2023年2月21日火曜日

結局は・・・繰り返し・・・繰り返し・・・繰り返し・・・∞

日本の社会保障制度の中心は,社会保険制度です。

 

日本の社会保険制度は,終戦前にできたものと終戦後にできたものがあります。

 

終戦前にできたものは,

 

・健康保険

・国民健康保険

・厚生年金

 

の3つです。

 

戦後,これらを使って,皆保険・皆年金がつくり上げられました。

 

社会保障制度には,社会保険だけではなく税を財源とする社会扶助があります。

 

それでは,今日の問題です。

 

32回・問題49 日本の社会保障制度の歴史的展開に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 1950年(昭和25年)の社会保障制度審議会の勧告では,日本の社会保障制度は租税を財源とする社会扶助制度を中心に充実すべきとされた。

2 1961年(昭和36年)に国民皆保険が実施され,全国民共通の医療保険制度への加入が義務づけられた。

3 1972年(昭和47年)に児童手当法が施行され,事前の保険料の拠出が受給要件とされた。

4 1983年(昭和58年)に老人保健制度が施行され,後期高齢者医療制度が導入された。

5 1995年(平成7年)の社会保障制度審議会の勧告で,介護サービスの供給制度の運用に要する財源は,公的介護保険を基盤にすべきと提言された。

 

この問題を見て,あれっと思う人もいるでしょう。

 

35回にそっくりの問題が出題されています。

 

国家試験問題は,かなりの部分が繰り返しとなっていますがこれはちょっと近すぎます。

 

正解は,選択肢5です。

 

5 1995年(平成7年)の社会保障制度審議会の勧告で,介護サービスの供給制度の運用に要する財源は,公的介護保険を基盤にすべきと提言された。

 

社会保障審議会の1995年勧告は,これで2回目の出題です。

 

この勧告で,公的介護保険の提言をしたかどうかはわからなくても,時期的には合っています。ちょっと難しめですが,ほかの選択肢は消去できるので,この選択肢が残ります。

 

それではほかの選択肢も確認します。

 

1 1950年(昭和25年)の社会保障制度審議会の勧告では,日本の社会保障制度は租税を財源とする社会扶助制度を中心に充実すべきとされた。

 

日本の社会保障制度の中心は,社会保険制度です。

 

1950年勧告で示されたものを脈々と受け継いでいると言えるでしょう。

 

2 1961年(昭和36年)に国民皆保険が実施され,全国民共通の医療保険制度への加入が義務づけられた。

 

過去の出来事は,過去のことではなく,「今」につながっています。

 

今でも医療保険制度は,単一の制度とはなっていません。

 

3 1972年(昭和47年)に児童手当法が施行され,事前の保険料の拠出が受給要件とされた。

 

児童手当は,税を財源とする社会扶助です。社会保険と異なり,保険料は財源とされません。

 

4 1983年(昭和58年)に老人保健制度が施行され,後期高齢者医療制度が導入された。

 

後期高齢者医療制度ができたのは,2005(平成17),老人保健法が改正されて,「高齢者医療確保法」になったときです。

 

〈今日の一言〉

 

国家試験は,少しずつ重なっていて,少しずつ違う

 

35回・問題49 日本の社会保障の歴史に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 社会保険制度として最初に創設されたのは,健康保険制度である。

2 社会保険制度のうち最も導入が遅かったのは,雇用保険制度である。

3 1950年(昭和25年)の社会保障制度審議会の勧告では,日本の社会保障制度は租税を財源とする社会扶助制度を中心に充実すべきとされた。

4 1986年(昭和61年)に基礎年金制度が導入され,国民皆年金が実現した。

5 2008年(平成20年)に後期高齢者医療制度が導入され,老人医療費が無料化された。

 

32回・問題49 日本の社会保障制度の歴史的展開に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 1950年(昭和25年)の社会保障制度審議会の勧告では,日本の社会保障制度は租税を財源とする社会扶助制度を中心に充実すべきとされた。

2 1961年(昭和36年)に国民皆保険が実施され,全国民共通の医療保険制度への加入が義務づけられた。

3 1972年(昭和47年)に児童手当法が施行され,事前の保険料の拠出が受給要件とされた。

4 1983年(昭和58年)に老人保健制度が施行され,後期高齢者医療制度が導入された。

5 1995年(平成7年)の社会保障制度審議会の勧告で,介護サービスの供給制度の運用に要する財源は,公的介護保険を基盤にすべきと提言された。

 

5つの選択肢のうち,3つが同じことを取り上げています。

 

1950年勧告に至っては,まったく同じ文章です。まったく同じ文章で出題されるのは,極めてレアです。

 

国家試験に出題されているものの多くは,過去にも出題しているものを,「手を変え,品を変え」出題し,そのほかに新しいものを混ぜます。

 

勉強してきたものの知識を使って,消去しながら答えにたどりつくことができるのが今の国家試験です。


決して難しいものを出題せずとも,知識不足だと消去することができないので,正解できません。そのようにして,受験者はふるいにかけられていきます。


これが今の国家試験です。

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