里親家庭を描いた榮倉奈々さんが主演を務めたNHKの朝ドラ「瞳」(2008年前期放送)は,朝ドラの平均視聴率では,低い方から3番目だそうです。
里親というテーマが国民の興味をひかなかったためなのかはわかりませんが,子どもたちとの触れ合いを通して,ヒロインが成長していく姿が描かれました。
今後は,里親という名前の変更が検討されることになっているので,それが決まれば,後世の人たちは,里親と聞いてもピンとこなくなるかもしれません。
さて,今日のテーマは,里親制度です。
国は,里親への委託率を上げる方針を掲げているために,里親制度は国家試験においても極めて重要です。しっかり押さえておきたいです。
それでは,今日の問題です。
第32回・問題138
児童福祉法に基づく里親制度に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 里親には,養育里親,養子縁組里親,親族里親,週末里親の4種類がある。
2 里親となることを希望する者に配偶者がいなくても,都道府県知事が認めれば里親として認定される。
3 全ての里親希望者は必要な研修を受講することが義務づけられている。
4 一人の里親希望者に対して,異なった種類の里親を重複して認定することはできない。
5 里親への委託が開始される児童の年齢は,12歳未満と定められている。
なかなかの難問です。
消去法で何とか正解できるタイプの問題かもしれません。
今は参考書に書いてあるので,そんなに難しく感じないはずです。
しかし,国家試験は,実はとても難しい問題を含んでいることを忘れてはなりません。
それでは解説です。
1 里親には,養育里親,養子縁組里親,親族里親,週末里親の4種類がある。
現在の里親の種類は,
・養育里親
・養子縁組里親
・親族里親
・専門里親
の4種類です。
今後は,また新しい制度になる予定ですが,現時点のものは確実に押さえておきたいです。
2 里親となることを希望する者に配偶者がいなくても,都道府県知事が認めれば里親として認定される。
これが正解です。
これは通知により出されているものです。そのためにこの問題をとても難しくしている理由です。
3 全ての里親希望者は必要な研修を受講することが義務づけられている。
親族里親は,研修を受ける義務はありません。
4 一人の里親希望者に対して,異なった種類の里親を重複して認定することはできない。
一人の里親希望者に対して,異なった種類の里親を重複して認定することができます。
5 里親への委託が開始される児童の年齢は,12歳未満と定められている。
里親への委託が開始される児童の年齢は,18歳未満です。
〈今日の注意ポイント〉
里親制度は重要である割には,国家試験での出題は,思ったほど多くありません。
過去問だけでは知識不足になるので,参考書に書かれたものを必ず押さえておくことが必要です。