2020年9月3日木曜日

「相談援助の理論と方法」は合格のキー科目

今日から科目は,「相談援助の理論と方法」です。

  

この科目で出題される問題数は,21問もあります。

 

以前,不合格になったある人から話を聞くと「この科目では10問も正解できました」と言っていました。

 

その話を聞いて,本人には言えませんでしたが,これでは合格は難しいと強く思いました。

 

事例がたくさんあるから楽勝だと思っていては,この科目で高い得点を取ることができません。

 

出題基準は,以下のとおりです。

 

 

大項目

中項目

小項目(例示)

1 人と環境の交互作用

1)システム理論

一般システム理論、サイバネティックス、自己組織性

その他

2 相談援助の対象

1)相談援助の対象の概念と範囲

 

3 様々な実践モデルとアプローチ

1)治療モデル

効果と限界の予測

2)生活モデル

効果と限界の予測

3)ストレングスモデル

効果と限界の予測

4)心理社会的アプローチ

効果と限界の予測

5)機能的アプローチ

効果と限界の予測

6)問題解決アプローチ

効果と限界の予測

7)課題中心アプローチ

効果と限界の予測

8)危機介入アプローチ

効果と限界の予測

9)行動変容アプローチ

効果と限界の予測

10)エンパワメントアプローチ

効果と限界の予測

4 相談援助の過程

1)受理面接(インテーク)

インテークの意義、目的、方法、留意点

その他

2)事前評価(アセスメント)

アセスメントの意義、目的、方法、留意点

その他

3)支援の計画(プランニング)

プランニングの意義、目的、方法、留意点

効果と限界の予測

支援方針・内容の説明・同意

介護予防サービス計画

居宅サービス計画

施設サービス計画

サービス利用計画

その他

4)支援の実施

支援の意義、目的、方法、留意点

その他

5)経過観察(モニタリング)と評価

モニタリングと評価の意義、目的、方法、留意点

その他

6)支援の終結と効果測定

支援の終結と効果測定の目的、方法、留意点

その他

7)アフターケア

アフターケアの目的、方法、留意点

その他

5 相談援助における援助関係

1)援助関係の意義と概念

 

2)援助関係の形成方法

コミュニケーションとラポール、自己覚知

その他

6 相談援助のための面接技術

1)相談援助のための面接技術の意義、目的、方法、留意点

 

7 ケースマネジメントとケアマネジメント

1)ケースマネジメントとケアマネジメントの意義、目的、方法、留意点

 

8 アウトリーチ

1)アウトリーチの意義、目的、方法、留意点

 

9 相談援助における社会資源の活用・調整・開発

1)社会資源の活用・調整・開発の意義、目的、方法、留意点

 

10 ネットワーキング(相談援助における多職種・多機関との連携を含む。)

1)ネットワーキング(相談援助における多職種・多機関との連携を含む。)の意義、目的、方法、留意点

 

2)家族や近隣その他の者とのネットワーキング、サービス提供者間のネットワーキング、その他

 

3)ケア会議の意義と留意点

 

11 集団を活用した相談援助

1)集団を活用した相談援助の意義、目的、方法、留意点

 

2)グループダイナミックス、自助グループ、その他

 

12 スーパービジョン

1)スーパービジョンの意義、目的、方法、留意点

 

13 記録

1)記録の意義、目的、方法、留意点

 

14 相談援助と個人情報の保護の意義と留意点

1)個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)の運用

 

15 相談援助における情報通信技術(IT)の活用

1)IT活用の意義と留意点

 

2)ITを活用した支援の概要

 

16 事例分析

1)事例分析の意義、目的、方法、留意点

 

17 相談援助の実際(権利擁護活動を含む。)

1)社会的排除、虐待、家庭内暴力(DV)、ホームレスその他の危機状態にある事例及び集団に対する相談援助事例(権利擁護活動を含む。)

 

 

確かに事例はあります。

 

しかし,勉強しなければ得点できないのは,ほかの科目と同じです。

 

それでは今日の問題です。

 

第29回・問題98 システム理論に基づくソーシャルワーク実践モデルに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 ケースワーク,グループワーク,コミュニティワークの主要三方法を統合する視座を示した。

2 システムの中心を個人とみなし,個人の変化に焦点化する方法を示した。

3 クライエントの自己への評価の低さに伴う否定的な感情に注目する視座を示した。

4 現実は社会的に構成されるという見方を示した。

5 精神の力動性に着目し,パーソナリティの変容を目指す視座を示した。

 

勉強不足の人は,何を言っているのか,見当もつかないでしょう。

 

ソーシャルワークにおけるシステム理論とは,人と環境の交互作用によって,システムの構成要素が変化していくことに着目してアプローチするものです。

 

システムの構成要素は,切り離すことができません。

 

というか,切り離してはいけません。

 

ここがシステム理論の基本です。ソーシャルワークでは,クライエントに目が向きがちですが,環境に働きかけることでクライエントが変化する,と考えるのがシステム理論だからです。

 

さて,この問題の正解は,選択肢1です。

1 ケースワーク,グループワーク,コミュニティワークの主要三方法を統合する視座を示した。

 

おそらく,この選択肢をすぐ正解だと思える人は多くはないはずです。

 

ケースワーク,グループワーク,コミュニティワークの主要三方法を統合することは「統合化」といい,1929年のミルフォード会議報告書に端を発します。

 

後から考えてみれば,ケースワーク,グループワーク,コミュニティワークに共通する考え方には,システム理論があるように思います。

 

しかし,それは今だから言えることです。

 

この問題が難しいのは,ほかの選択肢を消去することで正解にたどり着くタイプの問題だからです。

 

一つでも引っ掛かる選択肢があれば,正解するのが極めて難しくなります。

 

こういった問題で必要なのは,シンプルに考えることです。

 

2 システムの中心を個人とみなし,個人の変化に焦点化する方法を示した。

3 クライエントの自己への評価の低さに伴う否定的な感情に注目する視座を示した。

4 現実は社会的に構成されるという見方を示した。

5 精神の力動性に着目し,パーソナリティの変容を目指す視座を示した。

 

システム理論と逆なのは,選択肢2です。

個人に焦点化するのではシステム理論ではなくなってしまいます。

 

それ以外の選択肢も何を述べたものかはわからなくても,少なくてもシステム理論ではないと考えることが消去できるポイントとなります。

2020年9月2日水曜日

特別養子縁組とは?

 養子縁組には,

普通養子縁組と特別養子縁組があります。

 普通養子縁組は,戸籍に「養子」と記載され,実親との関係は切れません。

 それに対して

 特別養子縁組は,戸籍に「子」と記載され,実親との関係が切れます。

 

それでは今日の問題です。

 

【29-97】 事例を読んで,次の記述のうち,F相談員(社会福祉士)の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。

〔事 例〕

 大学3年生のGさん(21歳,女性,未婚)は,妊娠3か月であることが分かった。Gさんは,自分が通う大学の学生相談室を訪れ,F相談員が対応することになった。Gさんによれば,子の父親とは音信不通となっている。Gさんは出産し,子育てをしていくことを強く希望しているが,周囲には賛成してくれる人はいない。大学は卒業したいと考えているが,親には頼れず,経済的な不安がある。Gさんは,「どうしてよいか分からない」と語った。

1 主治医と連絡を取り,Gさんが出産するかどうかの意思決定支援を一任する。

2 大学の関係部署と連携し,学業と子育てを両立するための方策を検討する。

3 学業を優先する必要があるため,出産,子育ては断念するように助言する。

4 特別養子縁組制度の活用を勧め,仲介してくれる機関を紹介する。

5 子の父親を捜し出し,認知してもらうように説得する。

 

この問題も絶対に間違ってはいけない問題です。

 

正解は,選択肢2です。

 

スクールソーシャルワーカーの役割

・問題を抱える児童生徒が置かれた環境への働き掛け

・関係機関等とのネットワークの構築、連携・調整

・学校内におけるチーム体制の構築、支援

・保護者・教職員等に対する支援・相談・情報提供

・教職員等への研修活動

 

スクールカウンセラーの役割

・児童生徒に対する相談・助言

・保護者や教職員に対する相談(カウンセリング、コンサルテーション)

・教職員や児童生徒への研修や講話

・相談者への心理的な見立てや対応

・ストレスチェックやストレスマネジメント等の予防的対応

・事件・事故等の緊急対応における被害児童生徒の心のケア

 

福祉の専門職であるソーシャルワーカーと心理の専門職であるカウンセラーは,求められているものが異なることが理解できるでしょう。

 

今日の問題は,

 

・関係機関等とのネットワークの構築、連携・調整

 

にあたるところでしょう。

 

いかにもソーシャルワーカーっぽいですね。


<今日の一言>

特別養子縁組は,実親との関係が切れます。

もし,今日の問題で,選択肢4を選ぶ人がいたとしたら,ソーシャルワーカー失格です。

Gさんに一切寄り添っていないからです。

2020年9月1日火曜日

スクールソーシャルワーカーの役割

スクールソーシャルワーカーは,文部科学省の「スクールソーシャルワーカー活用事業」で配置されています。

任用資格は,社会福祉士・精神保健福祉士等とされています。

 

スクールソーシャルワーカー活用事業の趣旨

いじめ、不登校、暴力行為、児童虐待など生徒指導上の課題に対応するため、社会福祉等の専門的な知識・技術を用いて、児童生徒の置かれた様々な環境に働き掛けて支援を行う、スクールソーシャルワーカーを教育委員会・学校等に配置し、教育相談体制を整備する。

 

スクールソーシャルワーカーの役割 

・問題を抱える児童生徒が置かれた環境への働き掛け

・関係機関等とのネットワークの構築、連携・調整

・学校内におけるチーム体制の構築、支援

・保護者・教職員等に対する支援・相談・情報提供

・教職員等への研修活動

 

それに対して,スクールカウンセラーの役割は,以下のとおりです。


 スクールカウンセラーの役割

・児童生徒に対する相談・助言

・保護者や教職員に対する相談(カウンセリング、コンサルテーション)

・教職員や児童生徒への研修や講話

・相談者への心理的な見立てや対応

・ストレスチェックやストレスマネジメント等の予防的対応

・事件・事故等の緊急対応における被害児童生徒の心のケア

 

この2つの職種を簡単に言えば,


スクールソーシャルワーカーは,関係機関との連携・調整

スクールカウンセラーは,心理的支援

 

だと言えるでしょう。

 

それでは,今日の問題です。

 

第29回・問題96 事例を読んで,Dスクールソーシャルワーカー(社会福祉士)による助言として,最も適切なものを1つ選びなさい。

〔事 例〕

小学校2年生のE君(7歳)は,授業中に教室内を歩き回ることが頻繁にある。担任がE君の離席を注意すると,E君はパニックを起こし,泣き叫びながら教室の外に飛び出してしまう。授業の進度も大幅に遅れていることから,複数の保護者から担任の交代を求めるクレームが校長に寄せられている。校長は,教育委員会にスクールソーシャルワーカーの派遺を要請し,助言を求めることとした。Dスクールソーシャルワーカーは学校を訪問し,授業観察を行った。

1 校長に対して,E君を転校させる必要性があると助言する。

2 校長に対して,保護者からのクレームは気にする必要がないと助言する。

3 校長に対して,個別的な対応をするため,特別支援教育支援員配置の必要性があると助言する。

4 E君の担任に対して,E君の指導を厳格にするよう助言する。

5 E君の保護者に対して,家庭でのしつけを徹底するように助言する。

 

前回の問題と同じように,絶対に間違ってはいけない問題です。

 

正解は, 

3 校長に対して,個別的な対応をするため,特別支援教育支援員配置の必要性があると助言する。

  

これ以外の選択肢は,その助言に根拠があるとすれば,スクールカウンセラーの役割に属するものです。

スクールカウンセラーは,心理アセスセメントができる心理の専門職です。

心理的問題があった場合は,スクールカウンセラーにつなげることが必要です。


<今日の一言>

今日の問題は,答えが明確なので,よほどのことがない限り間違うことはないでしょう。

もし,設問が「スクールソーシャルワーカーの役割として,適切なものを選びなさい」という問題で,選択肢がスクールカウンセラーと混同させるような問題だったとしたら,難易度が上がります。

スクールソーシャルワーカーは福祉の専門職,スクールカウンセラーは心理の専門職であるという基本は理解しておかなければなりません。

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