って,何も持って行かないのも不安なので,最低限のものだけにすると良いように思います。


当日の朝は,電車などで会場に向かう人と一緒になると思いますが,周りの人はとても賢そうに見えるものです。


会場に向かう途中,そして,会場に入って席に座っても,参考書などを開かずに,人間ウォッチしてみるのも良いと思います。


参考書にきれいにマーカーを引いていても,参考書に折り目があまりついていなかったり,メモ書きがなかったりしている人は,マーカーを引くだけの勉強で,おそらく頭に残っていないでしょう。


それを知らないと,いかにも勉強して今日に臨んでいます,といった感じに見えて,圧倒されてしまいます。


これまで,勉強を積み重ねてきた人は,試験当日の朝に何もせずとも,これまでの貯金で十分戦えると思います。


※今日の問題はお休みします。

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