今回は,内発的動機づけと外発的動機づけを学びます。
内発的動機づけ |
外発的動機づけ |
自分の興味・関心,つまり知的好奇心を満たそうと行動すること。 |
外的要因によって動機づけられること。 ※外的要因 怒られる,ほめられる,無視される,何かをくれる,など。 |
それでは,今日の問題です。
第35回・問題8
次の記述のうち,内発的動機づけとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 大学の入試の要件となっているため,英語外部検定を受検した。
2 叱責されないように,勉強に取り掛かった。
3 授業中,寒いので,窓を閉めた。
4 お腹が減ったので,席を立って食事に行った。
5 投資に偶然興味を持ったので,勉強した。
この問題は,内発的動機づけを選ぶものなので,「自分の興味・関心」に基づいているものを探します。
それでは,解説です。
1 大学の入試の要件となっているため,英語外部検定を受検した。
受験した理由は大学に入学するためという理由なので,外発的動機づけです。
内発的動機づけなら,英語の勉強が楽しいので,英語外部検定を受検した,となります。
2 叱責されないように,勉強に取り掛かった。
勉強に取り掛かった理由は,叱責されたくない,という気持ちからなので,外発的動機づけです。
内発的動機づけなら,勉強に興味をもったので,勉強した,となります。
3 授業中,寒いので,窓を閉めた。
4 お腹が減ったので,席を立って食事に行った。
この2つは,内発的動機づけでも外発的動機づけでもありません。
これらは,マズローの欲求階層説で説明できます。
選択肢3の「寒い」は,生命の危機を避けるため,と考えると「安全・安定の欲求」だと言えるでしょう。
選択肢4の「お腹が減った」は,生理的欲求だと言えるでしょう。
5 投資に偶然興味を持ったので,勉強した。
これが正解です。
勉強する理由が,興味をもった,という理由なので,内発的動機づけです。
投資の勉強を始めた理由が「お金を儲けたい」という理由なら,外発的動機づけとなります。
〈今日の一言〉
今日のような問題のスタイルは,知識を前提にして考えることで答えるタクソノミーⅡ型です。
知識がそのまま答えになるタクソノミーⅠ型よりも高度な問題です。
タクソノミーⅡ型の問題は,知識がなければ正解することができません。
知識偏重の国家試験から応用力を養成する国家試験に変貌しつつあります。
しかし,高度な問題であっても,攻略は可能です。
こういった問題を解くときは,解説に書いたように「外発的動機づけなら,どうなるのだろう」と考えてみると良いと思います。
セット入れ替え作問法対策の記事も参考にしてください。