社会福祉士の国試の特徴は「広く浅く」です。覚えるべきアイテム数は,2,000~4,000。
19科目あるので1科目約100~200アイテムです。
根気よく勉強を続けて行けば今からでも十分に間に合います。
さて,今日も「福祉サービスの組織と経営」です。
覚えるアイテム数は実は,そんなに多くはありません。
それでは,今日の問題です。
第25回・問題121
組織学習論に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 アージリス(Argyris,C.)は,既存の枠組みとは異なる新しい可能性を探る組織の学習形態をシングルループ学習と呼び,組織が継続的に学習する上で必要であると指摘している。
2 他組織の成功体験や先進事例から学び,自組織に取り入れることは組織学習には含まれない。
3 ヘドバーグ(Hedberg,B.)は,組織にとって時代遅れとなったり,有効性が失われた知識を棄却するプロセスをアンラーニング(unlearning)と呼び,これが望ましい組織学習の上で欠かせないと考えた。
4 組織学習は,組織が短期的に適応していくプロセスについて説明するための概念である。
5 共通の専門知識と情熱によってインフォーマルに結びついた人々の集団である実践共同体(community practice)は,知識が生まれ共有される場にはならず組織の学習とは関係しない。
今日の問題は,組織学習です。
組織学習は,組織も個人のように学習するという考え方です。
それでは,詳しく見ていきましょう。
1 アージリス(Argyris,C.)は,既存の枠組みとは異なる新しい可能性を探る組織の学習形態をシングルループ学習と呼び,組織が継続的に学習する上で必要であると指摘している。
シングルループは,学んだことをマニュアルなどにして,継続的に学ぶことです。
ダブルループは,シングループで対応できなくなった時,新しい学びをしていくことです。
この問題は,新しい可能性と述べているので,ダブルループです。
よって×。
2 他組織の成功体験や先進事例から学び,自組織に取り入れることは組織学習には含まれない。
他施設の成功事例を学ぶことはよくあることです。もちろん組織学習に含まれます。
よって×。
3 ヘドバーグ(Hedberg,B.)は,組織にとって時代遅れとなったり,有効性が失われた知識を棄却するプロセスをアンラーニング(unlearning)と呼び,これが望ましい組織学習の上で欠かせないと考えた。
これが正解です。
アンラーニングも組織学習のプロセスの一つです。
4 組織学習は,組織が短期的に適応していくプロセスについて説明するための概念である。
短期のものもありますが,長期的なものも含まれます。
よって×。
5 共通の専門知識と情熱によってインフォーマルに結びついた人々の集団である実践共同体(community practice)は,知識が生まれ共有される場にはならず組織の学習とは関係しない。
フォーマル組織の中にもインフォーマルな組織は存在します。仕事とは別に勉強会などを開くなど,知識を共有することは多くあります。
よって×。
組織学習論という難しく感じるかもしれませんが,シングルループ,ダブルループ,アンラーニングの3つを覚えるだけで良いです。
アージリス,ヘドバーグという名前が出てきていますが,それは覚える必要性は低いです。
人名が問題を解くためのキーになるのは,頻出の人たちだけです。
そういうことに気が付けば,勉強法も変わるでしょう。
覚えるポイントを間違うと,得点には結びつかないので要注意です!!