国試の合否を左右するのは,歴史や人名ではありません。
本当に合否を分けているのは,本来得点しなければならない法制度を確実に得点できるか否かです。
肝に銘じていただきたいと思います。
さて,今日の問題です。
第25回・問題127
指定介護予防支援事業者が行う介護予防のための支援に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 介護予防サービス計画の作成に当たっては,利用者の日常生活全般を支援するために,予防給付以外の地域住民の自発的な活動によるサービスも含めて位置づける。
2 介護予防サービス計画の原案の内容について,利用者又はその家族に対して十分に説明した上で,口頭による利用者の同意を得ればよい。
3 利用者の生活機能の低下を含む解決課題の把握に当たっては,居宅訪問を行わずプライバシーに配慮して事業所内の面接室で行う。
4 要支援の利用者が福祉用具の貸与や販売を希望した場合は,給付対象にはならず,全額自費での購入になることを説明する。
5 介護予防サービスの実施状況の把握は,指定介護予防サービス事業者からの報告により6か月ごとに1回行う。
現在見ている「高齢者に対する支援と介護保険制度」は,10問もあります。
覚えるべき法律は多いですが,この科目で7~8点は取っておきたいです。
ただし,高齢者分野で働いている人でも10点満点は,なかなか取れないと思います。
他の科目も同様ですが,前回の白書系からの出題は,正答するのが難しいからです。
さて,それでは詳しく見て行きましょう。
1 介護予防サービス計画の作成に当たっては,利用者の日常生活全般を支援するために,予防給付以外の地域住民の自発的な活動によるサービスも含めて位置づける。
もちろんこれが正解ですね。
2 介護予防サービス計画の原案の内容について,利用者又はその家族に対して十分に説明した上で,口頭による利用者の同意を得ればよい。
文書で同意を得る必要があります。よって間違いです。
3 利用者の生活機能の低下を含む解決課題の把握に当たっては,居宅訪問を行わずプライバシーに配慮して事業所内の面接室で行う。
居宅訪問しなければなりません。
訪問していないのに,訪問したことにして虚偽の報告したら大変なことになってしまいます。
4 要支援の利用者が福祉用具の貸与や販売を希望した場合は,給付対象にはならず,全額自費での購入になることを説明する。
近年,福祉用具についての出題頻度が高くなっているので,しっかり覚えておきたいです。
もちろん貸与や販売も給付対象となります。
その場合は,その必要性を介護予防サービス計画に記載しなければなりません。
よって間違いです。
5 介護予防サービスの実施状況の把握は,指定介護予防サービス事業者からの報告により6か月ごとに1回行う。
モニタリングは,少なくとも1か月に1回以上必要です。
よって間違いです。
高齢者分野で働いている人にとっては,まったく難しくない問題だと思います。
法制度に関する問題は,その領域にいる人にとって,簡単だと感じることでしょう。
しかし,他の領域にいる人にとっては,そんなに簡単なものではないです。
今日の問題のモニタリングは6か月ごとに1回なら,知らなくても長すぎると思えるでしょう。
しかし,これが2か月なら分からなくなるかもしれません。知っている人にとっては,それでも間違いだとすぐ分かるはずです。
国試の問題レベルは,決して深掘りをしていないのが,こういうところからよく分かるでしょう。
国試で得点を上げるには,こういう問題を一つひとつ確実に積み上げていくことです。
これからの時期は,とても不安になり,あれもこれも勉強しなければ・・・と思う気持ちが強くなるでしょう。
国試は60問も間違うことができます。
8割ラインを取るならそういう知識が必要です。
確かにとても難しい問題もあります。しかしそのような問題は誰も得点できません。
今やっている範囲の勉強を確実な知識にしていけば,必ず90点ラインは超えることができます。
不安な気持ちは,深い深い闇の世界に引き込まれる原因となります。