今回は,記録の文体を学びます。
主な記録の文体
項目体 |
クライエントの基本的属性に関する事項を整理して記述する。 |
叙述体 |
経過記録などに用いられ,ソーシャルワーク過程の事実経過を簡潔に記述する。 これをぎゅっと詰めると「圧縮叙述体」となる。 |
要約体 |
出来事の主題に関連して重要度の高いものを整理し,要点をまとめて記述する。 |
説明体 |
出来事に対するソーシャルワーカーの解釈や見解を記述する。 |
逐語体 |
ソーシャルワーカーとクライエントの会話における発言をありのままに再現して記述する。 |
これを覚えたところで今日の問題です。
第33回・問題115
ソーシャルワークの記録に関する次の記述のうち,逐語体の説明として,最も適切なものを1つ選びなさい。
l クライエントの基本的属性に関する事項を整理して記述する。
2 経過記録などに用いられ,ソーシャルワーク過程の事実経過を簡潔に記述する。
3 出来事の主題に関連して重要度の高いものを整理し,要点をまとめて記述する。
4 出来事に対するソーシャルワーカーの解釈や見解を記述する。
5 ソーシャルワーカーとクライエントの会話における発言をありのままに再現して記述する。
先にまとめた表は,この問題を整理したものです。
国家試験では,同じ表現で出題されることはめったにありません。
文章を丸覚えする勉強方法は,言い回しを変えられると対応できなくなります。
それを防止するためには,ポイントを押さえることです。
そこを押さえながら,解説していきます。
l クライエントの基本的属性に関する事項を整理して記述する。
これは項目体です。いわゆるフェイスシートが項目体によって記述されます。
2 経過記録などに用いられ,ソーシャルワーク過程の事実経過を簡潔に記述する。
これは叙述体です。
叙述体は「過程」といった言葉が含まれるので,それを手がかりにして判断します。
3 出来事の主題に関連して重要度の高いものを整理し,要点をまとめて記述する。
これは要約体です。
要約体は「まとめる」といった言葉が含まれるので,それを手がかりにして判断します。
4 出来事に対するソーシャルワーカーの解釈や見解を記述する。
これは,説明体です。
説明体は,「解釈」といった言葉が含まれるので,それを手がかりにして判断します。
5 ソーシャルワーカーとクライエントの会話における発言をありのままに再現して記述する。
これが正解の「逐語体」です。
逐語体は,「ありのままに」といった言葉が含まれるので,それを手がかりにして判断します。
逆に言えば,逐語体なのに「まとめる」といった言葉が含まれると誤りになります。