今回は,ケアマネジメントモデルを学びます。
主なケアマネジメントモデル
仲介型モデル (ブローカーモデル) |
クライエントのニーズを充足するために,サービスを調整するモデル。 ケアマネジメントのベースとなるもの。 |
リハビリテーションモデル |
リハビリテーションに重点をおいて,サービスを調整するモデル。 |
臨床型モデル |
治療に重点をおいて,サービスを調整するモデル。 |
ストレングスモデル |
クライエントのもつ強み(ストレングス)に着目して,支援するモデル。 |
集中型モデル |
地域で生活する重度精神障害者を24時間365日チームによるアウトリーチ支援を行うACT(包括型地域生活支援プログラム)に代表されるモデル。 緊急対応などが含まれる。 |
それでは,早速今日の問題です。
第28回・問題111
事例を読んで,この場合に適したケースマネジメントのモデルとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
高校生のときに統合失調症を発症したHさんは,10年以上の入院生活が続いており,退院して地域で生活することを望んでいる。両親はすでに他界し兄弟は遠隔地在住で,Hさんの退院後の生活を支援してくれる人はいない。Hさんの症状は不安定で,日常的に服薬管理などの医療サービスや生活全般の見守り・助言,リハビリテーション,就労支援など,様々な支援が必要である。
1 ストレングスモデル
2 リハビリテーションモデル
3 臨床型モデル
4 仲介型モデル
5 ACT(包括型地域生活支援プログラム)モデル
この問題では,ケースマネジメントと出題されていますが,ケアマネジメントとほぼ同義語です。
ケースマネジメントは,主にアメリカで用いられ,ケアマネジメントは主にイギリスで用いられています。
平成19年度カリキュラムでは,「ケースマネジメント(ケアマネジメント)」となっていましたが,令和元年度カリキュラムでは「ケアマネジメント」となっているので,今後は,ケアマネジメントで統一して出題されるのではないかと思います。
さて,この事例のポイントは,「日常的に服薬管理などの医療サービスや生活全般の見守り・助言,リハビリテーション,就労支援など,様々な支援が必要である」ことです。
迷うのは,「服薬管理などの医療サービス」というところでしょう。これがあるために「臨床型モデル」ではないかと考える人もいるかもしれません。
服薬管理は,精神科訪問看護で行います。治療ではありません。
ということで正解は,選択肢4です。
さまざまなサービスを調整するのが「仲介型モデル(ブローカーモデル)」です。