今回は,傍観者効果を学びます。
〈傍観者効果〉
それでは,今日の問題です。
第35回・問題10
集団における行動に関する次の記述のうち,傍観者効果の事例として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 作業をするときに見学者がいることで,一人で行うよりも作業がはかどった。
2 革新的な提案をチームで議論したが,現状を維持して様子を見ようという結論になってしまった。
3 路上でケガをしたために援助を必要とする人の周囲に大勢の人が集まったが,誰も手助けしようとしなかった。
4 チームで倉庫の片付けに取り組んだが,一人ひとりが少しずつ手抜きをした結果,時間までに作業が完了せず,残業になってしまった。
5 リーダーがチームの目標達成を重視しすぎることで,チームの友好的な雰囲気が損なわれ,チームワークに関心がないメンバーが増えてしまった。
この問題スタイルは,タクソノミーⅡ型です。
傍観者効果とはどのようなものかを知っていることを前提として,各選択肢に当てはめてみて考えることで答えを出します。
このような問題スタイルには,丸暗記勉強は点数に結びつきにくいので,このような過去問を解きながら,例を考えられるようになりたいです。
正解は,選択肢3です。
3 路上でケガをしたために援助を必要とする人の周囲に大勢の人が集まったが,誰も手助けしようとしなかった。
それでは,今日の問題を整理します。
1 作業をするときに見学者がいることで,一人で行うよりも作業がはかどった。 |
社会的促進 |
2 革新的な提案をチームで議論したが,現状を維持して様子を見ようという結論になってしまった。 |
コーシャスシフト |
3 路上でケガをしたために援助を必要とする人の周囲に大勢の人が集まったが,誰も手助けしようとしなかった。 |
傍観者効果 |
4 チームで倉庫の片付けに取り組んだが,一人ひとりが少しずつ手抜きをした結果,時間までに作業が完了せず,残業になってしまった。 |
社会的手抜き |
5 リーダーがチームの目標達成を重視しすぎることで,チームの友好的な雰囲気が損なわれ,チームワークに関心がないメンバーが増えてしまった。 |
PM理論のPm型 |
最後のPM理論を説明します。
この理論の提唱者は,大阪大学教授などを務められた三隅二不二先生(故人)です。
リーダーシップ行動の2つの側面に着目したものです。
P行動(目標達成に向けた行動)=P機能
M行動(集団維持に向けた行動)=M機能
PM理論では,それぞれの行動の強弱によって,pm型,Pm型,pM型,PM型に分類し,そのうちP行動もM行動も強いPM型のリーダーシップが最も優れているとされています。