通知で規定されているものもありますが,社会福祉制度の多くには根拠法があります。
児童相談所
根拠法 ➡ 児童福祉法
設置 ➡ 都道府県,指定都市に設置義務,中核市,特別区(東京23区)は任意設置。
配置 ➡ 児童福祉司。
福祉事務所
根拠法 ➡ 社会福祉法。
設置 ➡ 都道府県,市は必置。町村は任意設置。
配置 ➡ 社会福祉主事。
婦人相談所
根拠法 ➡ 売春防止法。DV防止法に規定される配偶者暴力相談支援センターとしての機能を兼ねることができる。
設置 ➡ 都道府県に必置。
配置 ➡ 婦人相談員(非常勤規定は廃止)。
身体障害者更生相談所
根拠法 ➡身体障害者福祉法
設置 ➡ 都道府県に必置。
配置 ➡ 身体障害者福祉司。
知的障害者更生相談所
根拠法 ➡ 知的障害者福祉法
設置 ➡ 都道府県に必置。
配置 ➡ 知的障害者福祉司。
基幹相談支援センター
根拠法 ➡ 障害者総合支援法
設置 ➡ 市町村に任意設置。委託可。
配置 ➡ 特になし。
地域包括支援センター
根拠法 ➡ 介護保険法。
設置 ➡ 市町村に必置。委託可。 ※2017/11/25修正。必置ではなく,市町村に任意設置。
配置 ➡ 社会福祉士,保健師,主任介護支援専門員。
障害福祉は,前回の「障害者介護給付等不服審査会」(都道府県)や今回の「基幹相談支援センター」(市町村)が任意設置です。
介護保険法の「介護保険審査会」(都道府県),「地域包括支援センター」は必置になっているのと違いますね。
※2017/11/25修正。線の部分は削除。
介護保険法の「介護保険審査会」(都道府県),
※2017/11/25修正。線の部分は削除。
さてそれでは今日の問題です。
第23回・問題43
福祉行政における専門組織に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。
1 婦人相談所は,母子及び父子並びに寡婦福祉法に基づき設置され,配偶者暴力相談支援センターとしての機能を兼ねることができる。
2 児童相談所は,社会福祉法に基づき設置され,児童の健康相談に応じ,又は健康診査を行い,必要に応じ,保健指導を行うことができる。
3 身体障害者更生相談所は,障害者基本法に基づき設置され,必要に応じ,巡回して業務を行うことができる。
4 地域包括支援センターは,介護保険法に基づき設置され,介護予防ケアマネジメント業務,総合相談支援業務,権利擁護業務及び包括的・継続的ケアマネジメント支援業務を行うこととされている。
5 福祉事務所は,地方自治法に基づき設置され,所長は,設置する地方公共団体の長が,議会の同意を得て選任することとされている。
整理したものが頭に残っていれば,とても簡単だと思います。
国試は,出題範囲は広いです。
しかし絶対に深掘りしないので,ポイントさえしっかり押さえることができれば,何とかなる試験です。
しかし絶対に深掘りしないので,ポイントさえしっかり押さえることができれば,何とかなる試験です。
必要以上に恐れるのは,実力を刃先出来なくなる要因です。
気をつけましょう。
気をつけましょう。
それでは確認します。
1 婦人相談所は,母子及び父子並びに寡婦福祉法に基づき設置され,配偶者暴力相談支援センターとしての機能を兼ねることができる。
根拠法 ➡ 売春防止法。
よって間違いです。
よって間違いです。
2 児童相談所は,社会福祉法に基づき設置され,児童の健康相談に応じ,又は健康診査を行い,必要に応じ,保健指導を行うことができる。
根拠法 ➡ 児童福祉法。
よって間違いです。
よって間違いです。
3 身体障害者更生相談所は,障害者基本法に基づき設置され,必要に応じ,巡回して業務を行うことができる。
根拠法 ➡身体障害者福祉法。よって間違いです。
4 地域包括支援センターは,介護保険法に基づき設置され,介護予防ケアマネジメント業務,総合相談支援業務,権利擁護業務及び包括的・継続的ケアマネジメント支援業務を行うこととされている。
根拠法 ➡ 介護保険法。よって正解です。
5 福祉事務所は,地方自治法に基づき設置され,所長は,設置する地方公共団体の長が,議会の同意を得て選任することとされている。
根拠法 ➡ 社会福祉法。よって間違いです。所長は議会の同意を得て選任するといった規定はなされていません。
議会が登場するのは,障害者基本法に規定される障害者計画を策定・変更した場合,議会に報告しなければならないという規定があるだけです。
<今日の一言>
今日の問題は,多くの人が苦手とする「福祉行財政と福祉計画」です。
とても難しい出題がなされますが,落ち着いて問題を読めば,どこかにヒントが隠されています。
そこに気がつく人は点数が伸びます。
そこに気がつかない人は点数が伸びません。
現在の国試は,問題文の文字数が格段に少なくなっているので,文章の中に引っ掛けポイントをたくさんつくることができません。
そのために,ちゃ~んと勉強して国試に臨んだ人は点数が取れるような試験になっています。
落ち着いて問題を読むことが何よりも大切です。
模擬試験を受験する際もそれを心がけてくださいね。
そうすると,必ず道は開けます!!