2017年11月11日土曜日

児童福祉法の攻略法~なじみがなくても大丈夫!!

「児童及び家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度」は覚えなければならない法律はたくさんありますが,その中のメインは児童福祉法です。


児童福祉法を押さえられれば,この科目は怖くないと言えます。


覚えなければならないのは,以下の5つです

1.児童福祉法の定義
2.児童福祉施設
3.児童福祉に関する事業
4.社会的養護
5.2016年の法改正

これだけは,しっかり押さえたいです。


児童福祉法は,何度も改正されていますが,介護保険法や障害者総合支援法のように劇的な変化がないのが特徴です。


他にも手当や,虐待防止法,母子及び福祉並びに寡婦福祉法,母子保健法など覚えるべき法律は多いですが,児童福祉法に比べると覚えなければならないボリュームはずっと少ないです。

苦手だと思わないことが,この科目の最大の攻略法です。


法制度は理論系と違って丸暗記で覚えられます。

ただし,法則などを自分で見出さないと,引っ掛けられる原因となります。


例えば,各法における児童の年齢の定義は,18歳と20歳に分かれています。

どういうタイプのものが18歳で,どういうタイプのものが20歳になっているのか,それを意識しましょう。


改めて言います。

この科目の攻略法は,絶対に苦手だと思わないことがコツだと思います。


覚えるべき制度は,高齢者から比べてずっと少ないのです。


それでは今日の問題です。


25回・問題140 

児童福祉法に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。


1 児童福祉法は,親からの児童虐待の定義を規定している。


2 児童福祉法は,保護者とは親権者であると規定している。


3 児童福祉法は,障害のある子どもへの施策に関し,施設入所と特別児童扶養手当について規定している。


4 児童福祉法は,保育士の資格について規定している。


5 児童福祉法には,児童の権利に関する条約の批准後に「児童の最善の利益」の文言が追加された。



この問題は,実は現在では成立しないものです。

それでも詳しく見て行きましょう。


1 児童福祉法は,親からの児童虐待の定義を規定している。


虐待に関しての定義がなされているのは,児童虐待防止法です。

よって間違いです。


2 児童福祉法は,保護者とは親権者であると規定している。


両親が婚姻している時には,あまり意識することはないですが,婚姻を解消した場合,親権者を定めなければなりません。

しかし,現に児童を監護する監護権は親権の一部ですが,親権者と監護権者を別に定めることができます。

その場合は,親権者は保護者とならず,監護権者が保護者となります。

また,祖父母や未成年後見人も保護者となります。

親権者だけが保護者ではありません。

よって間違いです。


3 児童福祉法は,障害のある子どもへの施策に関し,施設入所と特別児童扶養手当について規定している。


特別児童扶養手当は,特別児童扶養手当法に規定されています。

よって間違いです。


4 児童福祉法は,保育士の資格について規定している。


これが正解です。結構びっくりですよね。


保育士の資格は,児童福祉法が規定しているのです。


5 児童福祉法には,児童の権利に関する条約の批准後に「児童の最善の利益」の文言が追加された。


これは,出題時点では,「児童の最善の利益」の文言は追加されていませんので,間違いです。


しかし,2016年改正で,いよいよ追加されているので,現時点で出題されたなら,正解ということになります。


2016年改正では,法の理念が以下のように変わっています。


全て児童は,児童の権利に関する条約の精神にのつとり,適切に養育されること,その生活を保障されること,愛され,保護されること,その心身の健やかな成長及び発達並びにその自立が図られることその他の福祉を等しく保障される権利を有する。(法第1条)

全て国民は,児童が良好な環境において生まれ,かつ,社会のあらゆる分野において,児童の年齢及び発達の程度に応じて,その意見が尊重され,その最善の利益が優先して考慮され,心身ともに健やかに育成されるよう努めなければならない。(法第2条第1項)

 児童の保護者は,児童を心身ともに健やかに育成することについて第一義的責任を負う。(法第2条第2項)

 国及び地方公共団体は,児童の保護者とともに,児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う。(法第2条第3項)



児童権利条約にのっとり,と明記されているので,これからも時々児童権利条約は出題されていくことでしょう。

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