タクソノミーⅡ型・タクソノミーⅢ型の出題は受験者を苦しめますが,確実な知識があれば,何の問題もなく,多くの問題は正解できるはずです。
知識がある人でも解けない問題は,誰も解けないので,その分,合格基準点が下がります。
第35回・問題58 事例を読んで,これからの生活においてLさんが利用可能な「障害者総合支援法」に基づく障害福祉サービスとして,適切なものを2つ選びなさい。
〔事 例〕
Lさん(30歳)は,視覚障害により障害等級1級の身体障害者手帳の交付を受けている。慣れた場所では白杖を利用し単独で歩行でき,日中は一般就労に従事している。これまで実家暮らしで家族から介護を受けてきたが,職場近くの賃貸住宅を借り,そこで一人暮らしをしようと準備している。これからは,趣味や外食のため,行ったことがない所にも積極的に外出したいと考えている。Lさんの障害支援区分は3で,調理,洗濯,掃除等の家事援助を必要としている。
1 居宅介護
2 重度訪問介護
3 同行援護
4 行動援護
5 重度障害者等包括支援
これは,制度系のタクソノミーⅡ型です。
もしかすると,これがタクソノミーⅢ型かもしれません。
タクソノミーⅡ型とタクソノミーⅢ型の違いは,思考する回数です。
タクソノミーⅡ型は,1回であるのに対して,タクソノミーⅢ型は,2回です。
この問題の場合は,事例を読んで,1回目の思考をして,それぞれの選択肢を読んで,知識を想起し,もう一度,事例に戻れば,2回目の思考をすることになります。
これがタクソノミーⅢ型であるとすれば,問題の難易度は,Ⅲ型はⅡ型とそれほど変わらないかもしれません。
いずれにせよ,確実な知識があれば攻略できるので,決して恐れることはありません。
この問題の正解は,選択肢1と3です。
選択肢1の「居宅介護」は,「調理,洗濯,掃除等の家事援助を必要としている」という福祉ニーズに対応するものです。
選択肢3の「同行援護」は,「行ったことがない所にも積極的に外出したいと考えている」という福祉ニーズに対応するものです。