日本語の特徴は,漢字と仮名が組み合わされているところです。
同音異義語が多いので,外国人にとっては,話すことはできても漢字を使って文章を書くのはかなり難しい言語だと言えるでしょう。その熟語を知らなくても分かる可能性があります。特に理論系科目はよくあります。
さて,今日のテーマは,共同注意です。
共同注意とは,例えば親の視線を乳児も追うことを言います。
それでは,今日の問題です。
第35回・問題11
子どもの発達に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 共同注意とは,他者との友情を構築することを示す。
2 初語を発する時期になると,喃語が生起する。
3 社会的参照は,新奇な対象に会った際に,養育者などの表情を手掛かりにして行動を決める現象である。
4 アニミズムとは,自分や他者の行動を予測し,説明する力を指す。
5 物体が隠れていても存在し続けるという「対象の永続性」は,3歳以降に理解できるようになる。
今日のテーマの「共同注意」は,選択肢1に出題されています。
1 共同注意とは,他者との友情を構築することを示す。
共同注意という言葉から「他者との友情を構築すること」はつながりそうもありません。
もちろん誤りです。
それでは,ほかの選択肢の解説です。
2 初語を発する時期になると,喃語が生起する。
意味のある言葉である初語が出てくるのは,1歳くらいからです。
意味のない「あー」といった発声である「喃語」が出てくるのは,6か月くらいからです。
つまり出てくる順番は,
喃語 → 初語
ということになります。
3 社会的参照は,新奇な対象に会った際に,養育者などの表情を手掛かりにして行動を決める現象である。
これが正解です。
4 アニミズムとは,自分や他者の行動を予測し,説明する力を指す。
アニミズムとは,人以外の物などに生命が宿っていると思考することをいいます。
5 物体が隠れていても存在し続けるという「対象の永続性」は,3歳以降に理解できるようになる。
物体が隠れていても存在し続けるという「対象の永続性」は,ピアジェの発達理論では,感覚運動期(乳乳児期ころ)に獲得されます。