2017年10月2日月曜日

国民医療費の出題率は100%!!

国民医療費は毎年必ず出題されています。


つまり出題率が100%です。

100%のものは,そんなに多くはないです。

頻出ではなく,必ず出るというのはすごいと思いませんか。

これを覚えないのはもったいないです。

覚えるポイントは,数少ないです。


GDP比 約8%

対国民所得比 約11

<10%の攻防>
下回っているのが対GDP
上回っているのが対国民所得比

GDP > 国民所得

このため,分母が大きい対GDP比の方が,数字が小さくなります。

2つ覚えるのは,混乱の元なので,どちらか片方だけを覚えましょう。

それでは,今日の問題です。


25回・問題71 

2009(平成21)年度の国民医療費等に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。


1 国民医療費の対前年度伸び率は,同年度の国内総生産(GDP),国民所得(NI)の伸び率を下回っている。


2 国民医療費の総額を前年度と比べると,65歳以上で増加しているが,65歳未満では減少している。


3 「平成21年度医療給付実態調査」(厚生労働省)によれば,65歳以上の年齢層では,高齢になるにしたがって,受診率,1件当たりの日数は低下するが,1日当たり医療費は増加する。


4 65歳以上の年齢層の国民医療費の総額は,それ未満の年齢区分の総額よりも大きい。


5 国民医療費の国民所得に対する比率は,依然として10%未満を保っている。


国民医療費の問題は,同じような内容を繰り返し出題しているので,過去問や参考書で押さえておけば必ず得点できます。


それでは詳しく見ていきましょう。


1 国民医療費の対前年度伸び率は,同年度の国内総生産(GDP),国民所得(NI)の伸び率を下回っている。


国民医療費は,2000年以降右肩上がりで上昇傾向にあります。

GDPNIの伸び率と同じ,あるいは下回っているなら,国民医療費の高騰は社会問題にはならないはずです。

そこから類推できると思いますが,もちろん伸び率は上回っています。

よって×。


2 国民医療費の総額を前年度と比べると,65歳以上で増加しているが,65歳未満では減少している。


増加傾向にあるものが減少する,あるいは減少傾向にあるものが増加する,といったときには何か明確な理由があります。

もちろん65歳未満でも増加しています。

よって×。


3 「平成21年度医療給付実態調査」(厚生労働省)によれば,65歳以上の年齢層では,高齢になるにしたがって,受診率,1件当たりの日数は低下するが,1日当たり医療費は増加する。


違う傾向が出るときは,必ず何か明確な理由があります。

受診率,1件当たりの日数が減少する理由は見つけることができません。

もちろん増加しています。

よって×。


4 65歳以上の年齢層の国民医療費の総額は,それ未満の年齢区分の総額よりも大きい。
25回以降,年齢階級別の出題が何度かされています。


75歳以上 約35
70歳以上 約50
65歳以上 約60
65歳未満 約40%。

65歳以上では約60%なので,正解です。


5 国民医療費の国民所得に対する比率は,依然として10%未満を保っている。


「依然として」という言葉は蛇足ですね。

わざわざこの言葉をつけたことで,間違い選択肢ではないだろうか,と憶測することができてしまいます。



先述のように10%を超えているので×。

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