第1位 役割期待
第2位 役割距離
第3位 役割取得
第4位 役割葛藤
の4つです。
今回は,役割葛藤を紹介します。
役割葛藤とは
役割に対して葛藤すること
役割葛藤を細かく分けると
役割内葛藤と役割間葛藤があります。
役割内葛藤とは,一つの役割の中で葛藤すること。
例としては,
子どもが,父親からスポーツに力を入れること,母親から学業に力を入れることをそれぞれ期待されて,葛藤することなどがあります。
役割間葛藤とは,複数の役割に対して葛藤すること。
例としては,
母親が仕事と子育ての役割の間で葛藤することなどがあります。
それでは,役割葛藤に関する問題を確認しましょう。
■祖父母に期待される役割と両親に期待される役割が一致して,子どもにとって強い圧力となる場合に生じる心理的緊張を「役割葛藤」と呼ぶことができる。
役割葛藤は,役割期待が一致しないために起きます。よって間違いです。
■親と子ども,ソーシャルワーカーと利用者などのように,立場性の異なる者の間で役割の分担や調整がうまくいかないことを,「役割葛藤」という。
役割葛藤は,役割に対して葛藤することです。一人の人が,親,子ども,ソーシャルワーカー,利用者という複数の役割を有している場合,それぞれの役割期待に対して葛藤することが役割葛藤です。よって間違いです。
この場合は,複数の役割に対して葛藤しているので,役割間葛藤ということになります。
第29回では1問まるごと出題されてこともあります。
役割葛藤の説明に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 幼少期での役割取得において発達上の困難を経験すること
2 他者からの役割期待に応えようとして過度の同調行動をとること
3 一定の場面にふさわしく見える自分を演技によって操作すること
4 他者からの役割期待と少しずらした形で行動すること
5 保有する複数の役割間の矛盾や対立から,心理的緊張を感じること
正解は,5です。
役割葛藤をしっかり理解していたら,すぐこれが正解だと分かりますが,理解不足の人にとっては,すべてが役割葛藤に思えたことでしょう。
国試では,こういった問題を確実に得点できることが,合格基準点を超えることにつながります。
第29回の問題は,
1は,発達危機
2は,過剰適用
3は,印象操作
4は,役割距離
5が,正解の役割葛藤です。
次回は,社会的役割に関連する問題を解説していきます。