2024年12月7日土曜日

社会資源について

 

今回は,社会資源を学びます。

 

社会資源とは,クライエントの福祉ニーズを充足するために用いられるすべてのものです。

 

フォーマルな社会資源とインフォーマルな社会資源に分けることができます。

 

なお,フォーマルとは「公式な」といった意味です。

 

フォーマルな社会資源

制度化されたもの。

例:介護保険サービス,障害福祉サービスなど。

インフォーマルな社会資源

制度化されていないもの。

例:家族,友人,地域住民,ボランティア,法人が提供する独自のサービスなど。

 

国家試験では,フォーマルな社会資源とインフォーマルな社会資源では,どちらを優先して活用するか,といったことが繰り返し出題されています。

 

さて,どちらを優先すべきなのでしょうか。あるいは,どちらを優先させなければならないのでしょうか。

 

そんな原理や原則は存在しません。

 

クライエントのニーズに沿って,柔軟に活用されるからです。

 

それでは,今日の問題です。

 

30回・問題111

 ソーシャルワークで活用されるインフォーマルな社会資源の特徴に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 制度化されたサービスである。

2 利用者は,一定の手続と受給要件を満たす者に限られる。

3 利用者との私的な人間関係を通して,援助が提供される。

4 フォーマルな社会資源と比べ,提供されるサービスの継続性や安定性は高い。

5 フォーマルな社会資源と比べ,利用者の個別的な状況に対する融通性は乏しい。

 

この問題は,インフォーマルな社会資源の特徴が問われています。

 

家族,友人,地域住民,ボランティア,法人が提供する独自のサービスなどが,インフォーマルな社会資源でしたね。

 

それを押さえたところで,解説です。

 

1 制度化されたサービスである。

 

制度化されたサービスは,フォーマルな社会資源です。

 

2 利用者は,一定の手続と受給要件を満たす者に限られる。

 

利用者が一定の手続と受給要件を満たす者に限られるのは,フォーマルな社会資源です。

 

3 利用者との私的な人間関係を通して,援助が提供される。

 

これが正解です。

 

利用者との私的な人間関係とは,家族,友人,地域住民などを指しているものだと思われます。

 

4 フォーマルな社会資源と比べ,提供されるサービスの継続性や安定性は高い。

 

提供されるサービスの継続性や安定性が高いのは,制度化されたサービスであるフォーマルな社会資源です。

 

5 フォーマルな社会資源と比べ,利用者の個別的な状況に対する融通性は乏しい。

 

利用者の個別的な状況に対する融通性に乏しいのは,制度化されたサービスであるフォーマルな社会資源です。

 

家族や友人なら,無理してでも24時間ずっと付き添ってくれるかもしれません。フォーマルな社会資源では,そうはいきません。皆さんもそうでしょう?

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