以前は,社会福祉士の国家試験は,介護福祉士と同じ日程で行われていましたが,現在は,介護福祉士のほうが一週間早く行われるようになっています。
ということで,一足早く実施された第36回の介護福祉士の国家試験問題を見てみたいと思います。
第36回・問題8
特定非営利活動法人(NPO法人)に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 社会福祉法に基づいて設置される。
2 市町村が認証する。
3 保健,医療又は福祉の増進を図る活動が最も多い。
4 収益事業は禁じられている。
5 宗教活動を主たる目的とする団体もある。
社会福祉士の国家試験で出題されても良いような問題です。
答えは,選択肢3です。
3 保健,医療又は福祉の増進を図る活動が最も多い。
約6割が,「保健,医療又は福祉の増進を図る活動」です。
ちょっと変わった問題としては,改正道路交通法がありました。
第36回・問題39
高齢者の自動車運転免許に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 75歳から免許更新時の認知機能検査が義務づけられている。
2 80歳から免許更新時の運転技能検査が義務づけられている。
3 軽度認知障害(mild cognitive impairment)と診断された人は運転免許取消しになる。
4 認知症(dementia)の人はサポートカー限定免許であれば運転が可能である。
5 認知症(dementia)による運転免許取消しの後,運転経歴証明書が交付される。
(注)「サポートカー限定免許」とは,道路交通法第91条の2の規定に基づく条件が付された免許のことである。
これはちょっと解説します。
1 75歳から免許更新時の認知機能検査が義務づけられている。
これが正解です。75歳以上の高齢者が更新する時には,認知機能検査を受けなければなりません。
2 80歳から免許更新時の運転技能検査が義務づけられている。
運転技能検査を受けなければならないのは,75歳以上信号無視などの一定の違反歴のある人です。
3 軽度認知障害(mild cognitive impairment)と診断された人は運転免許取消しになる。
運転免許取消しになるのは,認知症のある場合です。軽度認知障害(MCI)では取消しとはなりません。
4 認知症(dementia)の人はサポートカー限定免許であれば運転が可能である。
認知症の人は,免許取消しとなります。サポートカー限定免許は,交付されません。
5 認知症(dementia)による運転免許取消しの後,運転経歴証明書が交付される。
免許を自主返納した場合は,運転経歴証明書は交付されますが,認知症で取消しとなった場合は,交付されません。
<今日の注意ポイント>
自動車運転免許の問題は,制度を知らないと難しく感じるかもしれません。
しかし,この問題自体を正解するのは,決して難しくありません。
なぜなら,関連する内容のものが一緒に出題されているためです。
1 75歳から免許更新時の認知機能検査が義務づけられている。
2 80歳から免許更新時の運転技能検査が義務づけられている。
年齢が75歳と80歳になっています。そのために75歳,つまり後期高齢者になると何かがあるのだと推測可能です。70歳では早いですし,80歳では遅すぎると考えることもできます。
選択肢5が引っ掛かるかもしれませんが,それが分からなくてもこの問題は正解できるところが国家試験の不思議なところです。