2025年4月13日日曜日

注意欠如・多動症(ADHD)について

今回は,注意欠如・多動症(ADHD)を学びます。


症状は,「不注意」,「多動性・衝動性」があります。


男女差では,多動性・衝動性は,女子よりも男子の方が多く,不注意には,男女差はみられません。


それでは,今日の問題です。


第35回・問題7

注意欠如・多動症(ADHD)に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 学童期の有病率はおよそ20%とされている。

2 多動性の症状は,青年期及び成人期には改善することが多い。

3 学校での症状が主であり,家庭では症状がみられないことが多い。

4 精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM-5)では,4歳以前に症状があることを診断基準としている。

5 治療としては,薬物療法が第一選択となることが多い。


難易度は,高めの問題です。


それでは,解説です。


1 学童期の有病率はおよそ20%とされている。


学童期の有病率は,5~15%程度です。


2 多動性の症状は,青年期及び成人期には改善することが多い。


これが正解です。不注意の症状は,大人になっても変わりませんが,多動性の症状は,大人になるにつれて改善する傾向があります。


3 学校での症状が主であり,家庭では症状がみられないことが多い。


ADHDの診断基準には,「少なくとも2つ以上の状況(例,家庭および学校)でみられる」があります。


4 精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM-5)では,4歳以前に症状があることを診断基準としている。


ADHDは,4歳前に発症する子もいますが,診断基準では,「12歳前に(少なくともいくつかの症状が)みられる」があります。


5 治療としては,薬物療法が第一選択となることが多い。


ADHDの治療には,メチルフェニデート(脳のドーパミンの増加作用のある薬剤)などの薬物療法が行われます。

しかし,治療には,薬物療法と非薬物療法を組み合わせて実施します。


非薬物療法には,SST(社会生活技能訓練),認知行動療法などがあります。

さらには,環境調整(不要な刺激を減らす)なども実施されます。

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