しかし,どこまでも際限なく広いわけではありません。
試験センターでは,出題基準を定めています。
試験センターは,出題基準を例示だと述べていますが,国家試験問題は,基本的にこの出題基準にのっとって出題されています。
さて,今日のテーマは「得点を上げる勉強法~覚える項目の絞り込み」です。
更生保護は,司法の範囲であり,福祉とは距離が遠いイメージがあると思います。
そのためにちょっと苦手だと感じる人も多いのではないでしょうか。
しかし,その気持ちを持たなければ,この科目は19科目の中で最も覚える分量が少ないので,得点しやすい科目となります。
何と言っても覚えるべき法律は,基本的には,たった2つ
更生保護法
医療観察法
覚えるべきポイントも限られています。絞り込みがしやい科目の筆頭です。
問題数が少ないので,変わったものを出題しにくく,法の基本中の基本を出題してくる傾向が極めて強いからです。
この科目は最後の科目ですし,参考書のページ数も少ないので,勉強時間をあまりかけない傾向があると思います。
しかし,勉強すればすぐ点数が取れていく科目であることは間違いないです。
更生保護制度の攻略法・・・
覚えるべきポイントは少ないので,しっかり覚えれば必ず得点は伸びる!!
ここにすべてが集約されることでしょう。
まずは,苦手意識を取り去って,勉強していきましょう。
さて,それでは今日の問題です。
第25回・問題147
保護観察の実施方法である指導監督と補導援護のうち,指導監督の記述として正しいものを1つ選びなさい。
1 特定の犯罪的傾向を改善するための専門的処遇を実施すること。
2 就業中に事故に遭遇し傷害を負った者が医療及び療養を受けることを助けること。
3 家族との争いの絶えない保護観察対象者の生活環境を改善し,及び調整すること。
4 社会から逃避しがちな対象者を社会生活に適応させるために必要な生活指導を行うこと。
5 保護観察対象者が適切な宿泊場所を得ること,及び当該宿泊場所に帰住することを助けること。
更生保護の中心は,保護観察です。
<保護観察の実施方法>
権力的な「指導監督」
福祉的な「補導援護」
の2つがあります。
指導監督
誰にも共通して必ず設定される一般遵守事項と,必要に合わせて設定される特別遵守事項が守られているかを確認して指導することが含まれます。
補導援護
福祉的と言ったように,さまざまな援助を行います。
それでは,詳しく見て行きましょう。
1 特定の犯罪的傾向を改善するための専門的処遇を実施すること。
特別遵守事項の中には,特定の犯罪的傾向を改善するための「専門的処遇プログラム」が設定されることがあります。
よって正解です。
現在,専門的処遇プログラムは,「性犯罪者処遇プログラム」「覚せい剤事犯者処遇プログラム」「暴力防止プログラム」「飲酒運転防止プログラム」が実施されています。
2 就業中に事故に遭遇し傷害を負った者が医療及び療養を受けることを助けること。
さまざまな支援は,補導援護です。
よって間違いです。
3 家族との争いの絶えない保護観察対象者の生活環境を改善し,及び調整すること。
さまざまな支援は,補導援護です。
よって間違いです。
4 社会から逃避しがちな対象者を社会生活に適応させるために必要な生活指導を行うこと。
さまざまな支援は,補導援護です。
よって間違いです。
5 保護観察対象者が適切な宿泊場所を得ること,及び当該宿泊場所に帰住することを助けること。
さまざまな支援は,補導援護です。
よって間違いです。
<今日のまとめ>
指導監督と補導援護が分かっていれば,この問題はとても簡単に感じるはずです。
知っているか知らないかで大きく違います。
知っていれば時間をかけずにすぐ解けますし,知らなければ,時間をかけても解けないこともあります。
法制度の問題はすべてこんなものです。
決して深掘りはしてこないことがよく分かることでしょう。
敵を十分知らずにその陰に怯えるのは,十分な力を発揮できない原因となります。