2017年11月2日木曜日

今まで出題された白書・報告書はこれだ!!

国試ではいろいろな白書から出題されています。

現行カリキュラムで実施されている第2229回の国家試験で,出題された白書・報告書類をまとめてみました。

国試に出題された白書・報告書等(第2229回)

社会理論と社会システム
国民生活基礎調査(厚生労働省) 第26回・第24
高齢者虐待の防止,高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査結果」(厚生労働省) 第24
高齢社会白書(内閣府) 第29
国勢調査(総務省) 第28


現代社会と福祉
社会保障制度改革国民会議報告書 第27回・第29
全国母子世帯等調査(厚生労働省) 第26
就業構造基本調査(厚生労働省) 第25
出生動向基本調査(国立社会保障・人口問題研究所) 第25
毎月勤労統計調査(厚生労働省) 第25
社会生活基本調査(総務省) 第24
厚生労働白書(厚生労働省) 第29回・第28
働く女性の実情(厚生労働省) 第29


地域福祉の理論と方法
地域包括ケア研究会報告書 第27
住民基本台帳人口移動報告(総務省) 第25
過疎対策の現況(総務省) 第25
市区町村社協実態調査(全国社会福祉協議会) 第25
国民生活選好度調査(内閣府) 第24
国民生活白書(内閣府) 第24
地域福祉のあり方研究会報告書 第26回 第24回・第23回・第22
障害者に関する世論調査(内閣府) 第23
特定非営利活動法人地域ケア政策ネットワーク報告書 第27
自殺対策白書(内閣府) 第27


福祉行財政と福祉計画
地方財政白書(厚生労働省) 第28回・第25回・第24回・第22
地域包括ケア研究会報告書 第23
平成26331日時点における地域福祉計画策定状況等の調査結果概要(厚生労働省) 第28


社会保障
日本の将来推計人口(国立社会保障・人口問題研究所) 第26
簡易生命表(厚生労働省) 第26
日本の地域別将来推計人口 (国立社会保障・人口問題研究所) 第26
厚生労働白書(厚生労働省) 第27回・第25回・第24回・第23
労働力調査(総務省) 第25
雇用均等基本調査(厚生労働省) 第25
人口推計(総務省) 第28回・第24
高齢社会白書(内閣府) 第24
社会保障費用統計(国立社会保障・人口問題研究所) 第29回・第28回・第27


障害者に対する支援と障害者自立支援制度
生活のしづらさなどに関する調査(厚生労働省) 第26
身体障害児・者実態調査(厚生労働省) 第23
障害者虐待対応状況調査(厚生労働省) 第27


低所得者に対する支援と生活保護制度
福祉行政報告例(厚生労働省) 第24
被保護者全国一斉調査(個別調査)(厚生労働省) 第24
生活保護の動向(厚生労働省) 第22


保健医療サービス
国民医療費の概況 (厚生労働省) 第29回・第28回・第27回・第26
医療給付実態調査 (厚生労働省) 第25


権利擁護と成年後見制度
成年後見関係事件の概況(最高裁判所事務総局家庭局) 第28回・第24


高齢者に対する支援と介護保険制度
日本の将来推計人口(国立社会保障・人口問題研究所) 第26
日本の世帯の将来推計(国立社会保障・人口問題研究所) 第26
国民生活基礎調査(厚生労働省) 第26回 
労働力調査(総務省) 第23
高齢者虐待の防止,高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査結果(厚生労働省) 第26回・第22
高齢社会白書(内閣府) 第29回・第28


児童・家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度
国民生活基礎調査(厚生労働省) 第26
児童養護施設入所児童等調査結果(厚生労働省) 第23
全国母子世帯等調査(厚生労働省) 第27
保育所等関連状況取りまとめ(厚生労働省) 第29
福祉行政報告例(厚生労働省) 第28


就労支援サービス
労働力調査(総務省) 第27回・第26
雇用均等基本調査(厚生労働省) 第27


白書・報告書別に整理していないので,わかりにくくてすみません。

しかし,分かるのはたくさんのものが出題されていることです。

国試対策セミナーでは,「〇〇白書に目を通しておくように」と言う講師がいます。

前にも書きましたが,この発言はとても無責任な発言であると考えています。

なぜなら,白書は何百ページにも及びます。

どこに目を通しておけばよいのか,見当もつかないことでしょう。


国試は,少なくても60問は間違うことができます。何百ページもある白書に目を通して,たまたま自分の覚えていたものが出題されてもたった1点です。


こんな非効率的な学習はほかにありません。


講師は,「白書のどこから出題されるか」は明示していないので,どこからでもよいので,出題されれば「ほら当たった」と満足すると思います。


しかし受験生にそれを押し付けるのはいかがなものかと思います。


何度も同じ箇所が出題されていれば,それは参考書に載っています。

対策はそれで十分です。


過去問の解説にも,「〇〇に目を通しておかないと解けない問題だった」と書かれています。

国試は,90点取れれば合格できます。

出題される大半は法制度です。

合否の分かれ目は,白書や報告書に目を通しておくことではありません。


これらは,合格をつかんだ人でさえ,ほとんど解けないです。

ここには合否の分かれ目はないのです。


膨大な白書や報告書に目を通すのは,おすすめできません。

とは言っても,点数が取れないよりも取れた方が良いに決まっています。

白書・報告書類で得点するための対策はちゃんとあります。



それは模試の問題で,勘を働かせるコツをつかむ練習を重ねることです。



大手の模試は,よくできていると思いますが,本試験よりも難しいです。


その理由は,本試験で出題される白書や報告書などの出題数は,本試験よりも多いからです。


しかし,ほとんどは外れます。白書類でズバリあてる模試は見たことがありません。

模試は,それでも白書類を本試験で出題される割合よりも多く出題してきます。

その理由は,本試験で勘を働かせる訓練が必要であるからです。


10問出題された場合,1つ選ぶ問題の場合の期待値は,1/5なので2問です。

3問以上正解することができれば上々です。

5問正解できれば万々歳です。


これらの訓練は,模試を数種類受けることで効果が上がります。

今日の問題は,「国民生活基礎調査」です。

勘を働かせて解いてみましょう。


25回・問題126

「平成22年国民生活基礎調査」(厚生労働省)による「要介護者等」の家族の状況や居宅サービスの利用実態に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1「要介護者等」のいる世帯を世帯構造別にみると,多い順から,核家族世帯,三世代世帯,その他の世帯,単独世帯となっている。

2「要介護者等」との続柄別に主な介護者をみると,多い順から,配偶者,子の配偶者,子となっている。

3「要介護者等」との続柄別に主な介護者をみると,家族等の親族ではなく事業者である割合が1割を超えている。

4「要介護者等」の居宅サービスの利用状況をみると,世帯構造を問わず,訪問系のサービスの利用が最も多い。

5「要介護者等」のうち要介護5に該当する者の同居の主な介護者について,その介護時間をみると,約9割が「ほとんど終日」となっている。


いかがでしたか。

難しいですね。

解けても解けなくても良いです。


1「要介護者等」のいる世帯を世帯構造別にみると,多い順から,核家族世帯,三世代世帯,その他の世帯,単独世帯となっている。


並びのあるものは,順番を変えれば,間違い選択肢が簡単に作れます。

この手の問題は,眉唾物だと思ってください。


正しい並びは,核家族世帯,単独世帯,三世代世帯,その他の世帯です。

単独世帯の位置が違いました。よって間違いです。


2「要介護者等」との続柄別に主な介護者をみると,多い順から,配偶者,子の配偶者,子となっている。


続いて,またまた眉唾物の並びのある問題です。


正しい並びは,配偶者,子,子の配偶者です。よって間違いです。

結果的にはこれが正解です。


3「要介護者等」との続柄別に主な介護者をみると,家族等の親族ではなく事業者である割合が1割を超えている。


これは分からないです。こういう時は冷静に▲をつけましょう。


4「要介護者等」の居宅サービスの利用状況をみると,世帯構造を問わず,訪問系のサービスの利用が最も多い。


これは間違いになりやすいワードが含まれています。

お気づきですよね?


「世帯構造を問わず」です。

訪問系サービスが多いのは単独世帯と夫婦のみ世帯。

三世帯世帯では通所系サービスが多い。

ということになります。よって間違いです。

ここが勘の働かせ場所となります。このような選択肢を消去できるかどうかで正解できるかできないかが大きく分かれます。

ちょっとの違いが最後には,大きな差となります。


5「要介護者等」のうち要介護5に該当する者の同居の主な介護者について,その介護時間をみると,約9割が「ほとんど終日」となっている。


これも難しいです。▲をつけましょう。


結果的には9割ではなく,5割なので間違いです。

さて,▲をつけたのは,選択肢35です。

3「要介護者等」との続柄別に主な介護者をみると,家族等の親族ではなく事業者である割合が1割を超えている。

5「要介護者等」のうち要介護5に該当する者の同居の主な介護者について,その介護時間をみると,約9割が「ほとんど終日」となっている。


数字の感覚的な扱い方


13 ほとんどない
46 半分くらい
79 ほとんどすべて

自分の周りや新聞・テレビなどで見聞きしたものを参考に考えます。

そこから考えると

3は,1割以下なら間違いっぽいですが,1割以上となっています。

これだけ介護保険が利用されているわけですから,1割以下ということはなさそうだと予想できそうです。

5は,9割ですから,「ほとんどすべて」ととらえます。世の中の事象で9割(ほとんどすべて)であることはめったにありません。

そこで3を正解にします。

しかし,このような問題は正解できたらラッキー問題です。


10問中2問正解で普通。5問(半分)正解できればとても良いです。

半分正解するためには,選択肢が3つ消去できれば,選択肢は2つ残ります。


今日の問題であれば,124が消去できた状態です。

35が残っています。


2つ残れば,正解を選ぶ確率は50%。間違いを選ぶ確率は50%。
つまり10問あれば5問は正解できる確率です。



白書問題はこんなもので十分です。


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