社会福祉士の国家試験は,1月下旬~2月上旬に実施されています。近年は2月上旬に実施され,3月上旬に合格発表があります。
天候が良くない季節にもかかわらず,これまで,天候不順によって,追試験が実施されたことは一度もありません。
受験される方々の日ごろの行いがとても良いのかもしれません。
しかし,これまででたった一度だけ追試験が実施されたことがあります。
平成7年(1995年)1月に発生した阪神淡路大震災によって,第7回国家試験は追試験が実施されています。
国家試験の実施機関である社会福祉振興・試験センターでは,不測の事態に備えて,正と副の2種類の国試問題を準備しています。もしかすると副の副の問題も用意しているかもしれません。
これから何が起きるか分かりませんが,今のところ,無事に受験できることにお礼の気持ちを持って,国家試験会場に向かってほしいと思います。
私たちチームfukufuku21は,この問題も含めて,公開されている問題すべての情報を持っています。(第1・2回の問題は非公開)
その中には,もちろんたった1回のみ実施された追試験問題もあります。今となっては,幻と言ってもよいくらいのものでしょう。
社会学では,次のような問題がありました。
第7回・問題117(追試験)
産業社会の進行に伴って,社会的連帯に変化が生じ,「アノミー」(anomie)状況が出現する点に着目して,これの解明にあたったのはだれか。正しいものを一つ選びなさい。
1 テンニース(Tonnies,F.)
2 ヴェーバー(Weber,M.)
3 コント(Comte,A.)
4 デュルケム(Durkheim,E.)
5 スペンサー(Spencer,H.)
正解は,「4 デュルケム(Durkheim,E.)」です。
何とも単純な問題です。しかし,近年,社会学では,このタイプの問題が復活してきています。
第31回・問題20
社会的行為の主観的意味を理解することを通して,その過程及び結果を説明しようとする考え方を表す用語として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 合理的選択理論
2 主意主義的行為
3 理解社会学
4 コミュニケーション的行為
5 社会システム論
正解は,「3 理解社会学」です。
第32回・問題19
次のうち,パーソンズ(Parsons,T.)の社会的行為論として,正しいものを1つ選びなさい。
1 コミュニケーション的行為論
2 交換理論
3 集合行動論
4 象徴的相互作用論
5 主意主義的行為理論
正解は,「5 主意主義的行為理論」です。
〈今日の注意ポイント〉
社会学を苦手とする人は多いですが,このような単純な出題もあるので,苦手とは思わずに,しっかり学んでほしいと思います。
人名やカタカナ用語は覚えにくいですが,それはほかの人も一緒です。
今日の紹介した問題のように,この科目は意外と単純な問題が出題されるので,ポイントをちょっと押さえると,すぐに実力に変わります。