2025年7月1日火曜日

成年後見人の職務

 

成年後見人の職務は,身上監護と財産管理です。

 

法務省の資料によると,それぞれ以下のように説明しています。

 

身上監護とは,ご本人の生活や健康の維持,療養等に関する仕事です。例えば,ご本人の住まいの確保,生活環境の整備,施設に入所する契約,ご本人の治療や入院の手続を行うことですが,食事の世話や実際の介護などは含まれていません。

 

財産管理とは,ご本人の財産内容を正確に把握して財産目録を作り,ご本人の財産が保たれるように管理することです。具体的には,ご本人の預金通帳や保険証書などを保管し,年金や保険金などの収入を受け取り,ご本人に必要な経費の支払を行い,それらを帳簿につけて管理を行うことです。

 

それでは,早速,今日の問題です。

 

35回・問題78

事例を読んで,成年後見人のLさんが,成年被後見人のMさんと相談の上で行う職務行為として,適切なものを2つ選びなさい。

〔事 例〕

 Mさん(70歳代)は,自身の希望で一人暮らしをしているが,居住地域は,介護サービス資源が少なく,交通の便の悪い山間部である。Mさんは,要介護2の認定を受け,持病もある。最近,Mさんは心身の衰えから,バスでの通院に不便を感じ,薬の飲み忘れも増え,利用中の介護サービス量では対応が難しくなってきているようである。Mさん自身も一人暮らしへの不安を口にしている。

1 自宅以外の住まいに関する情報収集

2 Mさんの要介護状態区分の変更申請

3 Lさんによる家事援助

4 Lさんによる通院介助

5 Lさんによる服薬介助

 

これを整理すると以下のようになります。

 

1 自宅以外の住まいに関する情報収集

身上監護

2 Mさんの要介護状態区分の変更申請

身上監護

3 Lさんによる家事援助

×

4 Lさんによる通院介助

×

5 Lさんによる服薬介助

×

 

この問題は事例スタイルですが,成年後見人の職務を知らないと正解することは困難です。

 

身上監護にあたるのは,以下の2つです。

 

1 自宅以外の住まいに関する情報収集

2 Mさんの要介護状態区分の変更申請

 

つまり,この2つが正解です。

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