第37回の社会福祉士国家試験から,令和元年度カリキュラムに変わります。
それほど大きな変更はありませんが,少しずつ新しいものが加わっています。
精神保健福祉士の問題にヒントとなるものがあります。
精神保健福祉士の第25回・問題22 次の記述のうち,社会福祉士及び介護福祉士法制定の背景として,適切なものを1つ選びなさい。
1 社会福祉基礎構造改革の議論が行われ,個人の多様な需要に対し,地域での総合的な支援のための人材が求められた。
2 障害福祉サービスにおいて,ケアマネジメントを用いた生活支援を展開するための人材が求められた。
3 増大する介護需要に対応するために,老人,身体障害者等に関する福祉に対する相談や介護を依頼することができる専門的能力を有する人材が求められた。
4 福祉三法が整備される中,各都道府県等に社会福祉行政を担当する人材を配置することが求められた。
5 高齢者が住み慣れた地域で自立した生活を営めるよう,地域包括ケアシステムの構築を推進する人材が求められた。
社会福祉士及び介護福祉士法は,社会福祉士の根拠法ですが,どのような背景によってできたのかは知らない人が多いのではないかと思います。
正解は,選択肢3です。
3 増大する介護需要に対応するために,老人,身体障害者等に関する福祉に対する相談や介護を依頼することができる専門的能力を有する人材が求められた。
社会福祉士及び介護福祉士法が制定されたのは,1987年・昭和62年です。
高齢化率14%以上の高齢化社会になることが予測される中,介護を担う人材が求められていました。
実は,昭和40年代には,すでに社会福祉士法を制定しようという動きがありましたが,さまざまな思惑の中,制定には至らず,このタイミングで介護の専門職(つまり介護福祉士)の抱き合わせで社会福祉士が誕生しました。
それはさておき・・・
増大する介護需要に対応するために,老人,身体障害者等に関する福祉に対する相談や介護を依頼することができる専門的能力を有する人材が求められたことが社会福祉士の誕生の背景です。
これは,社会福祉士の国家試験にはまだ出題されたことはありませんが,そのうち,必ず出題されます。
しっかり覚えておきたいです。