プロセス評価は,政策やサービスのプログラムが提供される過程を評価するものです。
プロセス指標は,プロセス評価を行う際に用いる評価基準です。
それでは,今日の問題です。
第27回・問題47 福祉計画・医療計画などの策定技法と評価に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 介護保険法では,介護保険事業計画におけるニーズ調査とは,介護サービスの利用者を対象とした調査とされている。
2 市町村障害福祉計画においては,障害福祉サービスの種類ごとの量の見込みは定めなくてよいとされている。
3 医療計画におけるプロセス指標とは,実際にサービスを提供する主体の活動や,他機関との連携体制を測る指標のことである。
4 インプット指標とは,要支援状態から要介護状態への移行をどの程度防止できたかなどの事業成果に関する指標のことである。
5 福祉計画などの評価に用いる費用・効果分析においては,効果は金銭の単位で測定されなければならない。
この問題は,正解以外は消去できるものが多いので,そんなに難しくないかもしれません。
悩むのは,選択肢1と3と5でしょう。
正解は,選択肢3です。
3 医療計画におけるプロセス指標とは,実際にサービスを提供する主体の活動や,他機関との連携体制を測る指標のことである。
実際の活動内容を測るのがプロセス指標です。
プロセスは過程の意味なので,目標に至る過程と意味をつなげて覚えると良いでしょう。
それでは,ほかの選択肢を確認します。
1 介護保険法では,介護保険事業計画におけるニーズ調査とは,介護サービスの利用者を対象とした調査とされている。
ニーズというと,利用者のニーズを連想することができるので,引っ掛けで出題したものて゜す。
介護保険事業計画におけるニーズ調査とは,被保険者のニーズを指しています。
2 市町村障害福祉計画においては,障害福祉サービスの種類ごとの量の見込みは定めなくてよいとされている。
定めなくてよいものを出題することに意味を見いだすことができません。
4 インプット指標とは,要支援状態から要介護状態への移行をどの程度防止できたかなどの事業成果に関する指標のことである。
インプット指標は,どれだけの資源を投入したのかを測るものです。インプットから連想できるでしょう。
5 福祉計画などの評価に用いる費用・効果分析においては,効果は金銭の単位で測定されなければならない。
効果を金銭で表わすことができないものもあるでしょう。投入した費用に対してどのくらい(どのような)効果があったかを分析するのが費用・効果分析です。
「どのくらい」なら,もしかすると効果を金銭の単位で測定することもできるものもあるかもしれません。しかし「どのような」は,金銭の単位で測定するのは困難です。
例えば,建物を改修することで,利用者の快適性をアップさせることを考えた場合,満足度を金銭で表わすことは困難です。