2018年4月15日日曜日

世帯・家族に関する出題確率は,55.6%

「社会理論と社会システム」は,さまざまな問題が出題されるため,何度も繰り返して出題されているものは多くありません。

その中で,今回取り上げる世帯は,現行カリキュラム9回中,5回の出題なので,55.6%の出題確率です。

出題されたのは,第23回,第25回,第26回,第27回,第30回となります。

続けて出るのは少ないという傾向から考えると,第30回に出題されているので,第31回に続けて出題される可能性は低いと言えるでしょう。

しかし過去実績では,3年連続して出題されたこともあるので,覚えておく優先度はこの科目の中では,トップクラスのものです。

出題のポイントは2つです。

①世帯の知識を問うもの 第23回,第25回,第27回
②世帯の動向を問うもの 第26回,第30回

このように分かれます。

①世帯の知識を問うもの
②世帯の動向を問うもの

2つとも覚えておきたいものではありますが,優先させたいのは「①世帯の知識を問うもの」です。

世帯とは,

国民生活基礎調査 住居及び生計を共にする者の集まり又は独立して住居を維持し,若しくは独立して生計を営む単身者

国勢調査(一般世帯)
住居と生計を共にしている人の集まり又は一戸を構えて住んでいる単身者(これらの世帯と住居を共にする単身の住み込みの雇人も同一世帯)
上記の世帯と住居を共にし,別に生計を維持している間借りの単身者又は下宿屋などに下宿している単身者
会社・団体・商店・官公庁などの寄宿舎,独身寮などに居住している単身者

国民生活基礎調査と国勢調査では,少し定義が違っています。
しかし,共通するのは以下の通りです。
①住居及び生計を共にする者の集まり
②独立して生計を維持している単身者

覚えておきたいポイント

世帯は,住居と生計を共にする者の集まりなので,この定義に当てはまると家族以外も同一世帯となる。
家族であっても,別の世帯になることもある。

さて,それでは今日の問題です。

第27回・問題18 家族と世帯に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 世帯とは,主として家計と住居を同じくする人々からなる集団である。
2 世帯には非親族員は含まない。
3 国勢調査の調査単位は,世帯ではなく家族である。
4 同一家族メンバーが,複数の世帯に分かれて暮らすことはない。
5 家族と暮らしていない単身者は,準世帯と定義される。

いきなり答えが分かってしまう問題でしょう。

しかし,それは知識があるから答えが分かるのであって,知識があいまいだとこの手の問題でも間違うことがあります。

その数点の差が合否を分けると言っても良いでしょう。

それでは解説です。

1 世帯とは,主として家計と住居を同じくする人々からなる集団である。

これが正解です。


2 世帯には非親族員は含まない。

家計と住居を同じくしていれば,住み込みの雇人も同一世帯となります。よって間違いです。

3 国勢調査の調査単位は,世帯ではなく家族である。

国勢調査の調査単位は,世帯です。

もし家族が正解なら,

国勢調査の調査単位は,家族である。

という文章で事足ります。

わざわざ「世帯ではなく」を加えているところに着目するのが,この手の選択肢の攻略ポイントです。


4 同一家族メンバーが,複数の世帯に分かれて暮らすことはない。

この選択肢の元ネタがあります。

同一家族のメンバーが,複数の世帯に分かれて暮らすことがある。 (第23回・問題18・選択肢1)

これは正解です。

正解の文章を不正解にして間違い選択肢を作るのは,試験委員の常とう手段ですが,まったく同じ表現で作成しているところを見るともしかすると同じ試験委員が作成したものかもしれません。

5 家族と暮らしていない単身者は,準世帯と定義される。

家族と暮らしていない単身者は,世帯と定義されます。よって間違いです。

「準世帯」と聞いてびっくりした人もいるかもしれません。実は1980年の国勢調査まで,一般世帯と準世帯がありましたが,1985年から現行の定義に変わっています。

このような問題があると過去のものも勉強しなければならないのか,と思う人もいるかもしれません。

そこが迷い道に入る原因となるので注意が必要です。


覚えておきたいポイント

世帯は,住居と生計を共にする者の集まりなので,この定義に当てはまると家族以外も同一世帯となる。

家族であっても,別の世帯になることもある。

あとは,この派生です。

想像力が必要です。


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