所定の研修を受講することで,福祉用具専門相談員として従事することができますが,社会福祉士や介護福祉士などは,研修を受けなくてもその資格で従事することができます。
それでは,今日の問題です。
第33回・問題133
事例を読んで,X事業者(福祉用具貸与事業者及び特定福祉用具販売事業者)に勤務するE福祉用具専門相談員(社会福祉士)が行う支援として,最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
E福祉用具専門相談員は,Y居宅介護支援事業所のF介護支援専門員からの依頼で,R市で一人暮らしをしているGさん(女性,84歳,要介護1)の自宅を訪問し,福祉用具の選定に関する相談を行うこととなった。Gさんは約10年前の大腿骨頸部骨折の後遺症により股関節が動きにくくなり,現在では浴糟への出入りと屋外での移動に支障がある。しかし,その他の日常生活動作や認知機能に支障はなく,状態も安定している。GさんはこれまでT字杖以外の福祉用具は使用したことがない。
1 Gさんに,福祉用具貸与による入浴補助用具の給付が可能と説明した。
2 Gさんに,特定福祉用具販売による自宅廊下の手すりの設置が可能と説明した。
3 Gさんに屋外での移動のため,福祉用具貸与による歩行器の利用が可能と説明した。
4 Gさん及びF介護支援専門員と相談した上で福祉用具貸与計画と特定福祉用具販売計画を作成し,利用前にR市に提出して承認を得た。
5 Gさんが将来,身体状況が悪化したときのことを想定して,玄関の段差を解消するために移動用リフトを設置した方がよいと説明した。
現場に精通していないと難しい問題です。
今後は,こういったタイプの問題は出題されなくなることが予想されますが,一応押さえておきたいです。
それでは,解説です。
1 Gさんに,福祉用具貸与による入浴補助用具の給付が可能と説明した。
入浴補助用具は,福祉用具販売の対象です。
2 Gさんに,特定福祉用具販売による自宅廊下の手すりの設置が可能と説明した。
手すりの設置は,住宅改修費によって行います。
3 Gさんに屋外での移動のため,福祉用具貸与による歩行器の利用が可能と説明した。
これが正解です。歩行器は福祉用具貸与の対象です。
4 Gさん及びF介護支援専門員と相談した上で福祉用具貸与計画と特定福祉用具販売計画を作成し,利用前にR市に提出して承認を得た。
これが現場にいないとわからないものです。これは二度と出題されないでしょう。
利用前に市町村に提出が必要なのは,福祉用具貸与に係る協議書です。
5 Gさんが将来,身体状況が悪化したときのことを想定して,玄関の段差を解消するために移動用リフトを設置した方がよいと説明した。
移動用リフトはネットで調べるとわかりますが,自分で移乗などができない人をアシストしてくれるものです。
階段の段差は,小さな段を設置すると解消できます。移動用リフトは必要ではありません。